老犬の中には歯が抜ける犬もいます。

しかしこれは、ただ加齢によって抜け落ちたのではなく、歯周病が進行して歯槽膿漏に発展したことで抜け落ちることがほとんどです。歯が抜けてしまうと食欲が落ちたりして免疫力が低下する原因にもなるので、きちんと予防することが大切です。

 

老犬っていつから?

犬種や体格にもよりますが、一般的には小型犬のほうが大型犬よりも長生きするといわれていて、小型・中型犬は10歳以降、大型犬なら7歳以降くらいからが「老齢期」と呼べます。

足腰が弱るため、散歩のスピードが落ちたり、散歩に行くのを嫌がるようになったりします。また、暑さや寒さに弱くなったり、耳が遠くなったり、目が白くなって物にぶつかったり、食欲が落ちたりと、人間の老化と同じような様子がみられるようになります。

口のなかも老化する?

さまざまな老化現象のなかに、もちろん口内環境の悪化も含まれます。

  • 歯石が目立つようになってきた
  • 歯磨きをしても歯垢がとりにくくなってきた
  • 片方の歯でしか噛んでいない
  • 食欲が落ちて残すようになってきた
  • 口臭が強くなってきた

きちんとケアをしていないと歯垢がたまり、歯垢が時間とともに堅い歯石に変化し、それが歯周病の原因となります。歯周病は悪化すると頬から膿が出たり、歯槽膿漏で歯が抜けてしまったりする、恐ろしい病気です。

<歯周病重度の犬>

*『放置すると恐ろしいことに!犬の歯周病とは』も併せてご覧ください。

歯が抜けてしまう…!

犬の歯が老化による歯槽膿漏で抜けてしまう場合、飼い主さんはいつのまにか歯がなくなっていることに気づくかもしれません。食事のときやオモチャで遊んでいるときに抜けてしまった歯は、前歯などの小さい歯であればたいていの場合は飲み込んでしまいます。飲み込んだ歯は、便と一緒に排泄されるので心配する必要はありませんが、それよりも、歯が抜けないように注意することのほうが大切です。

歯周病、歯槽膿漏にならないような習慣を

若い犬でも、歯周病や歯槽膿漏の危険はありますが、免疫力の落ちてきている老犬はとくにその危険があります。口のなかの病気が進むと、細菌が血流にのって体中に流れ、重篤な内臓疾患の原因になることもあります。老齢なだけでも体に負担がかかっているのに、内臓の病気にまでなってしまうと、さらに寿命を縮めることになりかねません。

小さいときから、口のなかを見せてくれる、指を入れても大丈夫、歯磨きの習慣があるという場合は、いつでも口の様子をみられるので、異変に気づきやすくなります。歯槽膿漏になる前の、歯肉炎の段階で発見できれば、治療もやりやすくなります。

歯周病の原因のひとつでもある歯石の除去も大切です。歯石が厚くなりすぎると、全身麻酔をかけてきれいにしなくてはなりません。老犬にとっては全身麻酔自体が体にとって大きなストレスになりますので、歯石をためないような習慣が一番大切になります。

いつ起こってもおかしくはない

仔犬の歯の生えかわりと違って、老犬の歯はいつごろに抜ける、という目安はありません。まったく抜けないまま一生をまっとうする場合もありますし、まだ老齢期に達していないのに抜けてしまうこともあります。歯が抜け落ちてからでは遅いので、予防がもっとも大切になってきます。

 

毛並みや食事、内臓の病気などと同じように、歯の健康についても飼い始めのときから注意してあげたいですね。

 

 

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犬種や季節、年齢など、うちの子がかかりやすい病気を調べて予防するため、『うちの子おうちの医療事典』を、ぜひご利用ください。

高田 傑
牧の原どうぶつ病院 院長

高田 傑

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