高齢化が進むとともに、認知症になる犬も少なくありません。もし認知症になってしまったら飼い主さんはどのようにお世話してあげたら良いのでしょうか。認知症の症状も含めて、犬と快適に暮らす方法を知っておきましょう。

 

認知症とは?行動から判断できる確認方法

 

認知症とは、老化をはじめ脳梗塞、脳出血などの病気によって脳神経細胞や自律神経がうまく機能しなくなることで起こる病気です。症状の出方はさまざまですが、夜鳴き、徘徊、昼夜逆転などは認知症の発症の可能性があります。早めに気づいてあげることで快適な生活がおくれるので、普段と違う行動に気づいたら獣医師に相談してみましょう。

 

以下のような行動変化が見られたら、認知症のサインかもしれません。

昼間寝ている時間が長く、夜中に徘徊するなど昼夜逆転してしまう

前方向にのみ、とぼとぼ歩くようになった

 同じ場所をぐるぐる旋回のみを繰り返す

 壁の隙間など狭い所に潜り込んで出られなくなる

 名前を呼ばれても反応せず、飼い主さんが来ても喜ばない

 食欲旺盛でよく食べるのに体重が減る

 後ろ歩きができないため方向転換ができない

 しつけや学習したことを忘れてしまう

 トイレの失敗が多くなった

 

認知症の犬と快適に暮らす方法とは?

 

生活のリズムをつくる

昼夜逆転してしまった場合はなるべく昼間に起こし、体を動かしておくことが大事です。こまめに声をかけたり、おもちゃで遊んだりするなどの刺激を与えると良いでしょう。飼い主さんが留守の間は、鳥が飛んでいる映像のビデオを流すなど、自然を感じる環境を作り出し、耳や目に刺激を与えてあげるのも方法です。

 

積極的に運動をさせる

散歩に出て外の匂いをかいだり、土の上を歩いたりする行動は、犬にとって良い刺激に。自力で歩けない犬は、庭やベランダで日光浴をさせるだけでも良い気分転換になります。太陽を浴びることで体内時計をリセットさせましょう。

 

部屋の環境を整える

床をすべりにくい素材にしたり、家具の角にクッション材などを張ったり、段ボールなどで隙間を埋めたりして、ぶつかってもケガをしない環境を整えておきましょう。飼い主さんが外出する場合は、サークルの中で動き回れるようにしておくと安心です。

 

サプリメントを活用する

DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などは血液をサラサラにして脳神経細胞を活性化させるなどの働きがあります。認知症のサプリメントはいろいろあるので、動物病院で相談してみるといいでしょう。

 

声をかける&マッサージをする

マッサージなど皮膚や手足に刺激を与えることで、脳の活性化につながります。飼い主さんとのスキンシップやこまめに声をかけてあげることによって、犬に安心感を与えることができます。

 

粗相しても怒らず見守る

老犬になるとトイレに間に合わず、粗相してしまうこともあります。そんなときは決して怒らず、速やかに片づけてあげましょう。怒られるとトイレを我慢して膀胱炎などになることもあるので、優しく見守ってあげてください。

 

##まとめ

認知症の犬と暮らすということはストレスに感じることもあるでしょう。でも、今までハッピーな時間を与えてくれた愛犬へのお礼と考えれば、少しは気持ちがラクになるのでは。愛犬の状態ときちんと向き合い、困ったときは獣医師に相談しながら大切な時間を過ごしてください。

 

アニーマどうぶつ病院 院長

村谷 親男

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