「お母さんはどんな犬かな?」「兄妹はいるのかな?」「体は健康なのかな?」犬を家に迎えた最初の頃、その子の色んなことが知りたくなりますよね。血統書には、飼い主さんが知りたいその子のルーツや、健康にかかわる内容が書かれています。

でも実際に血統書を見てみると「何が書いてあるのか分からない」「英字が多くて読みたくない…」と思ってしまった飼い主さんもいるのではないでしょうか?ここでは、犬の血統書の読み方を分かりやすく解説します。

 血統書には何が書かれているの?

血統書とは血統証明書の略で、人間でいう戸籍のようなものです。ここには犬の性別や犬種だけでなく、生まれつきの病気がないか、その子がどこで生まれ、お父さんやおじいちゃんはどんな犬だったのかなど、3代前の祖先まで書かれているのです。このように犬の血統や健康状態を管理することは、健全な繁殖を行う上で重要なことだと考えられています。

例えば、遺伝性のある病気を抱えている犬であることが事前にわかっていたら、その病気の犬を増やさないために繁殖を防ぐことができますよね。血統書があることで、健康な子犬を産み、育てていくことに繋がるのです。

今回は、血統書を発行している団体のひとつ、ジャパンケネルクラブ(JKC)が発行している血統書に沿って解説していきます。

 血統書の読み方とは?

血統書サンプル

家族の一員になった愛犬のことをもっと知りたくなるのは当然です。血統書から愛犬のルーツや健康状態を読み取ってみましょう。

①から読み取れること

 愛犬が生まれた場所は?

「ALAN OF TOKYO KANDA JP」これは、ブリーダーがつけた正式な犬の名前です。この犬の名前は、その子に付けられた「ALAN(アラン)」という名前と、ブリーダーの犬舎名である「TOKYO KANDA JP(トウキョウ カンダ ジェイピー)」を取って付けられています。この子の兄妹を迎えたい、似た容姿の子を迎えたい場合には「TOKYO KANDA JP」という犬舎名を検索してブリーダーを探しましょう。しかし、ブリーダーが情報を非公開にしている場合には、検索しても情報が得られないことがあります。

血統書裏面血統書の裏面に書かれているこの表記を見ると、その子の兄妹がオスとメスでそれぞれ何匹いるのかが分かります。また、登録頭数とは、血統書に登録された数を表しています。万が一、兄妹が亡くなってしまっている場合には、出生頭数と登録頭数の数が合わないこともあります。

 ②から読み取れること

うちの子の誕生日はいつ?

「うちの子の誕生日が知りたい」という飼い主さんは、この項目を確認してみてください。ここには、生年月日や犬種名、性別といった愛犬の基本情報から、任意で登録できるDNA登録番号、遺伝的な病気について書かれています。

 関節に異常が起こりやすいかどうか

犬の代表的な遺伝性の病気として、股関節が生まれつき異常な状態「股関節形成不全症」と、肘関節に異常がある状態「肘関節異形成症」があります。こういった生まれつきの関節疾患を持つ犬の場合は、通常の犬よりも関節を傷めないような生活を心掛けなくてはなりません。また、この検査はブリーダーの任意で行うものなので、すべての犬に記載があるわけではありません。サンプル写真では「JH02/02A053」この表記が股関節評価になります。それぞれの股関節の評価が数値や英字で書かれているのですが、詳しくはブリーダーさんに確認することをおすすめします。

所有者の名義変更

「所有者」の欄には飼い主さんの名前が書かれるものなのですが、犬が家に来たときに最初に送られてくる血統書には、母親の繁殖者の名前が記載されています。犬を家に迎えたら、正式な飼い主さんの名前を登録するために、血統書の裏面にある「所有者名義変更届」を使い名義変更を行いましょう。

名義の変更方法

血統書は、子犬・子猫が生まれて90日以内にブリーダー側で発行するので、飼い主さんは申請することはありません。しかし、ブリーダーから犬を譲り受けたら、正式に家族の一員として迎え入れるために名義変更を行います。

名義変更の手続きには

・クラブ入会申込書

・血統証明書(裏面の「所有者名義変更届」に記入したもの)

・登録料金

 入会金 2,000円

 年会費 4,000円

 名義変更手数料 1,200円(血統書発行日より半年が経過している場合は3,400円)

が必要になります。各地にあるジャパンケネルクラブ(JKC)事務所に直接出向くか、必要書類を郵送します。まずはジャパンケネルクラブに電話で問い合わせてみましょう。名義変更は本部に書類が届いてからおよそ3週間程度で完了し、その後、名義変更された新しい血統書が手元に届きます。

 ③④から読み取れること

愛犬のお父さん、お母さんはどんな犬?

血統書には、父母、祖父母、曽祖父母と、その子の3代前の血統まで書かれています。「この子のお父さんはどんな犬だったのかな?」と思えば、この図を元にブリーダーに問い合わせてみると良いでしょう。

1番:父親、3番:父方の祖父、4番:父方の祖母、7~10は曽祖父母

2番:母親、5番:母方の祖父、6番:母方の祖母、11~14は曽祖父母

 

いかがでしたか?一見、英字や数字で難易度が高そうに見えますが、必要なところだけ抜き取ればそんなに難しいものではありません。飼い主さんにとって、家族の一員である愛犬のルーツや健康はとても気になりますよね。特にブリーダーの情報や健康にかかわる関節炎の表記は確認しておくようにしましょう。

 

 

★「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、犬種など、かかりやすい病気や、症状や病名で調べることができる『うちの子おうちの医療事典』をご利用ください。

☞例えば、下記のような切り口で、さまざまな病気やケガを知ることができます。  

生まれつきの病気

再発しやすい

長期の治療が必要

初期は無症状が多い

命にかかわるリスクが高い

生涯かかる治療費が高額

高齢犬に多い

病気の進行が早い

緊急治療が必要

入院が必要になることが多い

かかりやすい病気

他の犬にうつる

人にうつる

予防できる

子犬に多い

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ワンペディア編集部

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