愛犬をギュッと抱きしめて、「く、臭い!」と苦笑いをしたことがあるという飼い主さんは案外多いのではないでしょうか。犬の耳はトラブルを起こすと悪臭を放つことがあります。そんなときは愛犬の様子をしっかり観察してください。耳を痒がっていませんか?耳垢は出ていませんか?犬の耳が臭いときに考えられる病気や症状について解説します。

犬の耳が臭い!悪臭が出ているのはなぜ?

どんな臭いがするのかを確認

臭いと感じるとき、犬の耳はどんな匂いですか?酸っぱい匂いがすればマラセチアの可能性が考えられます。マラセチアは皮膚に存在する常在菌で、通常はほかの菌と共生していますが、体調を崩すと菌が異常に増殖し悪臭の原因になることが。腐ったような臭いがする場合は、耳の奥にどろっとした膿がたまっているかもしれません。膿は白血球の死骸なので、体内に侵入してきたばい菌と戦ったあとのものでしょう。

悪臭に加え、耳が赤く熱を帯びている場合

「耳が臭いうえに赤くただれている。それにいつもとなんか様子が違う…」。犬が前足で耳をやたらと掻いていたり、床に頭をこすりつけていたりしている場合は、耳を痒がっていると考えられます。その場合は、外耳炎やアトピーの可能性も。赤さや熱感は炎症に伴って発生するものですが、素人目には判断がつきにくく適切な処置を行うことは難しいので、獣医師の診察を受けましょう。

犬の耳が臭いときは外耳炎の可能性が高い?!

犬の耳トラブル、代表格は外耳炎

犬の耳が臭いときは、まず外耳炎を疑いましょう。外耳炎は犬の耳の代表的な病気で、ペット保険の請求でも犬の総合傷病ランキング(*)で2位にあがるものです。
ひとくちに外耳炎と言ってもその原因はさまざま。炎症、腫瘍からアトピーや細菌性のものまで、非常に幅広い病気です。外耳炎の原因は若齢と高齢とでは、全く異なる可能性が。今まで外耳炎になったことがない犬が、高齢になって外耳炎を発症すると、甲状腺や副腎のホルモンのバランスが乱れていることも考えられます。

*詳しくは『【獣医師監修】犬の耳に関する病気といえば、外耳炎。年齢によって原因が違うって本当?』をご覧ください。

*データ出典:アイペット損害保険会社「ペットの傷病ランキング2018」

耳のトラブルを起こしやすい犬種

ビーグルやレトリバーなど垂れ耳の犬は、全般的に耳のトラブルを起こしやすい犬種。垂れ耳の犬は、自分の耳が耳自体の蓋をしてしまうことで、湿った空気がたまりやすくなりトラブルにつながるのです。また立ち耳でも、柴犬やフレンチブルドックなどは比較的、耳のトラブルが多い犬種。個体差や飼育環境が大きく影響するので、日頃からしっかり耳のなかを観察する習慣をつけておきましょう。

耳が臭いときの治療方法

臭いだけでは耳のなかでどんな症状が起きているのか判断がしづらいため、まずは獣医師に相談してみましょう。外耳炎の場合、どのタイプの外耳炎か診断するところからはじめます。単発の外耳炎なら、ある程度の期間治療をすれば治りますが、アトピー性の場合は中長期的なつき合いになる可能性も。軽度の場合は点耳薬で済みますが、重症化したり繰り返したりする場合はステロイド薬の使用や通院が必要になることもあります。
マラセチアと診断された場合は、専用シャンプーの使用をすすめられることがあります。しかし独断で使用すると誤った使い方をしてしまうこともあるので、必ず獣医師の診断を仰いでからにしてください。

 

犬の耳から通常、強い匂いが発せられることはありません。臭いの元には何かしらの理由があり、不調のシグナルです。早めに原因を突きとめて治療を開始してください。

アニーマどうぶつ病院 院長

村谷 親男

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