愛犬が毎日を楽しく生活できることは飼い主さんにとってなによりの幸せです。お友達ができたらより一層、今の生活が楽しくなるのでは?という考えから、子犬の時期から愛犬をドッグランに連れて行こうする飼い主さんは多いかもしれません。

でもちょっと待って。他の犬とのコミュニケーションの取り方を知らない愛犬をドッグランに連れていくことは、実はリスクが潜んでいることってご存知ですか?ドッグランデビューをする前に、自宅の愛犬をドッグランに連れて行っても大丈夫か、まずは確認してみましょう。

ドッグランは社会化を学んだ犬が楽しむ場所

愛犬の運動欲求が満たされて、色々なワンちゃんと交流することができ、飼い主さん同士のコミュニティーが広がって…。ドッグランには良い点がたくさんありますよね。そして何より、ドッグランは愛犬と思いっきりオフリードで楽しむことができ、飼い主さんと愛犬との関係性を作ることができる場所なのです。

そんな楽しいはずのドッグランですが、全ての犬にとって憩いの場となるわけではありません。犬種、大きさ、年齢、性格の異なる犬たちが集っているのです。様々な犬が集まるドッグランでトラブルなく過ごすためには、正しい犬への知識と愛犬との社会化を含めたトレーニングがとても重要です。色んなワンちゃんがいても、ひるまずにきちんとコミュニケーションを取れるスキルがドッグランでは必要なのです。

社会性を学べていない子がドッグランに行くと・・・

チワワ 寂しそう

では、他のワンちゃんと初めて触れ合うような子を、ポンッとドッグランにいれると、一体どうなるでしょうか?まず、いきなり広い場所に放たれても、どうしたらいいのかわからなくなる子は多いのです。特に今まで、おうちの中でしか活動していなかったような子が、いきなりひろーい場所にひとりでポツン。そして見慣れない人や見たことのない犬が集団で大はしゃぎしているわけです。この状況は人間同士でおきたことだとしても、なかなか対応が難しい状態ですよね。

また犬同士、相性もあります。愛犬と相性の良いワンちゃんがいない場合は社会性があったとしても、なかなか仲良く遊べないかもしれません。私たち人間にも好みがあるように犬にも好みがあるのです。さらに犬は集団生活をする生き物です。集団生活には正しいコミュニケーションが必須です。そのため上手にコミュニケーションを取れない犬は、他のワンちゃんとうまく遊べない可能性だってあります。

他の犬に慣れさせる目的で連れて行ったドッグランのはずなのに、「他の犬は怖い」という恐怖意識を植え付ける場所になってしまった、というケースは実は多いのです。そして、コミュニケーションを取るのが得意な子だからといって安心してはいけません。なぜなら初めて会うワンちゃんの性格ってどんな性格か分からないですよね。愛犬が大丈夫でも、相手のワンちゃんはもしかしたら犬が苦手な子かもしれません。むやみやたらに近づけることには大きな危険が伴いますので、しっかりと相手の性格も踏まえたうえで、交流させる必要があります。

社交的なワンちゃんに育てるためには

Toy Poodle playing with its female master

 

ドッグランで事故なく安全に遊べる、社交的なワンちゃんを育てるためには、飼い主さん自身が犬に対する正しい理解をすることと、子犬のころからのトレーニングが必要です。特に生後1~3ヶ月の「社会化期」に、人間社会に存在する色々なものに慣れているかどうかで、その後の生活が大きく変わります。

この時期は他の犬に限らず、知らない人や車の音、見ず知らずの環境になるべく触れさせてあげましょう。ただ、この時期はまだワクチンが完了していないため、他のワンちゃんと直接接触するのはNG。抱っこをしたままドッグランの外から、他の犬を見せてあげたり、家の近所を回ったり、クルマに乗せたりしてあげるといいでしょう。

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また、ワクチン接種が完了して1週間以上経ったら、子犬の社会化について学べる「パピーパーティー」に参加することも可能です。パピーパーティーでは同年代の子犬たちとのふれあい方について教えてもらえるので、一度は参加されることをオススメします!

*パピーパーティーについて、詳しくは『他の子犬たちと出会えるパピーパーティーとは』の記事で詳しくご紹介しています!

ドッグランデビューで注意したいこと

社会化がきちんとできて、いよいよドッグランデビューをする場合、ドッグランの状況を飼い主さんが正しく把握しておく必要があります。いきなりドッグランに突入するのではなく、まずは外からドッグランの中を見てみましょう。その際に注意すべきポイントをまとめておきます。

 

・来ている犬ははげしい遊び方をしていないか。

・飼い主さんたちはきちんと自分の犬たちをコントロール下に置いているか。

・集団で遊んでいる犬はいないか。

 

初めてドッグランに連れて行く場合は、極力人も犬も少なくて、きちんと人間の管理が行き届くような状態であることが理想です。もし、常連の飼い主さんたちがたくさんいて、多くの犬が集団で走り回っているようなときは、少し様子を見たほうがいいかもしれません。仲良しな飼い主さん同士がおしゃべりに夢中になっていると、もしそのおうちのワンちゃんが興奮して追いかけてきたとしても、飼い主さんによるストップをかけてもらえないことがあります。

また自分が愛犬と遊んでいたら、他のおうちのワンちゃんが追い込んでしまい、ケンカになってしまうこともあるかもしれません。自分の犬をコントロールできるよう日々のトレーニングをしておくこと、これはドッグランに限らず、犬と生活を送るうえではとても重要なのです。

注意点をメインにあげてきましたが、ドッグランを楽しめるようになるとメリットはたくさんあります。愛犬にドッグラン好きになってもらうためにも、正しい知識を学んでおきたいですよね!

 

 

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犬種や季節、年齢など、うちの子がかかりやすい病気を調べて予防するため、『うちの子おうちの医療事典』を、ご利用ください。

佐藤 千佳
プレイボゥドッグトレーナー
アカデミー

佐藤 千佳

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