遊ぶシニア犬

「シニア犬」、今あなたは何歳くらいの犬を思い浮かべますか?

だんだんと寿命が伸びている犬の平均寿命は、一般社団法人 ペットフード協会の全国犬猫飼育実体調査によると、2021年調査では14.65歳(2017年14.19歳、2018年14.29歳)で、2010年に比べて0.78歳プラスでした。昨今、シニア犬と呼ばれるのはいつごろからなのでしょうか。その目安を知って、シニア犬と上手に付き合う方法を知りたいですね。

 

犬の年齢の目安

犬は、よく最初の1年で大人になる、などという言い方をします。人間よりもずっと早いスピードで大人になってしまうのです。では、何歳くらいになるとシニア犬になるのでしょうか。

一般的な犬の年齢の換算の仕方は、犬の種類は関係なく、

犬の1歳を人間の17歳程度として、その後1年ごとに4歳ずつ加算

していくという方法です。1歳以降、1年ごとに4歳半ずつ加算するという方法や、1歳のときを16歳とみなし、2歳で24歳になり、その後1年ごとに4歳ずつ加算していく方法などがあります。どれが正解、ということではなくとらえ方のひとつです。最近では犬の体のサイズや犬種によっても換算方法が違うという見方もでてきています。

*愛犬の年齢について、詳しくは「犬の年齢、人間でいうと何歳?健康で長生きするために」も併せてご覧ください。

 

いつからがシニア?

小型犬や中型犬は、一般的に生まれてから1年くらいまでは大型犬よりも成長が早いといわれていますが、それ以降は大型犬のほうがどんどん成長していき、老化のきざしが見える時期も早く訪れるようです。

小型犬の場合は、11歳のときに人間でいうと60歳になりますが、大型犬では、8歳のときにはもう60歳を過ぎていると考えられます。愛犬の詳しい年齢については、かかりつけの獣医師に聞いてみましょう。

人間でいうと40歳になるときからをシニア犬60歳になるときからを高齢犬とすると、トイプードルチワワミニチュア・ダックスフンドポメラニアンなどの小型犬の場合は6歳からがシニア犬11歳からが高齢犬と呼べます。

ラブラドール・レトリーバー秋田犬のような大型犬は、5歳からがシニア犬8歳からが高齢犬になるようです。

 

シニア犬になったら

シニア世代になってくると、若い頃のようなピチピチとした体を保てなくなってきます。白髪が出始める、被毛が薄くなり始める、肌の乾燥やベタつきが目立つようになるなどの見た目の変化だけでなく、歯周病による口臭、体臭の変化や、耳が遠くなる、目が見えにくくなるなどの症状が出てきます。

散歩に行きたがらなくなる、足腰が弱ってぶるぶると震える、頻尿になったり粗相をしたりする、長く寝るようになるなどの行動の変化も現れます。

くるくるその場を回る、鳴き続ける、飼い主さんの顔がわからなくなるなどの、認知症のような状態になることもあります。同時に、さまざまな内臓疾患も起こってきます。

このようなシニア世代にありがちな状況になってくると、飼い主さんはどんな対応をしたらよいのでしょうか。若い頃に何らかの原因でなってしまった病気や、突発的なケガと違い、年齢によっておこってくる不具合ですから、根本的に「治す」というよりは、毎日コツコツと「現状維持を目指す」のが目的になってくるでしょう。無理な治療や投薬などは、逆に自分で体のバランスを取ろうとする力を奪ってしまうこともあります。

 

シニア世代以降のケア

以前と比べて愛犬の様子が変わってきたら、室内の温度を調整したり、食事をコントロールしたり、散歩の方法を変えたり、また、環境の違うところへ連れて行くのを控えたりと、シニア世代に向けたケアが必要です。愛犬のシニア世代、高齢世代の目安を知って、すこやかに長くすごせるようにしてあげたいですね。

 

「シニア犬」に関する獣医師監修記事

うちの子の長生きのためにシニアへの備えに役立つワンペディアの獣医師監修記事をご一読ください。

□ シニアの捉え方:犬は何歳から「シニア」なの?(本稿)

□ シニア犬の健康チェック:シニア犬の病気を早期発見するために!観察ポイントと健康チェック法を紹介

□ 老化のサイン:犬の老化のサインとは?

□ シニア犬のお部屋:シニア犬が安全で快適に過ごせるお部屋とは?

□ シニアへの準備:愛犬がシニアになる前に、準備しておくべきこととは?

□ シニア犬のお散歩:犬はシニアになってもお散歩が必要? 散歩時間の目安は?

□ シニア犬の食事:シニア犬の食事で気をつけることは?どんなフードを選べばいい?

□ シニア犬のトイレ:シニア犬のトイレで気をつけることは? 寝たきりになったらどうすればいい?

□ シニア犬の睡眠:シニア犬にとって快適な睡眠とは?寝床はどうしたらいいの

□ シニア犬のかかりやすい病気:シニア犬がかかりやすい病気とは? 早期発見するためには?

 

 

★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

 

例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状面】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い 男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさ】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

★「うちの子おうちの医療事典」でシニア犬のかかりやすい病気を調べてみましょう

高齢犬に多い病気

白内障

緑内障

椎間板ヘルニア

変形性脊椎症

膵炎

気管虚脱

ニキビダニ症

糖尿病

クッシング症候群

アイペット獣医師

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