フラットコーテッドレトリーバーは「陽気」「楽観的」「友好的」といった表現がぴったりな、フラットコート(直毛)が特徴のイングランド原産のレトリーバーです。レトリーバーといえばゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーが有名ですが、展覧会に登場した歴史は彼らよりも古く、1860年頃に登場した記録が残っています。ゴールデンラブラドールと比べると細身な体型をしており、活動的な性格をしています。ブラックの真っ黒なカラーが一般的ですが、レバー(茶色)も少しずつ増えてきているようです。

 

フラットコーテッドレトリーバーのパラメーター

フラットコーテッドレトリーバーの飼いやすさ

お留守番耐性 ★★★☆☆
しつけやすさ ★★★☆☆
必要な運動量 ★★★★☆
抜け毛の多さ ★★☆☆☆
必要なブラッシング量 ★★☆☆☆

フラットコーテッドレトリーバーの性格

人への人なつっこさ ★★★★☆
他の犬への友好度 ★★★★☆

公式データ

JKC分類 8G ポインター・セタ―以外の鳥猟犬
AKC分類 スポーティング・グループ
原産国 イギリス
体高 オス59-61.5cm メス56.5-59cm
体重 オス27-36kg メス25-32kg

 

フラットコーテッドレトリーバーの性格

大人になっても輝くやんちゃな瞳・・・

とにかく天真爛漫、尻尾をたくさん振ることがこの犬種の特徴です!しつけなどの学習能力も高く、活動的な性格をしているので、適切な運動量を与えることができれば優秀な家庭犬として成長します。セッターの血を引き優れた嗅覚を持っているので、フリスビーやアジリティーといったドッグスポーツはもちろん、捜索犬や麻薬探知犬としても活躍しています!好奇心旺盛、泳ぎが得意な犬種なので、愛犬と一緒にアウトドアに出かけたい飼い主さんにはピッタリの犬種です。

撃ち落とした鳥(的なボール)をRetrieve(回収)!

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フラットコーテッドレトリーバーの歴史とルーツ

19世紀初頭、ニューファンドランドや小型のレトリーバーなどの泳ぎが得意な犬種に、鋭い嗅覚をもつセッターなどを掛け合わせて誕生したものと考えられています。当初これらの犬は、その被毛のタイプによって「ウェービーコーテッド(波状毛)」、「スムースコーテッド(短毛)」、「フラットコーテッド(直毛)」などと区別されていました。19世紀末ごろ、波状毛では撥水があまり良くないことから直毛の犬種との交配によって改良固定され、当時は絶大な人気を得ていましたが、ラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバーの登場により人気を奪われ、20世紀中ごろには頭数が激減し絶滅の危機に瀕しました。しかしその後、わずかに残った個体から愛好家によって復興計画が進められ、頭数が回復して今日に至ります。

 

フラットコーテッドレトリーバーを飼うときに気をつけたいこと

陽気で活発な性格が災いして、大人になってもやんちゃな行動をおこす子も珍しくなく、愛好家からは「永遠のピーターパン」などと呼ばれることもあります。レトリーバーの特性を活かすようなボールなどを持って来させる遊びや、ドッグランで思い切り走らせるなど、たくさん運動させて、欲求不満を取り除いてあげましょう。

泳ぎは大得意!

フラットコーテッドレトリーバーの成長

個体差がありますが、オスの例だと生後半年で10~15kg程度、生後1歳で20~25kg程度となる場合が多く、その後1歳半~2歳くらいまで筋肉がついて大きくなっていきます。体高はオス59~61.5cm/メス56.5~59cm、体重はオス27~36kg/メス25~32kg程度が一般的です。

フラットコーテッドレトリーバーとお散歩

活発で体を動かすことが大好きなので、たくさんの運動をさせる必要があります。骨格が形成されていない若年期は朝晩30分~1時間程度の散歩を行ない、1歳を過ぎるころからはただ歩いてリードを引くだけでなく、自転車を使ってランニングをさせたり、ドッグランなどで自由に運動をさせたりするといった環境が必要です。

 

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フラットコーテッドレトリーバーの毛のお手入れ

抜け毛が多い犬種ではありませんが、きれいな被毛を保ち、無駄な抜け毛を抑制するために、一週間に一度くらいの頻度でブラッシングをしてあげると良いでしょう。

 

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フラットコーテッドレトリーバーの毛の色

ブラックまたはレバーの単色のみ認められています。

左からブラック、レバー(とボーダーコリー)

フラットコーテッドレトリーバーのからだつき

他のレトリーバーに比べると、細身の体型でやや長い鼻筋が特徴です。大きな垂れ耳、短めの尻尾にはふさふさの被毛をもち、全体的には大型犬らしい筋肉質な体型をしています。

フラットコーテッドレトリーバーと生活する上で気をつけたいこと

まずは充分な運動量を確保してあげられること。雨で外出ができないだけでも、この犬種にとっては大きなストレスとなってしまうようです。また肥満を予防したり、他の犬とふれあうためにも、運動やお散歩の機会は多めにとってあげましょう。他に、暑さ対策しつけの徹底にも気をつけたいところです。それから、ゴールデンレトリーバーをはじめとする大型犬は、体の大きさの割に心臓や肺の機能が高くないため、小型犬に比べて老化が早く寿命が短いといわれています。できるだけ長生きさせてあげるには、避妊や去勢を済ませておくこと、お散歩や食事の量に注意して肥満を防止することが重要です。

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アウトドア大好き!

フラットコーテッドレトリーバーの気を付けたい病気

フラットコーテッドレトリバーのかかりやすい病気について、下線の傷病名をクリックすると、「うちの子おうちの医療事典」の詳しい解説を確認できます。

股関節形成不全

膝蓋骨脱臼

異物誤飲

分離不安症

レトリーバー全般に言えることですが、骨関節の遺伝性疾患が多く見られる犬種です。また、好奇心旺盛な性格から色々なものを飲み込んでしまい、摘出手術が必要になることもあります。その他、猟犬として飼い主さんといつも行動を共にする歴史で確立された犬種のため、まれに分離不安の症状が表れる子もいるようです。

 

★「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、犬種など、かかりやすい病気や、症状や病名で調べることができる『うちの子おうちの医療事典』をご利用ください。

例えば、下記のような切り口で、さまざまな病気やケガを知ることができます。

再発しやすい

長期の治療が必要

初期は無症状が多い

命にかかわるリスクが高い

生涯かかる治療費が高額

高齢犬に多い

病気の進行が早い

緊急治療が必要

入院が必要になることが多い

かかりやすい病気

他の犬にうつる

人にうつる

予防できる

子犬に多い

 

犬種別病気ガイド」でレトリーバーを調べる

犬は種類や体型、年齢によってかかりやすい病気・ケガが異なります。犬種別病気ガイドでは、犬種ごとのかかりやすい病気や特徴、飼育ポイントなどをご紹介しています。

 

「子犬」に関するワンペディア専門家監修記事もあわせてご覧ください。

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アイペット獣医師

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