犬をおうちに迎え入れたとき、一番最初に教えなければならないのがトイレの場所。犬がおうちにやってきて数日の間にきちんと教えてあげましょう。最初の1週間が大切な時期ではありますが、上手にトイレができるようになるまではかなりの時間がかります。半年以上かかるケースもあるので、すぐに覚えてくれるものだと思わず、できるようになるまでゆっくり見守ってあげましょう。

トイレトレーニングのポイント

トイレのしつけは、犬を迎えた初日から必要となります。トイレトレーニングには色々な方法がありますが、ここではクレートを使ったトレーニングをご紹介します。トイレトレーニングとあわせてクレートに慣れてもらうことができれば、病院などの外出時や災害時に非常に便利ですので、ぜひ試してみて下さい。

まず、押さえておくべきポイントをご紹介します。

  • トレーニングは初日から。最初の1週間が大切です。
  • トイレを覚えるのには時間がかかるので、焦らないこと。
  • できるようになっても生後10カ月くらいまでは褒め続けて下さい。
  • 失敗しても叱らないこと。

下手に叱ってしまうと、排泄自体がいけない事だと感じ、トイレを我慢するようになったり、ウンチを食べる「食糞行動」などに繋がるので、失敗しても叱らないようにしましょう。

犬が覚えることができるもの

トイレトレーニングで悩む飼い主さんは、実は多いのです。どうしても時間がかかるトレーニングではありますが、犬が覚えることができるものをご紹介しますので、参考にしてみてください。

犬が認識できるものは以下3つです。

  • トイレの感触(ペットシーツを足の裏で踏んだ感 じ)
  • ワンツーなどの掛け声
  • 場所

「トイレの感触(ペットシーツを足の裏で踏んだ感じ)」がする場所では排泄していいんだということを教える事が、トイレトレーニングの基本的な考え方なのです。

*関連記事☞「クレートを好きになってもらってお留守番上手に【獣医師が解説】

 

トイレトレーニングの方法

Step1

サークル全面にペットシーツを敷いて、犬を放します。ベッド以外の場所をペットシーツで埋め尽くすように敷いてください。

STEP1

 

 

犬の行動がどちらに当てはまるかで手順が変わります。

A:ペットシーツの上に排泄。

A

 

 

その場ですぐに褒めて、ご褒美をあげましょう。サークルの外に出し、30~60分程度おもちゃなどで遊んであげて下さい。ペットシーツに排泄すると楽しい事が起きると学習させてあげましょう。

 

B:排泄しない。

 

B

 

トイレをする気配がなかったり、外に出たがるようなら、一旦休憩させてあげましょう。クレートの中に入れ、1~3時間休ませてあげるといいでしょう。休んだ後はまたサークルの中に放し、上の手順を繰り返します。

  《ワンポイントアドバイス》

トイレの掛け声は、教えても教えなくてもどちらでもいいと思いますが、もし掛け声を教えるなら、このタイミングで「ワン・ツー」などと声を掛けましょう。き ちんと掛け声を覚えてもらうことができれば、「ワン・ツー」という掛け声を聞くと、そのタイミングでトイレをするようになります。掛け声を教える場合での注意点としては、家族全員で指示語を統一して下さい。お父さんは「ワン・ツー」、お母さんは「シー・シー」など人によって違うと犬が混乱してしまいます。

Step2

サークル内のペットシーツを敷く面積を徐々に狭くしていき、Step1 を繰り返します。

 

STEP2

 

もし、ペットシーツではない場所に排泄してしまったら、リアクションをせずにすぐ後始末をして下さい。消臭剤で臭いも消し、なにもなかったように振舞います。そしてクレートで休ませて下さい。

このまま遊んでしまうと、トイレに失敗したのに遊んでくれると勘違いしてしまうので、ここでは遊ばないようにしましょう。最終的にはペットシーツ1枚だけでもその上にきちんと排泄ができるようになればOKです。

Step3

排泄しそうなタイミングでサークルとクレートの扉を開けてサークル内へ誘導し、Step1 を繰り返します。

もし大事な家具やベッドの上など、あちこちでトイレをされたら、怒ってはいけないと思っていても、つい飼い主さんもイライラしてしまいますよね。なのできちんとトイレを覚えるまでは、サークル内かクレートで過ごす事を基本にするといいでしょう。もし部屋を自由に歩かせるのであれば、犬が排泄するタイミング(寝起き・食後・遊んだ後・月齢+1時間毎など)でトイレへ連れて行くようにします。

 クレートトレーニングの必要性

トイレのしつけの中に、クレートで休ませるサイクルを入れる事で、休む時はクレートなんだということも教える事ができます。

クレートが休む場所であることを覚えると、災害時などクレートでしか過ごせない場合に非常に役に立ちます。また、動物病院に行く時だけクレートを使うと、「クレートに入ると嫌なことが起きる」と連想させてしまうので、たまにクレートの中でご飯をあげるなど、「クレートは安心できる場所」「クレートに入るといいことがおきる」という認識をさせるようにしましょう。

*詳しくは☞「クレートを好きになってもらってお留守番上手に【獣医師が解説】

一度できるようになっても、またできなくなってしまうこともあります。うまくいかなかったとしても、それはわざとではないんです。ゆったり構えて、愛犬の成長を見守ってあげてくださいね。

 

 

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