誰もが一度は憧れる、「白くてふわふわの大型犬」!それがグレート・ピレニーズです。大型犬のゴールデン・レトリーバーなどよりもさらに一回り大きく、さらにボリューミーな毛並みのこの犬を見ると、思わず抱きしめたくなってしまいますね。優しい目と大きな白い体からは穏やかでゆったりとした雰囲気を感じさせますが、実は幾世紀もの間、厳しい寒さの岩山で牧羊犬として活躍してきた働き者の犬なのです。
グレート・ピレニーズのパラメーター
グレート・ピレニーズの飼いやすさ
お留守番耐性 | ★★★☆☆ |
しつけやすさ | ★★☆☆☆ |
必要な運動量 | ★★★★☆ |
抜け毛の多さ | ★★★★☆ |
必要なブラッシング量 | ★★★★★ |
グレート・ピレニーズの性格
人への人なつっこさ | ★★★☆☆ |
他の犬への友好度 | ★★☆☆☆ |
公式データ
JKC分類 | |
AKC分類 |
ワーキング・グループ |
原産国 |
フランス |
体高 |
オス70-80cm メス65-75cm |
体重 |
オス約45kg メス約39kg |
グレート・ピレニーズの性格
普段は穏やかな性質ですが、知らない人や他の犬に対して警戒心を抱く一面も見られます。テリトリーを守るために吠えたりうなったりするため、番犬としては最適な犬といえます。信頼できる家族には従順で、子供とも仲良く遊ぶことができるため、小さい子と一緒に暮らすこともできます。ただし、やや頑固な性質を持ち合わせているため、信頼できない飼い主に対しては威圧的な態度を示して優位に立とうとする傾向があります。
グレート・ピレニーズは体が大きいため、成犬になってから問題行動を制御するのは非常に大変です。可愛いからと言って甘やかさずに、子犬の頃からしつけを徹底することが重要でしょう。
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グレート・ピレニーズの歴史とルーツ
グレート・ピレニーズは古い歴史のある犬のひとつで、チベタン・マスティフが祖先犬ではないかと考えられています。紀元前1800‐1000年頃、ヨーロッパの青銅器時代の遺跡にピレニーズに似た犬の絵が残っているのが発見されているそうです。古くは、中央アジアからヨーロッパに持ち込まれ、フランス・スペインのピレネー山脈やその他のヨーロッパの山岳地で飼われるようになりました。厚く長いコートをもつため、山中の雪深い寒さの中でも耐えることができ、ピレネー山脈のごつごつした岩山の中で、牧羊犬あるいはソリを引く作業犬として活躍していたようです。
気高く堂々とした風貌が評価されて、中世のフランスでは警備犬、17世紀後半ではフランス王室犬として活躍しましたが、20世紀までにこの犬種への関心はどんどん薄れていきました。しかし幸運なことに、一部の山岳地帯では質の良いグレート・ピレニーズの血統を受け継いだ犬種が生き残っていました。その後愛好家たちが、これらの素晴らしい血統の犬たちを元にこの犬種を発達させ、現在のグレート・ピレニーズの基盤が築かれることになりました。
グレート・ピレニーズを飼うときに気をつけたいこと
暑さ対策・毛のお手入れ・運動量の確保の3つは最優先で気を配りましょう。魅力的な見た目の一方で、きちんとした飼育を維持するにはかなり労力がいるようです。
グレート・ピレニーズはもともと雪山で働いていた作業犬なので、肉厚で豊富な被毛を持っています。そのため寒さに強い一方で、暑さにはたいへん弱いといえます。夏暑い日本の気候で一年中ずっと屋外飼育をするのは難しいでしょう。暑い季節では、常にクーラーの効いた部屋で飼育し、熱中症にならないよう注意する必要があります。
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豊富な被毛のお手入れも忘れてはいけません。きちんとブラッシングされたグレート・ピレニーズは、大変優雅で美しいものです。
また、この犬種は超大型犬(体重40kg以上)に区分されるため、かなりの運動量が必要です。運動量の確保にあたっては、十分なお散歩だけでなく、広い飼育スペースが不可欠です。その他、遊ぶことのできる庭などもあることが望ましいでしょう。
グレート・ピレニーズの成長
上述の通り、体重40kg以上の超大型犬に区分されます。超大型犬では、体重がもともと大きいため細かい数値を気にしなくなりがちですが、ほしがるままに食事を与えたり十分な運動をさせなかったりすると、すぐに肥満になってしまいますので注意しましょう。大きい犬にとって、肥満は大きな負担となります。
サイズの目安としては体高がオスで70-80cm、メスで65-75cmほど、体重がオスで約45kg、メスで約39kgです。
グレート・ピレニーズとお散歩
体型キープのためにある程度の運動量は必要です。この犬種は激しくアクティブに動くよりも、家族と一緒にゆったり歩くといった運動を好みます。のんびり歩くだけでも良いので、1回60分程度で1日2回ほどのお散歩には必ず行ってあげましょう。のんびり屋な性格の一方で、雪山で活躍していた使役犬だけあり、坂や階段の上り下り・寒い日や雪の日の外出はへっちゃらです。飼い主の方も、それに応えていろいろな場所に連れて行ってあげましょう。
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グレート・ピレニーズの毛のお手入れ
コートは全体的に長くボリューミーで、やや硬くて長めの上毛と、柔らかく密集した下毛のダブルコートです。下毛は季節の変わり目などに抜け落ちて、毛が生え換わります。この時期を換毛期と呼びますが、換毛期には普段よりも抜け毛が目立つようになるので、毎日毛のお手入れをしてあげるのが望ましいでしょう。換毛期以外でも、少なくとも一週間に一回は念入りなブラッシングが必要です。夏場は特に、無駄な毛を取り除くためまめにブラッシングをする必要があります。バリカンで毛を短くトリミングするのもよいでしょう。
シャンプーは月に一回程度、丁寧に行ってください。シャンプー後は毛の水気がなくなるまでドライヤーで時間をかけて乾かさないと、皮膚病の原因となってしまう恐れがあります。
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グレート・ピレニーズの毛の色
JKCでは、白1色のほか、白ベースに斑のみられる色が認められています。
グレート・ピレニーズのからだつき
たいへんがっしりとした、大きなボディを持っています。厚いコートにおおわれているため、実際の体型よりもさらに大きく見えます。愛嬌のあるV字型の大きな頭部で、耳は垂れています。険しくゴツゴツした雪山を登るために、足先は大きくしっかりしたつくりになっています。その他、グレート・ピレニーズは他の多くの犬と異なり、後ろ脚に狼爪(人で言う親指にあたる部分)を持っています。
グレート・ピレニーズの気をつけたい病気
がっしりとした大きな体、豊富な被毛をもつため、それに関連した病気に注意しましょう。股関節形成不全は遺伝が原因といわれていますが、成長期の運動のさせ方なども原因のひとつとなります。体の重みのために関節を痛めたり、膝蓋骨脱臼になったりしやすいようです。また、密集した毛を原因とする皮膚疾患や熱中症になる危険もあるため、毛のお手入れや暑さ対策にはかなり気を使う必要があります。一方、寒さにはたいへん強く、寒冷な地域での飼育が向いているようですね。
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☞『うちの子おうちの医療事典』で本記事に関連する病気を調べる
股関節形成不全
膝蓋骨脱臼
皮膚疾患
熱中症
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