「寝ている愛犬の口元から、何か音がする…。これって、犬の歯ぎしり?」と驚く飼い主さんもいるようです。人間の歯ぎしりとはちょっと違う、犬の歯ぎしり。その原因と対処法について紹介します。

犬の歯ぎしりって、何?いつ、どんな音がする?

 

人間の歯ぎしりは、奥歯を噛み締めて食いしばり、ギシギシと音をさせることが多いと思います。これは、人間の奥歯の上面が平になっていて、口を閉じると合わさるため、食いしばって動かすことで音が出るからです。それに対して犬の歯は、上下の歯がハサミ状になっています。つまり、上下の歯がぴったり合わさり横にずれて音を出す「グライディング」は起こりません。では、飼い主さんが「歯ぎしりでは?」と思うものには、どんな現象があるのでしょうか?

 

カチカチ音がする「タッピング」

眠っているとき、または起きているときに、口をパクパクさせて、カチカチという音をたてます。ギュッギュッ、ガリガリという音に感じる飼い主さんもいるようですが、これを「タッピング」と言います。

 

口を閉じたまま歯を食いしばる「クレンンチング」

眠っているときに、口をギュッと閉じて、上下の歯をくいしばっていることがあります。これを「クレンチング」と言いますが、音はほとんど出ないために、眠っている様子をじっと見ていないと気がつかないことが多いようです。

犬の歯ぎしりの原因とは?

 

犬が歯ぎしりをする原因には、大きく分けて2つ、生理的な要因と精神的な要因が考えられます。

 

生理的な要因によるもの

口の中に不快感があることで、口をパクパクさせたり、ギュッと食いしばったりすることがあります。不快に感じるおもな原因としては、以下が考えられます。

 

□ 噛み合わせが悪い
□ 食べ物の残りカスが歯に詰まっている
□ 歯周病がある

 

精神的なストレスによるもの

欲求不満やイライラする気持ちがあると、無意識のうちに歯をカチカチ鳴らしたり、食いしばったりすることがあります。犬が欲求不満や苛立ちを感じるストレスには、次のようなものがあります。

 

□飼い主にかまってもらえず、つまらない
□ひとりで留守番して寂しい
□慣れない環境で不安
□ケガや病気で体を動かせない
□発情期の性的な我慢

 

犬が歯ぎしりをするタイミングとは?対処法とは?

 

睡眠中は眠り始めの頃に歯ぎしりをするケースが多いようです。また、口をパクパクさせてカチカチ、ガリガリと音をさせたり、口をギュッと閉じて食いしばったりする行動は、眠っているときだけでなく、起きているときにも起こります。歯ぎしりとは少し違うかもしれませんが、歯に食べ物が詰まったり、口の中に被毛などの異物が入ったりしてしまったときに、口をクチャクチャすることもあります。

 

愛犬が歯ぎしりをしたからといって、慌てて動物病院に連れて行く必要はないでしょう。どんなときに、どんな風に、どんな音をたてるのかを、よく見てチェックしてみましょう。

 

その結果、口の中の不快が歯ぎしりの原因であると考えられるなら、かかりつけの獣医師に診てもらいましょう。精神的なストレスが原因ならば、そのストレスを解消してあげるのが一番です。一緒にいる時間を長くして、遊んであげる、ほかの犬と触れ合う時間を設けてあげるなど、いろいろ工夫してみてください。

 

愛犬の様子をよく観察して、日頃との変化をいち早くキャッチすることが、愛犬の健やかな生活を守ることにつながります。

 

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⇒『【獣医師監修】犬の歯と、人間の歯との違いは?知っておくべきこととは?

荻窪ツイン動物病院 院長

町田 健吾

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