大切な愛犬の健康を守り、病気を予防・早期発見するためには、日常的にも定期的にも様子を観察し、ちょっとした変化を見逃さないことが大切です。その一方で、健康を気にかけてはいても、具体的に何を観察すべきなのか、何を変化ととらえるのか、わからない点も多いでしょう。ここでは、犬の体調を見極めるための観察ポイントについてご紹介します。

日常的に確認すべき観察ポイントとは?

生命を維持するために欠かせない「食欲」「飲水量」「排泄」「呼吸」について観察することは、愛犬の健康管理にとても大切なことです。特に、体力のない子犬、シニア犬にとっては、病気を早期に発見する重要なカギとなります。

1.食欲

食欲の有無は健康のバロメーターといっても過言ではありません。毎日愛犬がどの程度食べているか観察し、同時に体重の変化も把握しておくことが大切です。

観察ポイント

食欲が減ってきた、まったく食べない、食べたそうなのに食べない

食欲が異常に旺盛(食べ過ぎている)

□ 急な体重の増減があった、など

2.飲水量

飲水量の増減はさまざまな原因でおきますが、特に糖尿病や腎臓・ホルモンの異常を知らせる大切な手がかりとなります。

観察ポイント

□ いつもより飲水量が減った、まったく飲まない

いつもより飲水量が増えた

□ 飲むときに大量のよだれが出る、など

3.排泄

排泄物も、食欲と同様重要な健康のバロメーターとなります。急性の下痢は特に子犬、老犬では命に関わることも。また、頻尿や多尿、排尿困難や血尿があった場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。

 観察ポイント

□ ウンチの色、状態(硬さ)、におい、回数

□ 尿量、色、不純物、におい、回数、など

4.呼吸

呼吸の方法や呼吸数は、生命に関わる指標となります。例えば、十分な酸素が取り込めなかったり、体温に異常があったりするときには呼吸が乱れます。犬は1分あたり15~30回の呼吸数が正常ですが、呼吸数の異常と一緒に、呼吸の仕方がいつもと違ったり、雑音があったりしないかを確認しましょう。特に短頭種は呼吸の問題を起こしやすい犬種ですので、よく観察するようにしてください。

観察ポイント

□ 呼吸数が速い、遅い

□ ヒューヒュー、ゼーゼーといった呼吸音がする

口で呼吸している

□ 胸が大きく動いている、など

ふだんの活動で併せて確認したい3つのポイント

1.睡眠

成犬の平均的な睡眠時間は、人よりもずっと長く、1日12~15時間とされます。これよりも長時間寝ている、あるいは全然寝ない、などの兆候があれば、ストレスがあるか病気の可能性があります。

 観察ポイント

□ 睡眠時間が長くなった、短くなった

□ 寝てもすぐ起きてしまう

□ 寒くもないのに、丸まってじっとしている(へそ天などリラックスポーズをしない)、など

2.日常活動

日々の散歩や遊びなど、活発さや活動時間の長さも病気を見分けるポイントです。

観察ポイント

□ 活動時間が減った

□ 散歩に行きたがらなくなった

□ 段差を嫌がるようになった

□ 遊びたがらなくなった

□ 異常に活発になった、など

3.行動

いつもと様子が違う、何かおかしい、といった、ふだんの行動(様子)の変化に気づくことも大切です。

観察ポイント

興奮して落ち着きがない

□ あてどなく動き回る、ぐるぐる同じところを回る

□ 反応が鈍い、動作が鈍い

歩き方がおかしい(よろけたりする)、など

定期的にチェックすべき5つのポイント

毎日ではなくとも、例えばお手入れやお風呂のときに、定期的に愛犬の体の状態をチェックするよう習慣づけることが大切です。

1.皮膚

皮膚は、外界からの刺激や細菌・ウィルスの感染から体を守る、バリアの役割を果たしています。長毛種は皮膚の異常を見つけにくいため、特に意識して確認するようにしましょう。

観察ポイント

湿疹がある

腫れやしこりがある

痒がる

フケが出る、など

2.耳

特に垂れ耳の犬種や耳に毛が多い犬種は、耳の中が乾燥しにくく、病気にかかりやすいため注意しましょう。

観察ポイント

耳垢が多い

□ 耳垢がねっとりしている

痒がる

頻繁に頭を振る

気になるにおいがある、など

3.鼻

「鼻が濡れていれば健康」といわれますが、鼻の状態も体調を崩していることを知る1つの手がかりです。短頭種などは鼻自体に障害がおこりやすい犬種でもあるので、注意が必要です。

観察ポイント

□ 鼻が乾燥している

鼻水が出る

鼻血が出ている

□ 大きないびきをかく、など

4.目

パグやシーズーなど、短い鼻に飛び出た目を持つ短頭種は、目に傷を受けやすく、また目の病気にかかりやすい傾向があるとされるため、特に注意しましょう。また目には、目そのものの異常だけでなく、脳や体の異常も現れます。

観察ポイント

目ヤニが多い(色や粘度も確認)

涙の量が多い

赤く充血している

痒がる、など

5.口

口の異常は、歯肉炎など口腔内のトラブルだけでなく、感染症や脳神経の病気が原因の場合もあります。

観察ポイント

口臭がきつい

よだれが大量に出る

□ よだれに血が混じる

□ 口腔がただれている、など

 

飼い主だけしかわからない「いつもと何かが違う」という気づきは、意外と当たっているといいます。食事や排泄など、日常生活の質と活動量を丁寧に観察し、ちょっとした変化に気づいてあげることこそが、愛犬の健康を守る第一の砦なのです。

 

 

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竹原獣医科医院 院長

竹原秀行

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