犬種にもよりますが、結構伸びるのが早い犬の体毛。毎回トリミングに連れていってはお金がかかる、と自宅でカットしている飼い主さんも少なくないのでは? 

その際によく使われるバリカンについて、ここでは注意したい点やメリットなどをご紹介します。

犬用のバリカンを用意しよう

犬用のバリカンがあることをご存知ですか?ヒト用のバリカンとは違って、切れ味が少し悪くなっています。犬が急に動いてしまうと危ないので、必ず犬用のバリカンを用意しましょう。

落ち着いて、刈り刃と肌は並行に

バリカンと聞いて、「ハサミよりも安全に刈れるのでは?」と思っている飼い主もいるでしょうか。自宅で子どもの散髪にバリカンを使うイメージ。確かにラクで安全そうです。

だがしかし、安易に考えるのは禁物。ハサミや爪切りと同じように、バリカンも犬を傷つけやすい道具であることに違いはありません。慎重に、以下のポイントを押さえて使うようにしましょう。まずは心構えから。慣れていなくても、焦らず、力まず、リラックスして臨みましょう。不安な気持ちは犬に伝わり、落ち着かなく動かれてしまうと失敗の原因にもなります。

バリカンの使い方ですが、ポイントは刃を当てる角度。「肌と水平方向」に当て、バリカンの底を皮膚に軽く押し当てながら刈るのが基本となります。

バリカンによるカットの流れ

バリカンを使ったカットの流れは大まかに、

1, ブラッシング

2, 保定

3, カット

の、3つのステップで進めます。

ブラッシング

ブラッシングはブラシやコームなどを使って行い、毛のほつれやもつれをとります。こうすることできれいにカットすることができます。

 

保定

続いて保定ですが、これは要するに「犬が動かないよう体を固定すること」。慣れてくればひとりでも大丈夫ですが、最初のうちは2人で行うほうが安全でしょう。

保定の仕方はカットする部位によって異なりますが、共通するポイントとしては「カットに夢中になって強く押さえ込まないよう心掛けること。これが原因で保定嫌いになってしまう犬も少なくないようです。保定を嫌がる場合は、声をかける、おやつを用意する、など保定以外のことに気を向かせるようにして、徐々に慣らしていくのも有効な手段のひとつといえます。

カット

そしていよいよカットです。これは部位によって多少やり方が異なります。たとえば足裏の肉球に被った毛の場合は、肉球にバリカンの刃を沿わせるようにして、毛の流れに逆らう方向でカット(逆ぞり)していきます。肉球の間はとても傷つきやすいため、カットする際は刃を強くあてないように気をつけましょう。

また、胸や背中、おなかなどのカットでは、犬の皮膚がたるまないよう伸ばした状態にすることが、刈りムラのないきれいな仕上がり、かつ、安全に行えるポイントとなります。

足裏の毛を放置しないほうがいい理由とは?

さて、バリカンなどで毛を刈るメリットですが、人間と同じく犬も「サッパリして気持ちいいワン♪」と思っているかどうかはわかりませんが、ひとつには「汚れ対策」があります。確かにおなかや肛門まわりをカットすることで汚れにくくはなります。

また、足裏の毛が肉球を覆うくらい伸びてしまうと、「滑り止め」という肉球の大切な働きが機能しなくなってしまいます。すべりやすいフローリングなどの床で室内飼いのお宅の場合は、脚の踏ん張りが効かず、関節に負担をかけ、最悪、痛めてしまうこともあるとか。こうしたケースですが、膝蓋骨脱臼を起こしている、もともと股関節が悪い、椎間板ヘルニアの恐れがある、などの犬についてはとくに気をつけたほうがいいでしょう。

 

★「肉球」について詳しくは、「ペットと私の暮らしメモ」~「犬のかわいい肉球、実は大きな役割を秘めている?」~をご覧ください。

 

*本記事に関連するワンペディア獣医師監修記事はこちらをご覧ください。

椎間板ヘルニア☞「愛犬のために知っておきたい椎間板ヘルニア

骨折☞「室内での骨折に要注意!あなたの愛犬は大丈夫?

肉球☞「可愛い肉球に隠された大きな役割

 

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お世話をしながら気付い事たことから病気を調べる

「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

例えば、下記のような状態から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

(元気)■ 元気がない ■ 疲れやすい ■ ぐったりしている ■ 意識がもうろうとしている

(食事)■ 食欲がない ■ 食べすぎる ■ 水を飲まない ■ 水を沢山飲む

(体型)■ 太る ■ 痩せる ■ お腹がはっている ■ 腫れている

(体温)■ 体が熱い ■ 体が冷たい

(挙動)■ 痛がる ■ 足をあげる ■ 歩かない ■ 頭を振っている ■ ふらつく ■ ぐるぐる回る ■ 遠吠えをする

(性格)■ 性格が変わる

 

☞本記事に関連する病気を「うちの子おうちの医療事典」で調べる

膝蓋骨脱臼

椎間板ヘルニア

 

他にも次のような切り口でさまざまな傷病を調べることができます

【治療面】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさ】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

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