Fotolia_136770762_Subscription_Monthly_M犬は人間の言葉を話せるわけではありませんが、体を使っていろんな気持ちを表しています。犬がしっぽを振っていたら喜んでいるサイン、というのは有名な話ですよね。しかし、実は犬がしっぽを振っているときは、必ずしも喜んでいるとは限らないのです。ここではしっぽ以外にも、色々な体の動きからわかる犬の感情をご紹介します。

犬の気持ちの読み解き方について

ここでは、口・しっぽ・目・耳・足・毛などの動きからわかる犬の感情をご紹介しますが、一つの仕草だけで犬の気持ちを読み解こうとするのはなかなか困難です。たとえば、犬はリラックスをしているときも、ストレスを感じているときにも口をあけます。本当にリラックスできているのか、それともストレスを感じているのかは、口の動きだけでなく、他の体の動きや前後の状況から汲み取ってあげる必要があります。

 

トイレの失敗で怒られた後に口をあけていたら、ストレスを感じているサインでしょうし、飼い主さんとのんびりしているときに口が開いていたら、リラックスをしているという証ですよね。愛犬の気持ちをきちんと理解して、より素敵な関係を作りましょう。

口の動きからわかる犬の気持ちHappy golden retriever puppy

口をあけているとき

嬉しかったり、リラックスしている時は口が開いています。「まるで笑っているみたい」と思ったことはありませんか?まさにそんな表情ですよね。ただし、ストレスを感じているときにも開けることがあります。どっちかなと思ったら、他のストレスサイン(例えば、舌を出して呼吸が荒くなる、舌舐めずりをする、あくびをする、体がこわばるなど)も出ていないかどうかを見てあげてください。

口を閉じているとき

何かを狙おうとしている時など、集中していると口がきゅっと閉じます。犬は五感の中でも嗅覚が非常に優れているため、口を閉じることによって、鼻をより効果的に使うことができるのです。 また、空いていた口を突然きゅっと閉じた時は、緊張や警戒の気持ちを表している可能性があります。

しっぽの動きからわかる犬の気持ちtail of siberian husky puppy

しっぽが下がっているとき

ストレスや恐怖を感じていたり、警戒していると、しっぽは下がります。ただ、力を抜いているときにもしっぽはだらんと下がりますので、必ずしもマイナスの感情ばかりではありません。しかし、しっぽを股の間に挟むくらい下がっているときは、明らかにストレスや恐怖を感じている証拠です。

しっぽがピンと高くあがっているとき

しっぽがピンと高く上がっているときは、攻撃をしようとしていることが多いのですが、実は遊びに誘おうとする時もしっぽは上がります。そして、「これ以上近づくなよ」と相手に警告するときも高くあがります。これも前後の状況などを見て判断するといいですね。

 

においを嗅ごうとして首が下がると、しっぽは自動的にあがりますし、何かに集中している時もあがりますので、必ずしも攻撃的なことだけを意味するわけではありません。

しっぽが地面と水平なとき

少し細かくなりますが、しっぽはあがっていても、ピンと立てられているのではなく、途中くらいで止まっていることがあります。この時、しっぽを振っていたら友好な気持ちを表していますが、水平の状態で止まっていれば、相手の様子をうかがっているか、警戒していることを意味します。

しっぽを振っているとき

意外と知られていないのですが、しっぽを振るのは、必ずしも嬉しいときばかりではありません。興奮している時にも振ります。しっぽを振っているから喜んでいるとばかり思っていたら、そうではなかった・・・ということもありますので、要注意です。

目の動きからわかる犬の気持ち

不安だったり、緊張している時は白目が見えると言われています。また、興奮していたり、警戒や恐怖を感じている時は、目を大きく見開きます。

耳の動きからわかる犬の気持ち

耳を立てて前に向けているとき

集中していると、耳は前に向けられます。そうすることによって、目の前で起こっていることを注意深く観察しようとしています。警戒している場合も同じように耳を前に向けることがあります。

耳をぺたんと寝かせるとき

うれしかったり、親しさを示す時には耳をぺたんと後ろに寝かすことがあります。逆に、怖かったり、緊張していたり、ストレスを感じている時も耳を寝かします。まったく反対の感情を示していますが、耳と耳の間がどれだけ広がっているかも、ポイントになります。間が狭くなっている時は、ほとんどが緊張して集中している時ですが、広がっていれば友好を示していることが多いのですが、不快を感じている時にも広がることがあるので、一概には言えないかもしれません。

 

これも他の体の部位のサインやその子が取る行動(逃げようとしていないかなど)を見逃さないようにしましょう。

足の動きからわかる犬の気持ち

片足をちょこんとあげるとき

子犬や比較的若い犬は、片方の前足をぴょこんとあげることがあります。これには、さまざまな理由がありますが、「パピーリフト」と呼ばれる行動は、相手に威圧感を感じるなど軽いストレス状態にあるときに見られます。その名の通り、片足をあげるという行為は子犬が行うものです。子犬は母乳を飲みたいときや、母犬の口から食べ物をもらいたいときなど、食べ物を要求するときに片足を上げることがあります。

 

片足を上げることで、自分が子犬らしいことを示し、相手に敵意はないというサインを発しているのです。この行動は、子犬だけではなく成犬でも示すことがあります。「あなたに近づきたいけど、ちょっと怖いなあ。でも、私はあなたに敵意は持っていないんだよ」と相手に伝えて受け入れてもらおうとしているのです。しかし、ストレスとは関係なく、ただ単に飼い主さんの気を引こうとして、前足をあげることもあります。

地面をホリホリするとき

野生の犬は暑い時に、土を掘ってひんやりとした土の中で涼んでいました。その名残りで、暑さを感じたときに地面を掘るといわれています。また、穴を掘るのは寝床作りのため、とも言われています。飼い主さんと一緒に寝るベッドや、自分のベッドを掘っているのは、寝床を作っているのでしょうね。

 

単に退屈でやることがないとき、暇つぶしでも掘る場合があります。

毛の動きからわかる犬の動き

犬の背中を見ていると、肩や背中全体にかけて逆毛が立っていることがあります。また、しっぽの付け根の部分でも逆毛が立つことがあります。これは気持ちが高ぶっている時などに見られます。嬉しいというよりは、どちらかというと、怖かったり、緊張している時に逆毛が立つことが多いようです。

 

キャバリアやスパニエルなど、皮膚がタプタプしているような犬種では、ボディランゲージを読みにくいと言われています。柴犬などの日本犬も、表情があまり変わらないため、気づかないことがよくあります。また、犬にも個性はありますので、必ずしも上の解説にあてはめて考える必要はありません。

 

日頃愛犬と接している飼い主さんだからこそわかる、その子特有のサインってあると思うので、上記はあくまで参考にして頂きつつ、その子独自の表現方法を理解してあげてくださいね!

菊池 亜都子
東京大学附属動物医療センター 行動診療科

菊池 亜都子

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