ふと犬の耳を見ると「耳にかさぶたができていた」という経験はありませんか?かさぶたは耳のどこにできていますか?部位によって考えられる原因は異なります。耳の根元にできている場合は、自傷かもしれません。耳の先にできている場合は血管障害の可能性があります。ここでは耳にできる、かさぶたの原因と対処法について解説します。

そもそも、かさぶたってなんでできるの?

かさぶたのほとんどは外傷が原因

まずは、かさぶたの基本的な説明からしていきましょう。犬に限った話ではありませんが、かさぶたは外傷が治りかけるころに皮膚の表面にできるもので、傷口から出た血液に含まれる赤血球や血小板などで構成されています。傷口が早く治るために作られるものなので、生き物にとってなくてはならないものです。

かさぶたの下で菌が繁殖する?!

犬同士の喧嘩や、散歩中の怪我などで傷を負うと、傷口から菌が入る可能性があります。そのままの状態でかさぶたができれば、その下で菌が繁殖する恐れがあります。浅い傷であれば経過観測で問題ない場合がほとんどですが、傷が深そうなときや原因が分からないときは早めに病院に行くことをおすすめします。特に犬に噛まれた場合は、傷自体は大したことはなくても、歯から菌が入ることがあるので注意が必要です。

薬は塗るべき?人間用の薬は塗ってもいいの?

外傷が原因でできたかさぶたなら、傷が治りかけている証拠なので時間の経過とともに完治します。薬を塗ると早く治るような気がしますが、健康な犬には必要ありません。心配で何もせずにはいられない、という場合は独断で薬を使用せず、獣医師の診断をあおぐことをおすすめします。

かさぶたは取っちゃダメ!

かさぶたが治りかけるとヒスタミンという物質の影響で、痒みを感じます。これを引っ掻いてしまうとかさぶたが剥がれ、治りかけていた傷がまた表面に出てくることで、治りが遅れる原因になります。犬の耳にできるかさぶたは、自分で引っ掻いたあとにできるものが多いので、普段から爪を短く切るようにしましょう。また、かさぶたが完全に治るまでの間だけ、エリザベスカラーをつけるなどして傷口を掻かないようにしてあげるのも手です。

かたぶたが耳の根元にできている場合は、マラセチアの可能性も

耳の根元にかさぶたがある場合、大元の原因はマラセチアである可能性があります。マラセチアは耳から発生し、痒い耳元を前足でひっきりなしに掻くことで、耳の根元にかさぶたが生じてしまうのです。耳から始まり、耳を掻いた前足、その前足を舐めることで口周り、と体中にどんどん広がるので早めに対処を行いましょう。

*詳しくは『【獣医師監修】犬の耳にカビが生えることがあるの?マラセチアの症状、原因、治療法とは?』をご覧ください。

かさぶたが耳先にできている場合は、血行障害かも

引っ掻き傷によるかさぶたなら、よほど繰り返さない限り病院へ行く必要はありません。しかしかさぶたのようなものが耳先にできている場合は、外傷ではなく末端血行障害の疑いがあります。主な原因は寒さや栄養不良ですが、免疫不全や遺伝性の可能性もあるので獣医師の診断を受けましょう。

 

耳のトラブルに共通して言えることですが、耳にできるかさぶたも、立ち耳より垂れ耳の犬種のほうができやすく、見つけにくいと言われています。垂れ耳は耳自体が耳の蓋をしてしまうことで、内部に湿気がこもり、耳のトラブルを引き起こしやすいのです。そのため痒みを起こし、結果的にかさぶたを作る状況に陥りがち。愛犬が垂れ耳の場合は、普段から耳をめくって観察するようにしましょう。

アニーマどうぶつ病院 院長

村谷 親男

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