「愛犬の口からポロッと何かが出てきた」「硬い白いものが落ちていた」。そんな経験がある飼い主さんもいるのではないでしょうか。じつは、それ、犬の歯が抜けたものかもしれません。なぜ歯が折れたり、抜けたりするのか?について紹介します。

犬には歯が何本あるの?

 

犬にも人間同様に乳歯と永久歯があり、成長段階で生え変わります。犬の乳歯の本数は28本。犬歯、切歯、前臼歯がありますが、後臼歯はありません。成犬の歯は、上顎が20本、下顎は後臼歯が2本多く22本、上下合わせて42本です。

子犬の場合は、乳歯から永久歯への生え変わりで歯が抜ける

 

生後半年未満の子犬から飼い始める場合は、口の中をよく見て、乳歯が生えそろっているか、抜けている歯はないか、永久歯に生え変わっているところはあるか、などをチェックしておきましょう。

 

生え変わりは生後12週齢〜28週齢が目安

犬の乳歯は、生後8週目くらいまでに28本が生えそろいます。その後、乳歯が抜けて永久歯への生え変わりが始まるのは、だいたい12週齢くらいからです。最初は奥歯が抜け、最後に犬歯が生え変わり、28週齢くらいまでに全ての歯が永久歯になります。

 

抜けた乳歯を飲み込んでも大丈夫?

乳歯は生え変わりの時期になると、グラグラしてきて、そのうち抜けてしまうものです。愛犬の歯のぐらつきに気づかないうちに、口からポロッと出てきて初めて、生え変わりに気がつく飼い主さんも少なくないでしょう。また、犬は抜けた歯を飲み込んでしまうことがありますが、とくに心配はありません。

 

乳歯が抜けずに残ってしまう「乳歯遺残」

永久歯が生える時期になっても、乳歯が残ってしまうことがあります。これを「乳歯遺残(にゅうしいざん)」と言います。乳歯が残っていると、本来生えるべき位置ではないところから永久歯が生え、歯周病になりやすくなったり、口の中を傷つけたりと、トラブルを引きおこしかねません。他の歯に比べてなかなか抜けない乳歯がある場合は、かかりつけの獣医師に診てもらい、適切な時期に抜歯をしてもらいましょう。とくに乳歯遺残は小型犬に多く見られるので、注意が必要です。

 

乳歯が生えたら歯磨きは必要

人間も乳歯が生え始めたら、歯磨きを始めますよね。犬の場合も同じように、乳歯が生え始めたら歯磨きのトレーニングを開始し、永久歯が生えそろう頃までには歯ブラシによる歯磨きが習慣になるようにしましょう。

成犬の歯が抜けることはあるの?折れる理由とは?

 

健康な成犬の場合は、永久歯が抜けることはありません。もし成犬の歯が抜けたら、何か歯のトラブルを抱えている可能性があるので獣医師の診察を受けましょう。
一方、健康な犬でも、歯が折れたり、割れたりすることはあります。犬の歯は飼い主さんが思っているよりもろいものです。硬いものをかじったり、ぶつかったりしたときに、折れたり割れたりすることも。骨やひづめ、硬いアキレス腱などは与えないようにしましょう。

 

歯周病 が進行すると歯が抜ける

成犬の歯が抜けたときに、考えなくてはならないのが歯周病です。歯が抜けるほど進行した歯周病は、細菌が体のほかの臓器に悪影響を及ぼしている可能性も考えられます。すぐにかかりつけの動物病院で、歯と全身のチェックをしてもらいましょう。

 

*詳しくは『【獣医師監修】犬の歯周病、症状や治療法とは?放置すると、重大な病気を引き起こす!?』をご覧ください。

 

歯が折れた場合に放置は禁物

硬いものを噛んだり、何かにぶつかったりして歯が折れたら、すぐ動物病院に連れて行きましょう。歯が折れたり欠けたりすることで、露出した歯髄(しずい)などから細菌が歯の奥に入り、血流に乗って全身に菌が回る危険性があります。必ず獣医師の診察を受け、適切な処置を受けてください。

 

 

愛犬の健康を左右する大切な歯。日頃から口の中を見る習慣をつけ、異常を見つけたら動物病院を受診しましょう。

 

こちらの記事も要チェック!
⇒『【獣医師監修】犬の歯と、人間の歯との違いは?知っておくべきこととは?

⇒『【獣医師監修】犬の歯磨きのコツとは?どうやったら上手く歯ブラシを使える?

荻窪ツイン動物病院 院長

町田 健吾

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