Labrador retriever puppy in the yard

子犬はあっという間に大人になります。そして、いつの間にか私たちを追い越して、おじいちゃんおばあちゃんになってしまいます。ここでは、犬の年齢を人間の年齢で換算すると何歳くらいになるのか、一体犬は何歳くらいまで生きるのか、ということを解説しています。また、愛犬ができるだけ長く健康で暮らせるために、私たちにできることもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

犬の年齢と寿命

犬の平均寿命ってどれくらい?

犬の寿命は、体格差によって違いがあります。諸説ありますが、全国の犬全体の平均寿命は14歳前後といわれています。 

犬の年齢を人間に換算すると? 

犬は生後急速に発育し、1年半で成人年齢(人間でいうところの20歳)に達すると言われています。その後は1年で人間の4歳分ずつ年齢を重ねていきますが、小型犬では寿命は長く、大型犬では短い傾向にあります。 

 

犬年齢 (1)

愛犬の年齢のはかりかた 

24歳(はじめの2年)+[(年齢-2)×4]歳 

 

※参考:『イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科 改訂版』山根義久監修,パイ インターナショナル刊 

※年齢換算は目安です。品種や飼育状況などによって、個体差があります。 

 

成長が早いからこそ考えたい犬の健康管理 

 

子犬の1歳は、人間でいうと約16歳になります。つまり、1年間で人間の16歳分も成長しているということ。人間よりも成長スピードが早いので、最低でも1年に1度は健康診断を受けたほうがよいでしょう。 

また、犬は成長スピードが早い分、老化もとても早いのです。7歳ごろからはもう高齢犬。犬も老化すると、からだの機能が徐々に低下していくので、できる限り体に負担をかけない生活を過ごさせてあげましょう。「犬の老化のサインとは?【獣医師解説】」も合わせてご覧ください。

 

犬の社会化はとても短い!! 

室内で育てられた子犬にとって、飼い主さん以外の人間や大きな音、他の犬などは、初めて目にするものばかり。このような外部にある様々な刺激を受け入れられるようになるかどうかは、好奇心旺盛な生後4ヶ月ごろの過ごし方がとても大切です。この好奇心旺盛な時期を「社会化期」といい、このときたくさん触れ合ったものに対しては、成長してから警戒心を抱きにくくなります。逆にこの時期に経験していないものに対しては、大きくなってからもなかなか警戒心を解いてくれません。 

 

子どものころから慣れ親しんでいるものは大人になっても普通に受け入れられても、子どものころ一切免疫がないものに対して、恐怖心を覚えるのは人間も同じですよね。成長スピードが早い犬は、この社会化期も非常に短いので、飼い主さんはこのタイミングを見逃さないようにきちんとトレーニングをしてあげましょう。 社会化期に必要なトレーニングについては、「子犬期のうちに絶対やっておくべきトレーニング【獣医師解説】」をご覧下さい。

 

長生きしてもらうために飼い主さんができること 

健康な愛犬と少しでも長く一緒に暮らすために、飼い主さんができることはたくさんあります。 

しっかりした健康管理 

 

健康管理

 

致死率の高い恐ろしい病気から愛犬を守ってくれるワクチンは定期的にきちんと接種しましょう。ワクチン接種にあわせて、健康診断を受けるのもオススメです。 ワクチン接種のほかにも、ノミダニ予防、フィラリア予防もしたほうがいいです。副作用が心配な方は、かかりつけの獣医さんと相談してみるといいでしょう。

 

歯磨きのススメ

また、年齢とともに増えていく歯周病は、口だけでなく全身に悪影響を及ぼすようなケースに発展することもありますので、毎日の歯磨きを習慣づけたほうがいいでしょう。歯磨きが苦手な子が多いとは思いますが、根気強く、お互いのストレスにならないよう練習してみてください。 歯磨きについては、「歯磨き嫌いな愛犬に、歯磨き上手になってもらうには【獣医師解説】」も参照してみて下さい。

 

居住環境を整える

居住環境の見直し居住環境は清潔に保ち、清潔な器で新鮮な食事とお水を与えてあげましょう。誤飲骨折などの事故が起きないよう、危険なものは取り除いてください。安全なお部屋で過ごさせてあげましょう。 犬の骨折については、下記の記事をご一読ください。

 

動物整形外科の専門医・木村太郎先生監修「犬の骨折」記事

第1回:動物整形外科専門医の視点で語る「愛犬を骨折させてはいけない理由」 

第2回:視覚とデータで理解!「骨折の原因」を徹底排除

第3回:骨折発生! もしかして骨折_ を含めた応急処置と対処法

第4回:動物の整形外科とは?~骨折治療の得意な先生の探し方ヒント 

第5回:骨折の定義と、部位別の原因・症例・治療法~完治まで

第6回:骨折の治療法完全ガイド 

第7回:⾻折で発⽣する後遺症と合併症

第8回:骨折しやすい犬種の理由として考えられること

 

 

些細な変化を見逃さない

 なにより大切なのは、愛犬の様子に変化が出てきたときに、それが些細な変化だったとしても、「まぁいっか。」で終わらせないことです。最近急にくしゃみをするようになった、ウンチの色が黒っぽくなった気がする、お水をよく飲むようになったかも…。

こういった変化の中に、大変な病気が隠れていることもあるのです。 些細な変化を見逃さないよう、毎日の愛犬の様子をきちんと観察してあげてくださいね。 

 

ストレスフリーな生活 

コーギー

 

運動が大好きな子には、毎日のお散歩時間を増やしたり、ドッグランで思い切り走り回れる時間を作ったりして、しっかり運動ができる環境を整えてあげましょう。寂しがり屋の子には、十分スキンシップの時間を取って、しっかり愛情を伝えてあげてください。

 

恐がりな子であれば、嫌がっているのにひきずって他の犬と会わせようとするのはやめましょう。 犬も人間と同じように個性があります。その子、その子で性格は異なりますので、おうちの子に合わせた接し方を見つけてあげてください。 

犬が示すストレスサインについては、「犬のストレスサインとは?どんな行動をするの?【獣医師解説】」の記事をご確認ください。 

 

犬の寿命について紹介しましたが、人間と同じように体内年齢には個体差があります。犬も日々の過ごし方で健康寿命を大きくのばすことができるのです。ぜひ愛犬の個性に合わせて、ストレスの少ない環境を考え、少しでも長く一緒に楽しい時間を過ごしてくださいね。 

 

 

★【関連コンテンツ】アイペット獣医師監修「ペットと私の暮らしメモ」~愛犬の高齢化と私たちができること~も、ぜひご覧ください。

お散歩に行きたがらなくなる

トイレを失敗するようになる

食欲が落ちる

目や耳が悪くなる

本当に老化のサイン?

 

 

★「子犬」に関するワンペディア専門家監修記事

飼い主さんが知っておきたい子犬期の情報はこちらをご覧ください

□ 健康チェック:「成犬とはどこが違う?子犬の健康を細かくチェックする方法とは?

□ 注意すべき病気とケガ:「子犬は絶対に気をつけて!注意すべき病気と怪我」(本稿)

□ 低血糖症:「子犬は要注意!短時間で死に至る「低血糖症」とは

□ 水頭症:「1歳未満の子犬に多い水頭症とは?治療法と飼い主さんができること

□ 胃液を吐いた:「子犬が黄色っぽい液体を吐いた!原因と対処法

□ 子犬の骨折:「子犬の骨折が発生しやすい月齢は? 発生しやすい3大要因と予防策

□ 環軸亜脱臼:「子犬がかかりやすい、環軸亜脱臼

□ 子犬のお部屋:「子犬のためのお部屋作り

□ 子犬のしつけ:「子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、本当に大丈夫?

□ 子犬のトレーニング:「子犬期のうちに絶対にやっておくべきトレーニング

□ トイレトレーニング:「子犬のトイレトレーニング、失敗しても大丈夫!

□ パピーパーティ:「他の子犬たちと出会えるパピーパーティーとは

□ 父犬の役割:「子犬育ての参考に!お父さん犬の隠れた役割

□ 社会性:「子犬に社会性を身につけてもらうために!

□ お散歩デビュー:「獣医師がわかりやすく解説!初めてのお散歩

□ドッグランデビュー:「その子犬、ドッグランに連れて行っても大丈夫?

□ 夜鳴き:「子犬が夜鳴きするのはなぜ?夜鳴きの対処方法

□ 食糞:「子犬の食糞の理由や予防対策

 
 

★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

 

 

例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面から】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状面から】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象から】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性から】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度から】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさから】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度から】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面から】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面から】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

★「うちの子おうちの医療事典」で子犬が注意すべき傷病を調べてみましょう

□ 子犬に多い傷病

□ 低血糖症

□ 水頭症

□ 骨折

□ 回虫症

□ ジアルジア症

□ コクシジウム症

□ ケンネルコフ

□ 犬パルボウイルス感染症

 

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