犬の問題行動のひとつとしてよくあげられる「咬み」。環境省の調査では令和2年度において、全国で4,277件の咬傷事故が発生しているとうデータが発表されました。この件数は1日に約12件もの咬傷事故が日本のあちこちで起きている計算です。
犬という動物にとって「咬む」という行動はいたって自然な行動です。しかし私たち人間社会で「咬む」という行動をむやみやたらに起こしてしまうと危ないですよね。なので私たちは犬にしつけを通して、「咬む」という行動をコントロールできるようになる必要があるのです。
なぜ犬は咬むの?
犬は基本的に、むやみやたらに歯をあてる動物ではなく、何か理由があって歯を当てます。その理由とは様々なことが考えられます。例えば、頭上から手が降りてきて怖くて逃げたいのに逃げれない、だから自分の身を守るために歯をあてるなど、恐怖が原因となるケースが大部分を占めていると考えられていますが、他にも歯が生え変わりの時期でかゆい、体のどこかが痛いから触ってほしくない、など何かしらが原因となっているはずです。
私たち人間は、犬がむやみやたらに歯を当てないよう、トレーニングを通して犬に教えてあげることが、人間社会で一緒に暮らしていく上でとても大切になります。
そしてこれらの原因によって、トレーニング方法も変わってきますので、いくつかの原因からできるトレーニング方法をご紹介していきましょう。
子犬を飼っているのですが、遊んでいると歯を当ててきます…
子犬によく見られる「甘咬み」と呼ばれる行動は、遊びの最中によく見られる行動です。なぜ遊んでいる際に多く見られるのかというと、子犬は子犬同士の遊びを通して、「咬む加減」を学ぶため、人間に対しても歯を当てるという行動が見られやすいのです。他にも人が痛がる様子を見て、犬は「なんだか声を高く発していて楽しそう!もっと咬んじゃえ!!」とテンションが上がってしまうこともあります。
この甘咬み、小さいからまだそんなに痛くもないし…とそのままにし、成犬になってから本気で咬むようになってしまう可能性もありますので、出来るだけ早めに対応されることをおすすめします。
トレーニング方法
用意するもの:犬用おもちゃ
手順
1, おもちゃを使いながら犬と遊びます。
2, 犬が手に歯を当ててきたらおもちゃ遊びをすぐにやめ、その部屋から出ます。
3, 5秒ほど経ったら再び犬の元に戻り、1と2の手順を繰り返します。
こうすることで犬は「人に歯を当ててしまうと、遊びが終わってしまう。しかも飼い主さんもどこかへ行ってしまうんだ。」と学習し、人に対して歯を当てなくなっていくという方法です。
机の脚やラグなど家具をかじって困っています…
これらの行動の原因としてあげられるのは、歯がかゆい、かまって欲しい、欲求不満などです。このような原因からくる行動であれば、何か別の行動をさせて欲求を満たしてあげることで問題行動の解消に繋がります。
例えば、運動量を増加させることや「犬のおもちゃの選び方、与え方」でご紹介している“知育玩具”を与えることです。運動量を増やすことで、これまでは家具をかじることで満たしていた欲求を運動で発散することができ、家具をかじる必要性がなくなります。また、このような、おやつが出てくる、咬んでも良いおもちゃを与えることは、家具をかじることよりも犬にとっては嬉しいことですので、家具をかじらなくなるというわけです。
人に対して歯を当ててきます…
これは様々な原因が考えられますが、よくある原因としては犬が嫌がっているにもかかわらず、人が犬に対して嫌がることをやってしまっている、ということが考えられます。例えば、足を拭かれることが苦手な犬に対して、無理やり拭いてしまっている場合や、撫でられることが苦手な犬に対して積極的に触ってしまっている場合などに恐怖を感じ、咬むという行動に出てしまう犬も多くいます。
こういったケースの咬みを直すためのトレーニング方法は、実際の状況や犬の様子を見て、トレーニング方法をお伝えしなくてはなりません。そして何よりも飼い主さまご自身が怪我をしてしまう可能性がありますので、ドッグトレーナーなどの専門家から直接指導を受けながら直す方が良いでしょう。
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犬のしつけ方法は1つだけではない!
私たち人間は個々に様々な性格・個性を持っていますよね。犬も同様にそれぞれ個性がありますので、同じ犬種でも性格は様々です。つまり犬のしつけ方法はひとつだけではありません。その子に合った方法を見付け出し、そして学習するスピードも個々に違いますので、焦らず根気よくトレーニングしていきましょう。
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愛犬の行動から、病気の可能性を調べてみる「うちの子おうちの医療事典」
「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、犬種など、
例えば、愛犬の「行動」から、
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