犬が年をとってくると食欲が落ちたり、今まで食べていたフードを食べなくなったりするなど、食事に何らかの影響が出てきます。そこで特に気をつけたいことや飼い主さんが知っておくといいことをご紹介します。
どんなフードを与えればいいの?
ウエットでもドライフードでもOK
高齢になったからといって、ウエットフードに変えなければならないということはありません。またドライフードをふやかして与える飼い主さんもいらっしゃいますが、ドライフードに缶詰を混ぜたりすると歯石が付着しやすい状態を作ってしまいます。
ちなみにドライフード単独とウエットフード単独で与えた場合の歯石の付着具合は、あまり変わらないというデータが出ています。腎臓が悪く水分をなるべく多くとってほしい犬の場合は缶詰がおすすめですが、基本的に犬が好んで食べるのであれば、ドライフードでもウエットフードでもどちらでもいいでしょう。
肥満に注意
老犬は消化機能が衰えると言われますが、さほど心配することはありません。犬は人間と違って食べ物を胃ですべて消化します。消化機能が落ちてたまに下痢や嘔吐することもありますが、健康であれば必要な栄養は摂取しているのであまり気にしなくて大丈夫です。
逆に高齢になると基礎代謝が落ちるのでカロリーの摂り過ぎによる肥満に気をつけましょう。肥満になると内臓に負担がかかり病気の元となるので、シニア用のフードに切り替えていくといいでしょう。今までの慣れ親しんだフードをいきなり変えるのでなく、従来のフードに新しいフードを少しずつ混ぜることから始めて、食べ方や便の様子を見ながら3〜4週間かけてシニア用のフードの比率を高めていきましょう。
食べるときの姿勢で気をつけることは?
自力で立てる場合
食器の高さを上げすぎるとフードと一緒に空気を吸い込んでしまい、胃が膨らんでしまうので、やや下を向いて食べられる程度の高さが望ましいです。床には滑り止めのマットを敷くといいでしょう。
支えが必要な場合
自力で立てない場合は、飼い主さんが支えて食べさせるのもひとつの方法です。そのほか、伏せの状態で食べさせると犬も自分のペースで食べやすく、飼い主さんもお手伝いをする必要がありません。
寝たきりの場合
自力で食べられない場合は、流動食をシリンジに入れて口の端から少しずつ流し込んであげます。寝たままでなく上半身を抱きかかえて与えてあげましょう。寝たきりの犬は飲み込む力も弱くなっているので、無理に流動食を飲ませると誤嚥につながるので注意が必要です。
水分補給をするときの注意点は?
水の容器を複数個設置
老犬は水を飲む意識が低下しがちなので、いつでも新鮮な水が飲めるように部屋の数ヵ所に水の容器を用意してあげましょう。
水を飲む量が急に増えたという場合は要注意ですが、水をあまり飲まないのはそれほど心配ではありません。気になるようでしたら水分量の多い缶詰(ウエットフード)に切り替えるのもひとつの方法です。
散歩後すぐに水を飲ませない
特に大型犬の場合、散歩の後すぐに水を大量に飲ませると胃が拡張しそれに伴い胃捻転(ねじれ)を起こす可能性があります。最悪の場合、死に至ることもあるので散歩から帰ったら30分以上間をあけてから水を飲ませるようにしましょう。また、食後すぐに散歩に行くのも避けた方がいいでしょう。
##まとめ
年齢を重ねるうちに犬の嗜好が変わることがありますが、それは歯の病気や内臓疾患などのサインかもしれません。今までと様子が違うと感じたら早めに動物病院に行って相談しましょう。
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