犬のお世話をする上で、一番手がかかるのが犬のお手入れではないでしょうか。ブラッシングをしたり爪を切ったり体を拭いたり。ちょっと手間はかかりますが、実はお手入れにはメリットがたくさんあります。愛犬の臭いを押さえ、健康を保ち、見た目もキレイにしておくことができるだけでなく、きちんと定期的にスキンシップを取ることで、体調の異変にも早く気付くことができます。飼い主さんがおさえておくべき、8つのお手入れポイントをまとめました。

目ヤニとり

人が目ヤニが出るように犬も目ヤニが出ます。特に毛が白い場合は、涙やけしやすくなるので、丁寧に拭いてあげるといいでしょう。病気の予防・早期発見にもつながりますので、気付いたらこまめにお手入れをしてあげてくださいね。

準備するもの

■ ガーゼ

■ 綿棒

※ティッシュやペーパータオルは繊維が荒いため、目が傷つくおそれがあります。

姿勢

あやまって目を傷つけることがないように、姿勢を固定してあげましょう。 膝の上などどこでも良いですが、安定した場所を確保することが大事です。

目ヤニをふやかす

濡れたガーゼ(クレンジングパッドも可)などを使って、まず目ヤニを柔らかくふやかしましょう。目ヤニが硬いままだと毛が引っ張られて痛がります。

目ヤニをとる

引き続きガーゼを使うか、綿棒に切り替えても構いませんので、目ヤニを取り除いてあげましょう。目ヤニをしっかりとると、涙やけなども減少します。

 

耳掃除

耳のお手入れを怠ると耳ダニの感染や、外耳炎の原因になります。特に耳の垂れている犬は、耳の中の通気性が悪く、蒸れて炎症を起こしやすい環境ですのでこまめに手入れしてあげましょう。

準備するもの

■ イヤークリーナー

■ コットン

耳のお手入れ方法はこちら

歯磨き

歯についた食べかすをそのままにしておくと、歯垢や口臭の原因となります。歯垢はやがて歯石へと変化し、歯周病を引き起こすきっかけになります。歯周病がひどくなると歯が抜け落ちたりするので、毎日の歯磨きがとっても大切なんです。

歯ブラシを使う

歯ブラシはふつうの歯ブラシタイプの物や指にはめて使うタイプ等、形状は様々です。色んな物が市販されているので自分の子に合った物を探してみると良いと思います。「歯磨き嫌いな愛犬に、歯磨き上手になってもらうには【獣医師解説】も参考にしてみてください。

ガーゼを使う

歯ブラシに抵抗のある子はまずはガーゼから始めてみるのも良いでしょう。ただし、この方法では歯周ポケットまではきれいにできないため、できれば歯ブラシの使用が望ましいです。

お気に入りのフレーバーを使う

お気に入りのフレーバーなどがあれば犬用の歯磨きジェルなどを使用しても良いでしょう。

もっとも、犬のデンタルケアで一番大切なのは「日常的に続けること」です。そのためには飼い主さんの正しい知識と根気が必須です。既にケアを行っている方はこれからも頑張って続けてください。今までやってなかった方や、やろうとして出来なくてやめた方もこれを機にぜひ始めてみてください。

 

 

★歯みがきの仕方の参考に

●歯みがきの仕方がよくわからない飼い主様が、ペットの歯みがきができるよう、一般社団法人「日本ペット歯みがき普及協会による、歯みがき教室が開催されています。歯みがき教室の開催予定は、こちらをご覧ください。

●同協会による「口腔ケアのための唾液腺マッサージ」動画(監修:かまくら元気動物病院 院長  石野 孝先生)は、こちらをご覧ください。

シャンプーとブロー

毛玉をほぐす

お湯をかける前にまず乾いた状態でブラッシングをしましょう。 毛玉は水分を含むとさらに硬くなってしまいますので、この時点でほぐすのが大切です。

カラダ全体を濡らす

まず、シャワーのお湯をややぬるめ(36℃~38℃)の温度に設定。シャワーヘッドを皮膚に軽く押しあてて、[おしり→後肢→背中→胸→前肢→顔]の順にお湯をかけます。全身をしっかり濡らして毛穴を開き、汚れを浮き出させます。

 

犬のシャンプー

 

尻尾に近い方から順にカラダを洗う

前肢・後肢⇒おしり・内股⇒胸・背中⇒顔や顔のまわり、の順で洗ってあげると良いでしょう。肢は付け根、内股部分、足先に至るまで汚れやすいので、しっかり洗いましょう。胸や背中の部分はデリケートですので、指の腹を使ってカラダをマッサージするように泡立てていくのが良いです。

シャンプーを洗い流す

立った際に上に来る部位から、つまり、頭→耳→顔→背中→胸→前肢→おなか→おしり→後肢の順に泡を洗い流していくと良いです。

水気を拭き取る

タオルで全身を包み込むようにしてあげて余分な水気を取っていきます。

*「愛犬がシャンプー好きに!正しい頻度と洗い方【獣医師解説】」でより詳しい解説をしています。

肛門腺のお手入れ

「肛門腺絞り」という言葉をご存知ですか?飼い始めの飼い主さんは聞きなれい言葉かもしれませんが、これは特に小型犬にとって、非常に大切なお手入れなのです。お尻付近にある肛門嚢という部分に、分泌液がたまってしまって、放置すると炎症を起こしてしまう場合があるので、定期的に絞ってあげなければなりません。

肛門腺絞りの方法については、こちらよりご確認ください。

被毛のお手入れ

被毛をブラシやくしで美しい状態にすることをグルーミングといいます。グルーミングは被毛をきれいに保つだけでなく、皮膚に適度な刺激を与えることによって血液の流れをよくし、新陳代謝を高めたり、皮膚病などの早期発見、ペットとのスキンシップなど毎日の生活に欠かせないものです。

 

■ 基本的に頭からしっぽの方へ、上から下へと毛が向いている方向にブラシをかけて抜け毛を取り除いていきます。

■ 耳の後ろやクビの毛はやわらかく毛玉になりやすいので特に念入りにブラシをかけます。

■ おしりの毛やしっぽは敏感なので優しく毛並みにそってとかします。

■ ブラッシングが終わったらコームを毛並みと水平に動かして被毛を美しく整えます。

犬のブラッシング dogsmell7

足裏のお手入れ

犬の足裏には毛が生えていて、室内飼育の環境では足裏の毛が伸びやすくなります。特に長毛種では伸ばしたままにしておくとフローリングの床で肢が滑ってしまい、膝や腰などに負担をかけ、関節疾患などに繋がるおそれがあります。また、足裏の毛が伸びていると指同士の間が蒸れて皮膚病の原因になることもありますので、定期的に足裏の毛をバリカンやハサミでカットするなどこまめに手入れをするようにしましょう。

*「初心者向けのバリカン講座!犬の足裏のお手入れ方法【獣医師解説】」もご覧下さい。

爪のお手入れ

屋外で飼われていたり、よく歩く犬は自然に爪がすり減るのであまり心配いりませんが、室内で飼われていたり、固いところを歩かない犬は爪が伸びすぎてしまうことがあります。爪が伸びすぎてしまうと歩くたびに痛みを感じたり、伸びた爪が途中で折れて出血するなどのけがに繋がるおそれがあります。2~3週間に1回程度爪のチェックを行い、伸びているようであれば犬用の爪切りで切ってあげましょう。

 

■ 犬の体を抱えるようにいて足を持ち上げます。

■ 爪を透かすと血管(ピンクの部分)が見えるので、その2mmほど手前まで切ります。黒い爪の犬は血管の判別が難しいので、少しずつ切っていきます。爪の真ん中に薄い色の湿った部分が出てきたところで止めます。狼爪も忘れずに切ってあげましょう。

■ 切った後はやすりをかけて面取りします。

 

犬の爪のお手入れ

いかがだったでしょうか?病院やトリミングサロンでも一部のお手入れはしてくれますので、大変だと思われた方はぜひそういったところに相談してみてください。

 

☞【関連コンテンツ】アイペット獣医師監修『ペットと私の暮らしメモ』も、ぜひご覧ください。

 

愛犬の「お世話」に関するワンペディア記事

愛犬のお世話の方法をさらにレベルアップするための関連記事をご一読ください。

□ トリミングの目的:意外と知らない、犬にトリミングが必要な理由【獣医師解説】

□ 自宅でトリミング:初心者でも簡単!自宅でできるトリミング【獣医師解説】

□ バリカン講座:初心者向けのバリカン講座!犬の足裏のお手入れ方法【獣医師解説

□ ブラッシング:獣医師が解説!犬の正しいブラッシング

□ 足裏ケア:もうフローリングで滑らない!愛犬の足裏ケア

□ サロン選び:優良なトリミングサロンを選ぶ6つの基準」 

□ 耳掃除:【獣医師監修】犬の耳掃除。どれくらいの頻度ですればいいの?注意点は?

□ シャンプー:愛犬がシャンプー好きに!正しい頻度と洗い方【獣医師解説】

□ 毛並み:愛犬の毛並みを良くするためのお手入れ【獣医師が解説】

□ お手入れまとめ:愛犬に必要なお手入れまとめ

 

 

★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつるか】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

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