犬に人間の食べ物を与えていいかどうかを語る前に、実は犬のアレルギーについて知っておくことが大事です。たとえばリンゴアレルギーを持つ犬にリンゴを与えたら、アレルギー症状を起こしてしまうので絶対に与えてはいけません。でもブタクサのアトピーを持つ犬に、リンゴを与えてはいけないとは思いませんよね。

ではこれからその理由について説明していきます。

種類の近いものに対してもアレルギー反応が起こる!

  

ブタクサのアトピーを持つ犬にリンゴをあげてはいけない理由は、交差反応アレルゲンによるものです。交差反応アレルゲンとはある種の動物タンパク質に対してアレルギー反応を示す場合、種の近い動植物のタンパク質にもアレルギー反応を示すことを言います。
たとえば、ブタクサのアトピーを持つ犬に対して交差性のあるアレルギーはリンゴ、バナナ、メロン、トマトです(表①参照)。

ブタクサのアトピーを持つ犬がリンゴを食べたからといって必ずしもアレルギー症状を起こすわけではありませんが、その犬にリンゴを与え続けるとどんどんアレルゲンレベルが高くなってしまうことになります。つまりブタクサのアトピーを持つ犬には、交差性のある食べ物は与えない方がいいということになりますね。同様に交差性を示す果物はたくさんあります(表①参照)。

※動物の場合、草や樹木、食物などが引き起こす反応を「アトピー」と呼び、交差反応を示すものを「アレルギー」と呼びます。

人間の食べ物は犬にとってNGなの?

そもそも犬は総合栄養食と言われるドッグフードで栄養のバランスがとれるので、人間の食べ物をわざわざ与える必要はありません。ただ、飼い主さんにとっては犬と一緒に食べる楽しみも味わいたいはず。そこで、ここではアレルギーがないという前提のうえで「犬が食べても大丈夫なもの」、「できれば食べさせたくないもの」、「絶対に食べさせてはいけないもの」に分けて紹介していきます。

犬が食べても大丈夫なもの

バナナスイカリンゴメロンなどは特に犬にとって悪影響を与える成分は含まれていないので、おやつ程度に食べさせてもいいでしょう。ただし糖分が多いのでたくさんの量を与えないように。特にメロンは糖分が多いのでなるべく控えたほうがよいですね。与えるときは喉につまらせないように小さくカットして与えましょう。

できれば犬に食べさせたくないもの

いちごみかんトマトの皮は消化によくないので、与えない方がいいでしょう。またヨーグルトは下痢の原因になる場合があります。

犬が絶対食べてはいけないもの

玉ねぎチョコレートぶどうは犬が中毒症状を起こす成分が含まれているので、これらは絶対に食べさせてはいけません。また、トマトの加工食品も無添加のものならOKと一般的には言われていますが、無添加の基準が明確でない限り食べさせてはいけません。

もし食べていけないものを食べてしまったら、飼い主がすぐ吐かせるべき?

「塩を飲ませて吐かせるといい」、などと飼い主が直接吐かせる方法を紹介している記事などもありますが、絶対にそれをしてはいけません。塩を摂取することで犬が塩中毒にかかり、命を落とす危険性もあります。慌てて救急処置を行うのでなく、まず、獣医師の指示をあおぐことが大事です。かかりつけの獣医師にどれくらいの量を食べたのかを伝え、獣医師の指示に従いましょう。

交差反応アレルゲンとは?

サンダース ベテリナリークリニクスシリーズ Vol.2 No.1「犬と猫の最新・皮膚科学」 株式会社インターズー刊より引用

アニーマどうぶつ病院 院長

村谷 親男

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