犬が食べてはいけない食べ物・飲み物

人間にとっては普通に美味しく食べられるものでも、犬が食べると命に関わるような危険なものは、実はたくさんあるんです。そんなに危険な食べ物なら、そもそも与えても犬が食べないのではないか、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、食べてはいけないものを食べて、病院にやってくる犬は非常に多いんです。獣医さんが「これだけは絶対にあげないで!」と警鐘を鳴らす食べ物をまとめました。

食べてはいけない食べ物

ネギ類(玉葱、長ネギ、ニラなど)

引き起こす症状

胃腸障害、血尿、衰弱、心拍数の増加、嘔吐、下痢

中毒をひきおこす原因

玉ねぎ、長ネギ、ニラ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウなどのネギ類に含まれるアリルプロピルジスルファイドなどの成分が赤血球(ヘモグロビン)を破壊するために、溶血性貧血を起こします。摂取する食品を加熱しても毒性はほとんど消えません。量によっては死に至る事もあるので、玉ねぎを煮込んだスープなど、エキスが出ているものも危険です。

【例】カレー、ハヤシライス(ハッシュドビーフを含む)、ハンバーグ、シチュー、肉じゃが、ジャーマンポテト、ポトフ、すき焼き チャーハン、おでん、味噌汁、メンチカツ、牛丼、豚丼、親子丼、オニオンスープ、ソース類、ケチャップ類、サラダドレッシング類。

キシリトール(甘味料の一種)

引き起こす症状

血糖値低下、嘔吐、歩行困難、内出血、肝不全

中毒をひきおこす原因

キシリトールの摂取後、インスリンという血糖値を下げるホルモンが過剰に分泌されて、低血糖をおこします。重度の低血糖は命に関わるので、食べてしまったらすぐに病院へ行きましょう。

また、接種後12~24時間以内に急性肝不全を発症するケースがあります。約9kgの犬の場合、2~3枚のキシリトールガムを摂取しただけで致命傷になります。

カカオ類(チョコレート、ココアなど)

引き起こす症状

不整脈、心拍数の増加、口の渇き、過剰な活動、痙攣、発作、嘔吐

中毒をひきおこす原因

デオブロミンとは、カカオの香り成分の一つで、中枢神経を刺激する毒素となります。犬の体重1kgあたりの致死量は250~500mgと言われています。カカオ含有量が高いビターチョコレート程、犬にとって危険になります。しかし、ミルクチョコレートはカカオの含有量が低いため、上記の症状は出にくいです。

犬の好きな匂いなので、置いていたものなどを犬が勝手に食べてしまわないように気をつけましょう。

ブドウ、レーズン

引き起こす症状

摂取後2~3時間後から嘔吐、下痢、腹痛、3~5日後に腎不全を起こします。

中毒をひきおこす原因

アメリカの調査機関により、犬には有害性があると認められていますが、はっきりとしたメカニズムはいまだに解明されていません。中毒症状には個体差がありますが、万が一急性腎不全になると命に関わるので、絶対に与えないでください。

アボカド

引き起こす症状

嘔吐、下痢を含む胃腸の炎症、死亡の恐れ(これらの症状は、種ごと1個すべて食べてしまうなど、多量に摂取した時に発症する。)

中毒をひきおこす原因

アボカドに含まれるペルジンが犬には毒になります。ペルジンは果実だけでなく、葉、種子、樹皮にも含まれているので、むやみに、これらを与えないようにしましょう。

アボカドが使われているペットフードもありますが、国内で市販されているグアテマラ系が最も危険があり、他の種類はそれぞれ程度が異なるので一概に危険とは言い切る事ができませんが、避けた方がいい食材と言えます。

イカ、タコ、貝類(サザエ、アワビ、ハマグリ、アサリ等)

引き起こす症状

消化不良、ビタミンB1欠乏症、嘔吐など

中毒をひきおこす原因

十分に加熱していれば問題ありませんが、生の状態で与えると「チアミナーゼ」という酵素により、中毒症状を引き起こすため危険です。十分加熱されているかどうかわからない場合は、与えない方がいいでしょう。

マカダミアナッツ

引き起こす症状

無気力、嘔吐、異常な高熱、筋硬直、震え、心拍の増加

中毒をひきおこす原因

未だに解明されていない部分が多くありますが、レーズン、ブドウと同様に有害とされているので、愛犬に与えるのは避けましょう。

ピーナッツ

「油分・塩分」によって肥満、糖尿病、腎臓病、結石(泌尿器症候群)等の原因になるおそれがあります。父親がおつまみで食べていて、ついつい・・・なんてこともありそうですけど十分注意が必要ですね。

ハチミツ

まれにボツリヌス菌という細菌が混入していることがあるため、人では大腸細菌叢が形成される前の1歳以下の乳児には与えないように言われています。幼児ボツリヌス症といって神経麻痺症状をひき起こします。念のため、子犬・子猫にもあげないほうが安全です。

飲んではいけない飲み物

コーヒー、紅茶、緑茶

引き起こす症状

不整脈、心拍数の増加、口の渇き、過剰な活動、痙攣、発作、嘔吐

「カフェイン」にも上記のチョコレートに含まれるテオブロミンと同じような毒性があります。

牛乳

引き起こす症状

下痢、アレルギー症状

意外だと思われた方も多いのではないでしょうか。実は犬や猫は人と違って牛乳を消化・吸収する酵素を十分にもっていないため、牛乳を飲むと下痢を起こしたり、アレルギー症状を起こすことがあるんです。昔から飲み慣れていて、今まで問題を起こしたことがないという子は大丈夫かもしれませんが、できればヤギミルクなどへの変更をおすすめします。

ミネラルウォーター

引き起こす症状

下痢、泌尿器系の病気

体の70%は水分でできているため、お水に気を使っている方はとても多いと思います。しかし、ミネラルウォーターの種類にもよりますが、含まれているマグネシウムやカルシウムなどが犬猫には多すぎて、病気の原因になる場合があるのです。とくに深層水や硬水といわれるミネラルウォーターは避けましょう。アルカリ性のものなども販売されていますが、中性が好ましいとされています。

犬の異物誤飲で頻繁に起こるケース

人間用の医薬品・栄養補助食品・サプリメント

症状は多岐にわたります。目に見えにくい症状もあるため、誤って食べてしまった場合はすぐに獣医師に相談しましょう。例えば、鎮痛剤に含まれるアセトアミノフェンという成分は、強い中毒症状を起こします。特に効き目の強いタイプの錠剤では、一錠で致命傷となります。

また、人間に処方されたものを獣医師の許可なく与えるのはとても危険です。アメリカ国内のペットの事故の第1位は人間の医薬品によるものです(ASPCA 米国動物虐待防止協会 中毒事故管理センター)。

人間にとってはたったの一錠ですが、体格差も全く違います。2kgの犬が薬を1錠摂取した状態というのは、40kgのヒトに置き換えると、単純計算で20錠飲んでいることになります。特に鎮痛剤、風邪薬、抗うつ剤、栄養補助食品による事故が多いので、決して愛犬の口に入らないよう、厳重に保管するようにしましょう。

観葉植物

園芸ショップやお花屋さんで普通に観葉植物として売られているものの中にも、動物がその葉や花、根などを食べることで中毒症状を起こしてしまう有害植物が存在します。観葉植物は犬が届かないところに置きましょう。

タバコ

最も気をつけて頂きたいものの代表です。幼児と同じで少量食べただけでも症状を起こすことがあり、死へ至るおそれがあります。

 

こうして見ると与えてはいけない物は結構多いんです。愛犬がおねだりをしてくるとつい、与えたくなってしまうものですが、正しい知識をもとに、安心・安全な食べ物を選んで、愛犬の健康を守ってあげたいですね。

アイペット獣医師

ワンペディアの運営会社であるアイペットに在籍している獣医師チーム。臨床経験...

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