うとうとしている愛犬を見ながら眠りにつく。そして朝目をあけると愛犬が隣で寝ている。そんな光景を想像するだけで、心がほっこりしますよね。愛犬と一緒に寝たい、そう思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。家族の一員なのだから、寝るのも一緒がいいと思っていませんか? しかし愛犬との添い寝には実は問題点もあるのです。もし添い寝をしたいのであれば、気を付けたほうがいいポイントをまとめました。

犬が飼い主さんと一緒に寝ようとする理由

なぜ犬は飼い主さんと一緒に寝たがるのでしょうか? その理由の多くは「飼い主さんの匂いがする」から、そして「温かい」からだといわれています。寝具は飼い主さんの匂いが比較的強くついている場所。まだ小さい子犬の場合は、母親と離れて寂しい気持ちでいっぱい。いつも世話してくれる飼い主さんの匂いと温かさを感じることで、安心したい気持ちがあるのかもしれません。また、もともと甘えん坊の性格な犬は、寝るときも一緒にいたくて、飼い主さんのお布団にもぐりこんでくるのでしょうね。

添い寝が当然になると一人で寝ることができない

添い寝が当たり前になってしまったら、犬は一人で寝ることができなくなります

いつでもどこでも飼い主さんと一緒、ということに慣れてしまった犬は、自分のテリトリーがあいまいになっています。その結果、ケージやサークルなど仕切られた場所に入れられることを「飼い主さんから離れてしまう」「飼い主さんにかまってもらえない」と理解して、吠えたり粗相をしたりしてしまいます。

病院やペットホテルでは必ずケージに入ることになりますが、そこで落ち着いて過ごせないとなると、飼い主さんはどこにも出かけられません。また、災害時もクレートに入って犬専用の場所で過ごすことになります。

犬専用の場所で、一人で過ごすことができるというのは、犬が人間とともに暮らす上で、とても大切な条件となります。もし一緒に寝るのであれば、きちんとクレートトレーニングやお留守番のトレーニングをしておいた方がよいでしょう。詳しくは「クレートを好きになってもらってお留守番上手に!」も併せてご覧下さい。

 

事故のリスク

もし飼い主さんがベッドで寝ているのなら、寝ている間に落下する可能性はあります。犬は眠りが浅く、瞬発力が高いため、身の危険を察知したらすぐに飛び起きて避けられる、と考えている飼い主さんもいるかもしれませんが、逃げ遅れてベッドから落下する可能性は十分に考えられます。人間にとっては大した高さでなくても、体の小さい犬からすると骨折してしまってもおかしくない高さです。一緒に寝るのであればお布団や低いベッドで寝るようにした方がいいでしょう。

 

動物整形外科の専門医・木村太郎先生監修「犬の骨折」記事もご一読ください。

第1回:動物整形外科専門医の視点で語る「愛犬を骨折させてはいけない理由」 

第2回:視覚とデータで理解!「骨折の原因」を徹底排除

第3回:骨折発生! もしかして骨折_ を含めた応急処置と対処法

第4回:動物の整形外科とは?~骨折治療の得意な先生の探し方ヒント 

第5回:骨折の定義と、部位別の原因・症例・治療法~完治まで

第6回:骨折の治療法完全ガイド 

第7回:⾻折で発⽣する後遺症と合併症

第8回:骨折しやすい犬種の理由として考えられること

 

皮膚病にかかってしまう可能性も!

犬と人との間でどちらもかかる可能性のある皮膚炎として、ノミやシラミ、ダニによるものが有名ですよね。そんな外部寄生虫たちを、仲良くベッドの中で共有してしまうことになります。もし犬がそういった外部寄生虫を持っていたら、飼い主さんも感染してしまう可能性は十分に考えられます。一緒に寝るのであれば、ノミ・ダニ予防を徹底するようにしましょう。

また、毛が抜ける犬の場合は、抜け毛の季節になるとシーツが毛でびっしりになってしまいます。人にとっても犬にとっても、衛生的にあまりいいとは言えないので、一緒に寝る場合は定期的にシーツを洗いましょう。

 

犬好きならだれでも憧れる飼い犬との添い寝。ただ、その裏では気を付けなければならないこともたくさんあります。それでも添い寝をしたいという飼い主さんは、注意すべきポイントをきちんと押さえて、安全で幸せな添い寝を楽しんでくださいね!

 

犬の「気持ち」「しつけ」「ストレス」に関する獣医師監修記事

<犬の気持ち>

■ しっぽ:犬の“しっぽ”で感情を読み取ろう!

■ しぐさ:行動学の専門家が解説!仕草からわかる犬の気持ち

■ 鼻舐め:犬が鼻をペロペロ舐めるのはなぜ?知っておきたい犬の習性と病気のサインとは?

■ 見つめる:じーっと見つめてくるときの犬の気持ちは?

■ 好き嫌い:愛犬の好きなこと、苦手なこと、きちんと把握できていますか?

■ 他の犬:他の犬に会った時、愛犬はなにを考えているの?

■ 威嚇:犬が威嚇をしてくるのはなぜ?

■ 順位付け:多頭飼いでは犬の順位付けに気をつけて!

■ 転移行動:犬が自分のしっぽを追いかけるのはなぜ? 

■ ストレスサイン:犬のストレスサインとは?どんな行動をするの?

 

<犬のしつけ>

■ 子犬:子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、本当に大丈夫?

■ アイコンタクト:全てのしつけに必要!愛犬とのアイコンタクト

■ おすわり:ドッグトレーナーが解説!「おすわり」の教え方

■ 伏せ:犬の「伏せ」に隠された大切な役割と教え方

■ 待て:犬のしつけ「待て」はとっても重要!トレーニングの方法は?

■ おいで:呼んだら来てくれる「おいで」のしつけ

■ 離せ(ちょうだい):愛犬の身を守る、「はなせ」の教え方

■ 拾い食い:拾い食いをさせないためのトレーニング

■ 咬み:噛む犬のしつけ方

■ 無駄吠え:犬の無駄吠えのしつけ方 <原因別に解説>

■ 要求吠え:要求吠えの原因は飼い主が甘やかすこと

■ 飛びつき:犬の飛びつきをなくすためのしつけ

■ クレート:クレートを好きになってもらってお留守番上手に

■ ハウス:犬とのお出かけ前に!ハウストレーニング

■ 留守番:留守番の練習方法

■ 散歩:お散歩中、お行儀よく隣を歩いてもらうために

■ リーダー:怖いボスと頼れるリーダーの違い

■ドッグカフェ:ドッグカフェでいい子にしてもらうためのしつけ

■ 失敗談:みんなのしつけ失敗談。先輩の失敗から学ぼう!

 

<犬のストレス>

 犬の「ストレスサイン」とは?どんな行動をするの?

■ 犬が自分の体を「舐める」のは、ストレスが原因かも

 犬も「歯ぎしり」をするの?その原因と対処法とは?

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■ ソファーがぼろぼろ!犬が家の中のものを「噛む」理由は?

■ 愛犬のSOSサイン、見逃していませんか?

 犬が自分のしっぽを追いかけるのはなぜ?

 

愛犬の行動から、病気の可能性を調べてみる「うちの子おうちの医療事典」

「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、犬種など、かかりやすい病気や、症状や病名で調べることができる「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。 

例えば、愛犬の「行動」から、考えられる病気を調べることもできます。健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

■ 足をあげる

■ 歩かない

■ 頭を振っている

■ ふらつく

■ ぐるぐる回る

■ 遠吠えをする

■ 性格が変わる

アイペット獣医師

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