太ってしまった犬は、人間と同様にダイエット、つまり減量をする必要があります。とはいえ犬のダイエットは人間とは異なり、運動すればいいというわけではありませんし、

急な食事制限をすることは非常に危険

なのです。正しい知識のもとダイエットをする必要があります。そもそも、愛犬の理想体重はご存知ですか?ここでは獣医師監修のもと、犬のダイエットについて計画の立て方から方法までを解説します。

人と犬のダイエットの違い

太らせるのは飼い主さん

人間のように自分自身で「そろそろやせないとまずいかも…」という危機感を覚えない点では、犬のダイエットは人よりも難しいかもしれません。しかし、

太るのは犬でも、犬を太らせているのは飼い主さん

です。犬のダイエットを行うときは、前提として、食べ物をおねだりしてくる犬に根負けして断念しないことに加え、

犬は少しくらい太っている方がかわいい」という考え方を払拭する

ことが大切です。犬の肥満は病気のリスクを高める原因となるので、長生きをしてもらうためにも体重管理に気を遣いましょう。

パーセンテージで考える

犬のダイエットをするときは、まず人とのサイズ感の違いを念頭においてください。体重3kgの小型犬が0.5kg分の体重を落とすのと、体重50kgの人間の0.5kgの減量は全く違います。同じ0.5kgでも、人間からすると1%ほどの減量にしかならないですが、犬からすると約15%の大減量になるのです。50kgの人間が7.5kgの減量をするのと同じです。

このように、

体重のパーセンテージをきちんと理解したうえでダイエットに

臨みましょう。急激な体重減少は非常に危険ですので、かかりつけの獣医さんに相談しながら進めてください。

 

ダイエット目標を立てる

無理なく健康なダイエット

犬に無理なダイエットをさせるのは禁物です。人も極端な食事制限などで

急激に体重を落とすと体調不良に陥る

場合がありますが、犬は人と違って話すことができないので、体調不良を伝えることができません。過度なダイエットは非常に危険ですので、絶対にやめましょう。

また、

犬は自分の意思でダイエットを行うわけではないので、飼い主がそのペースを見誤ると、犬にとっては大変なストレス

となり、空腹感からよく吠えるようになる可能性もあります。大幅なダイエットが必要な犬では、きちんとダイエット目標を立てて、期間の目星をつけてから実行に移すことが重要です。現在の体重と適正体重の差から、ダイエット目標を立てましょう。

体重測定だけで動物病院に行ってもOK

犬の肥満の測定方法には色々な手法がありますが、一番手っ取り早いのは、かかりつけの獣医さんに教えてもらうことです。個体差があるので、自分ひとりで理想体重を算出しようとすると、相当な勉強が必要です。

獣医さんに見てもらえれば、愛犬に応じた適正体重を教えてもらえる

ので、基本的には獣医さんと相談して決めることをオススメします。「健康な状態の犬が行っても迷惑なのでは?」と不安になる飼い主さんもいるかもしれませんが、そんなことは決してありません。獣医さんも定期的にその子の情報を知れるほうが、いざというときに診断しやすいので、前向きに迎え入れてくれますよ。

*「信頼できるかかりつけの獣医さんを見つけよう」の記事を参考にしてみて下さい!

 

犬のダイエット方法

人のダイエットは食事管理をメインにする方法や、運動をメインにする方法など、様々なものがありますが、犬のダイエットでは食事管理が中心となります。健康な犬が肥満に陥ってしまう原因のほとんどが「食事の与えすぎ・カロリーの取りすぎ」であることが理由ですので、以下の3つのポイントを振り返ってみてください。

□ 人間の食べ物を求められるままに与えていませんか?

□ フードの量は適切ですか?

□ おやつを与えすぎていませんか?

上記でもお伝えした通り、過度な減量は危険です。与えるフードやおやつに工夫をしながら、少しずつ理想体重に近づけていきましょう。

 

太らない食事の工夫

人間の食べ物を与えることはやめる

まず、

人間の食べ物を与えている場合はすぐにやめましょう。

人間の食べ物には塩分や脂分が多く含まれているので、犬の健康にもよくないですし、人が食べても平気な食べ物の中にも、犬が食べると中毒症状をひきおこすような危険なものが混じっています。既に人間の食事をもらうことに慣れてしまっている犬は、要求吠えが激しくなるかもしれませんが、ここは我慢するところです。

*要求吠え対策について、「犬の無駄吠えのしつけ方<原因別に解説>」、「行動治療学の獣医師が無駄吠えについて解説!」の記事も併せてご覧下さい。

 

フードの量を減らす

市販のフードの裏側に記載されている体重別・犬種別の適正量はあくまで目安。必ずしも自分の愛犬にとって適正とは限りません。今与えている量では多いかもしれない、と思ったら、フードを少しだけ減らしてみましょう。減らす目安は個体差があるので、かかりつけの獣医さんと相談してみてください。

また、

犬は1回あたりにもらえる食べ物の量よりも、食べ物をもらえる頻度に喜びを感じる

生き物。1日2食であったものを1日3食にするなどして、

一日に食べる量を少しずつ減らしていきながら、食事の回数を増やしてあげる

と効果的です。

 

ダイエット用のフードに切り替える

市販のフードでもダイエット用のフードがあるので、そちらに切り替えてもよいでしょう。また、

ゆでたキャベツやにんじんを混ぜて「かさ増し」

することもできます。今まで豚肉や牛肉をあげていた場合は、

低カロリーなささみに変更

するのもオススメです。ただし、今まであげていたフードを一切やめて、いきなり変えてしまうことはやめましょう。急にフードを変えてしまうと、犬が食べなかったりお腹をこわしたりする場合があります。

今までのフードに少しずつ混ぜていく形で、ゆるやかに移行

していきましょう。

 

おやつにも工夫をする

フードは問題ないはずなのに太っていく、という場合、ほとんどはおやつの与えすぎが原因です。いきなり一切おやつをあげないとなると、要求吠えの原因にもなりかねないので、少しずつ量を減らしていきましょう。犬はおやつの大きさではなく、もらった回数で喜びを感じる生き物。おやつのサイズを細かく分割して複数回にわけて与えれば、愛犬の満足度はそのままに、おやつの量を減らすことができます。

低カロリーなおやつに変える

 普段のおやつを、低カロリーのささみや野菜に変えることも有効です。

ささみのような肉はもちろん、ゆでたニンジンやゆでたキャベツなどでも、意外と犬は大好き

です。作りおきして、タッパーなどにしまって冷凍しておくと日持ちします。

 

太らない運動の工夫

犬の出不精に負けない

肥満になると特に、外に行きたがらなくなる場合がありますが、体を動かさなければ負の連鎖です。病気等でやむを得ない場合を除き、少しずつでよいのでお散歩に行くようにしましょう。なお肥満で散歩に行きたがらない場合は、腰が痛いなど、何らかの病気になっていることがあるので、その場合は注意して様子を見てあげてください。

散歩の距離・時間を増やす

今までのお散歩よりも、時間を延ばすこともオススメです。ただし、過度なお散歩は体に負担をかけすぎる場合もあるので、お散歩帰りにウトウトするくらいの量にしてあげましょう。ひたすら走ったりしなくても大丈夫。近くの公園のベンチで一休みしたり、草むらをウロウロしたりして、長い時間をかけて愛犬の満足度の高いお散歩にしてあげるといいでしょう。「作業的なお散歩はやめて!愛犬が喜ぶお散歩とは【獣医師解説】」の記事も併せてご覧下さい。

 

犬のダイエットは、人間のダイエットと異なる部分がたくさんあります。愛犬の健康を目指して無理なダイエットをした結果、体調を崩してしまうなんてことになったら本末転倒。かかりつけの獣医さんに相談しながら、無理のない安全なダイエットに取り組んでくださいね。

 

*関連記事はこちらをご覧ください。

■ 肥満のリスク:「愛犬の肥満、放置しておくと大変なことに!【獣医師解説】

■ 無駄吠えのしつけ方:「犬の無駄吠えのしつけ方 <原因別に解説>

■ 散歩時間の見極め方:「犬のお散歩、飼い主が心得ておくべきこととは【獣医師解説】

 

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