「スヌーピー」のモデルとして有名なビーグル。イギリス原産で、もとはウサギ狩りの猟犬として用いられており、16世紀には女王エリザベス1世も所有していました。優れた臭覚を武器に延々と獲物を追跡する能力を持っているため、コンパクトな体格ながらスタミナがあり、筋肉質でエネルギッシュです。臭覚の鋭敏さは、税関などで持ち込み禁止物品を検査する検疫犬として活躍できるほどで、群れを成して猟に従事していたことから、人間や他の犬に対しても友好的です。

 

ビーグルのパラメーター

ビーグルの飼いやすさ

お留守番耐性 ★★★☆☆
しつけやすさ ★★★★★
必要な運動量 ★★★★☆
抜け毛の多さ ★★☆☆☆
必要なブラッシング量 ★★☆☆☆

ビーグルの性格

人への人なつっこさ ★★★★★
他の犬への友好度 ★★★★★

 

公式データ

JKC分類

6G 使役犬

AKC分類

ハウンド・グループ

原産国

イギリス

体高

オス40cm メス35cm

体重

オス9kg メス7kg

 

ビーグルの性格

ビーグルは、猟犬らしく、従順さと忍耐強さがあり、好奇心と冒険心に溢れています。群れを成して猟を行っていたことから、他の犬とのコミュニケーション能力にも優れ、すぐに仲良くなれます。初対面の人に対しても臆病になることは少なく、お子さんのいるご家庭では、活発なビーグルがとても良い遊び相手になってくれるでしょう。屋外の探検・探索を好むため、ひとたび夢中になると飼い主そっちのけで、ひたすら草むらの臭いを嗅ぎまくる・・・ということもあるようです。

ビーグルの歴史とルーツ

イギリス原産のビーグルは、同国で古くから盛んであったウサギ狩りの猟犬でした。「嗅覚ハウンド」に分類される彼らは、その鋭敏な鼻を頼りに仲間のビーグルとともに獲物を追います。体格の割によく通る声を持ち、互いの鳴き声で意思疎通を図りながら猟を進めていくことから、「森の鈴」「草原のトランペッター」とも呼ばれました。大型犬が入ることのできない険しい場所でも追跡を継続することができ、獲物を追い詰めると、独特の低く長い唸り声で主人に場所を知らせます。この声が、古フランス語の「開いた喉」に由来する”beagle”という犬種名になったといわれます。名前の由来はこの他に、古い英語あるいはフランス語の「小さい」という意味から来ているともいわれ、体格が小さいことから、馬の鞍に付けた袋に入れて移動できるなど、重宝したようです。

 

ビーグルを飼うときに気をつけたいこと

ビーグルは、活発で友好的である一方、冒険心、独立心も強く、興味を持ったものに執着するあまり唸ったり吠えたりすることもあります。探索欲求が強いので、屋外でしっかり運動させたり、心ゆくまで臭いを嗅がせてあげたりしましょう。ストレスを貯めてしまうと無駄吠えや、あちこち噛みつくなど、問題行動に繋がるリスクがあります。つまり、オンとオフのメリハリをしっかり付けてあげることが重要です。

暑さ寒さに配慮した、しっかりとしたハウスを用意してあげれば、屋外飼育も可能です。

食欲旺盛、悪く言えば貪欲なため、拾い食いをさせないしつけは必須です。おやつのあげ過ぎに注意することと、目の届くところに食べ物を置かないことも肝心です。十分な運動量が必要なこともあり、太りやすいと言えます。肥満のリスクについては、「愛犬の肥満、放置しておくと大変なことに!【獣医師が解説】」をご覧ください。

また、群れを成して仕事をしていた犬種のため、独りぼっちが不安になります。長時間の留守番が毎日続くことがないよう、心がけてください。

 

●『しつけ』に関するワンペディア記事はこちらをご覧ください。

■ お迎え時:子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、本当に大丈夫?【獣医師が解説】

■ アイコンタクト:全てのしつけに必要!愛犬とのアイコンタクト【獣医師が解説】

■ 失敗談:みんなのしつけ失敗談。先輩の失敗から学ぼう!

■ おいで:呼んだら来てくれる「おいで」のしつけ

■ 噛む:噛む犬のしつけ方

■ 吠え:犬の無駄吠えのしつけ方 <原因別に解説>

■ 待て:犬のしつけ「待て」はとっても重要!トレーニングの方法は?

■ 留守番:クレートを好きになってもらってお留守番上手に【獣医師が解説】

■ リーダー:怖いボスと頼れるリーダーの違い【獣医師が解説】

■ ドッグカフェで:ドッグカフェでいい子にしてもらうためのしつけ

 

ビーグルの成長

ビーグルの成犬は体高33~40cm程になります。ハウンド種の中ではもっとも小さい部類ですが、犬種全体の中では中型犬に分類されることが多いです。体重は8kg~14kg程になります。カートに入れての移動は支障ありませんが、抱きかかえて移動することは少々つらそうです。

ビーグルとお散歩

探検が大好きなビーグルですので、1日2回、1回あたり30分、しっかりと散歩させてあげましょう。あれは何かな?これは何のにおいかな?と、いろいろなものに興味津々で、探索に没頭します。思う存分気の向くまま、あちこち探検させてあげると満足します。ただし、ひとりでにどんどん遠くへ行ってしまうことがあるため、迷子にならないよう、目を離さないでください。万が一に備え、迷子札を付けておくと安心です。

 

●『お散歩』に関するワンペディア記事はこちらをご覧ください。

■ 散歩時間の見極め方:犬のお散歩、飼い主が心得ておくべきこととは【獣医師が解説】

■ 喜ぶ散歩:作業的なお散歩はやめて! 愛犬が喜ぶお散歩とは

■ 雨の日:雨の日の犬のお散歩、どうしてますか?

■ 歩かない犬:歩かない犬との散歩、どうしたらいいの?

■ シニア犬:犬はシニアになってもお散歩が必要? 散歩時間の目安は?

 

ビーグルの毛のお手入れ

光沢のある滑らかな短毛が密生しています。一定の長さから伸び続けることもないため、カット等のトリミングは必要なく、定期的にシャンプーをしてあげる程度で問題ありません。ただ、ダブルコートのため、滑らかな上毛の下に隠れたふわりとした下毛(アンダーコート)が、換毛期にたくさん抜けます。アンダーコートナイフを使えば、簡単にお手入れできるでしょう。

 

●『お世話』に関するワンペディア記事はこちらをご覧ください。

■ トリミングの目的:意外と知らない、犬にトリミングが必要な理由【獣医師が解説】

■ 自宅でトリミング:初心者でも簡単!自宅でできるトリミング【獣医師が解説】

■ バリカン講座:初心者向けのバリカン講座!犬の足裏のお手入れ方法【獣医師が解説

■ ブラッシング:獣医師が解説!犬の正しいブラッシング

■ 足裏ケア:もうフローリングで滑らない!愛犬の足裏ケア

■ サロン選び:優良なトリミングサロンを選ぶ6つの基準 

■ 耳掃除:【獣医師監修】犬の耳掃除。どれくらいの頻度ですればいいの?注意点は?

■ シャンプー:愛犬がシャンプー好きに!正しい頻度と洗い方【獣医師が解説】

■ 毛並み:愛犬の毛並みを良くするためのお手入れ【獣医師が解説】

■ お手入れまとめ:愛犬に必要なお手入れまとめ

 

ビーグルの毛の色

ブラック、タン&ホワイトのトライカラー(3色)が最もポピュラーで、この組み合わせはハウンドカラーとも呼ばれます。その他にはレッド&ホワイトが人気です。ビーグルの茶色あるいは褐色の部分はレッド、タン、レモンなど、微妙な色合いにより様々な呼ばれ方をしており、色の混ざり具合も多様です。レバー(赤褐色)以外であればビーグルの毛色として認められる傾向にありますが、尾の先と足元は必ず白いことが、ビーグルの要件として挙げられます。

 

ビーグルのからだつき

正方形に近い、均整のとれたシルエットです。大きな垂れ耳をひらひらさせながら走る姿が特長的で、立ち止まると尾をまっすぐ上に、ピンと立たせた凛々しい姿を見せてくれます。毛が短いため筋肉質な肉づきがよくわかり、獲物の追跡に耐えうるしっかりとした足をしています。

 

ビーグルの気を付けたい病気

外耳炎

椎間板ヘルニア

股関節形成不全

野山を駆け巡っていた猟犬のため、基本的には頑丈で病気にかかりにくいと言われています。ただ、垂れ耳で蒸れやすいため、耳垢チェックと耳掃除は頻繁に行ってあげてください。耳掃除については、『人の綿棒はNG!愛犬の耳のお手入れ方法』を参考にしてください。

 

●犬種別病気ガイド『ビーグル』も合わせてご覧ください。

ビーグルの特徴

ビーグルの飼育のポイント

ビーグルのかかりやすい病気・ケガ

ビーグルの保険金請求事例

 

●「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典『うちの子おうちの医療事典』をご利用ください。

うちの子おうちの医療事典

☞例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面から】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり 

【症状面から】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象から】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い 

【季節性から】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度から】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさから】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度から】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面から】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面から】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

 

『子犬期』に関する専門家監修記事

□ 健康チェック:成犬とはどこが違う?子犬の健康を細かくチェックする方法とは?

□ お部屋:子犬のためのお部屋作り

□ しつけ:子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、本当に大丈夫?

□ トレーニング:子犬期のうちに絶対にやっておくべきトレーニン

□ トイレトレーニング:子犬のトイレトレーニング、失敗しても大丈夫!

□ パピーパーティ:他の子犬たちと出会えるパピーパーティーとは

□ 父犬の役割:子犬育ての参考に!お父さん犬の隠れた役割

□ 社会性:子犬に社会性を身につけてもらうために!

□ お散歩デビュー:獣医師がわかりやすく解説!初めてのお散歩

□ ドッグランデビュー:その子犬、ドッグランに連れて行っても大丈夫?

□ 夜鳴き:子犬が夜鳴きするのはなぜ?夜鳴きの対処方法

□ 食糞:子犬の食糞の理由や予防対策

 

<子犬期に注意すべき病気とケガ>

■ 注意すべき病気とケガ:子犬は絶対に気をつけて!注意すべき病気と怪我

■ 低血糖症:子犬は要注意!短時間で死に至る「低血糖症」とは

■ 水頭症:1歳未満の子犬に多い水頭症とは?治療法と飼い主さんができること

■ 胃液を吐いた:子犬が黄色っぽい液体を吐いた!原因と対処法

■ 骨折:子犬の骨折が発生しやすい月齢は? 発生しやすい3大要因と予防策

■ 環軸亜脱臼:子犬がかかりやすい、環軸亜脱臼

 

アイペット獣医師

詳細はこちら

関連記事

related article