床ずれは1度かかると再発しやすいやっかいな病気です。老犬に限らず、病気やケガで寝たきりの犬も床ずれになる可能性はあります。犬が辛い思いをしないためにも、床ずれの予防とケアの仕方を学んでおきましょう。
床ずれって何? なぜ床ずれになるの?
床ずれの症状とは
床ずれとは、寝たきりの状態が続くと体重がかかる部分の皮膚が寝床に圧迫され、血行が悪くなり皮膚の表面の組織が壊死してしまうことです。
最初は皮膚が赤くなったり薄くなったりして痛みやかゆみが伴います。次第に水ぶくれのようなものができ、やぶけてジュクジュクした状態になります。放っておくと患部にウジがわいたり、細菌感染を引き起こしたりして命に関わることもあります。
体のどのあたりに起こりやすいの?
特に骨が出っ張っている頬や肩、腰、前足首、後ろ足首などは、寝床と接しているので皮膚に体の重みがかかって血液の流れが悪くなり、床ずれができやすくなります。
床ずれにならないための予防法とは?
床ずれ防止マットを使用
床ずれを発症させないためには、床ずれができやすい部分と寝床との圧迫をできるだけ軽減させることが大事です。寝たきりの状態が続く場合は、体圧を分散させる機能のある体圧分散マットに寝かせてあげましょう。
こまめに寝返りをさせる
圧迫される部分が集中しないように2〜3時間おきに体位変換をしてあげましょう。体位を変える場合、お腹を上にして回すと内臓に負担がかかることがあるので、できるだけ背中が上になるようにします。もし伏せができるようであれば、伏せの状態にしてあげてもいいでしょう。
軽くマッサージをする
床ずれは血流が悪くなることにより起こるので、軽くマッサージをして血流を促してあげましょう。ちなみに体位変換を嫌がる場合、体位はそのままの状態で体を軽く持ち上げるようにしてあげるだけでも血流が回復してきます。
毎日皮膚の状態をチェック
気がついたら床ずれになっていたというケースも多いので、寝たきりになったら毎日、犬の皮膚の状態を観察しておいてください。寝返りをさせるときやマッサージのときに床ずれができやすい部分をチェックしてあげるとよいでしょう。
床ずれになってしまったら、どうすればいいの?
動物病院での治療
床ずれになったと思ったらなるべく早く、動物物病院に連れて行きましょう。傷口を洗浄し圧迫がかからないように処置することで回復に向かっていきます。状態によっては抗生剤治療や、壊死している部分を取り除き、細菌感染の有無も調べます。病院で治療を受けてから自宅で手当ての仕方を教えてもらい、ケアしてあげましょう。
自宅での手当て
-
患部を清潔に保つ
寝たきりでおむつを使用している場合は、おむつをこまめに交換し、排泄物で皮膚が汚れた状態にならないようにしましょう。汚れた部分はぬるま湯などを使って清潔に保つことが大事です。
-
傷口を乾燥させない
床ずれは患部を乾燥させず、ウエットな状態をキープすることが重要です。傷口が乾燥してしまうと痛みがでるうえ、いったん組織がはがれてしまうと元の状態に戻すのに時間がかかってしまいます。
ウエットな状態を保つためには、病院で処方してもらったクリームや軟膏を傷口に塗って乾燥させないようにします。
##まとめ
床ずれを甘く考えていると、犬が辛い思いをするだけでなく命に関わることもあります。定期的に体位変換をさせたり、床ずれができそうな部分を観察したりするなど、飼い主さんの日々のケアで少しでも床ずれを予防してあげましょう。