たいていのワンちゃんは散歩が大好き。飼い主さんが疲れていようが忙しかろうが、雨が降ろうが風が吹こうがお散歩に行きたがりますよね。でも、なかには散歩に行きたがらない犬もいます。歩くのが面倒くさいから?お散歩が嫌いだから?

実は犬が歩かないのには色々な理由があるのです。どうすればお散歩を好きになってもらえるのか、その理由を考えてみましょう。

 

犬にとって散歩は必要

散歩は、犬が健やかに生きていくために、とても重要な役割を果たしています。運動欲求という本能を満たすだけでなく、ストレスの軽減や社会性の構築・維持といった、心の健康を支えるものでもあるからです。散歩に行きたがらないなんてラクでいいよね、などと考えてはダメです。病気で動けないような場合でなければ、犬が行きたがらなかったとしても、運動させる必要があります。そのためには「散歩に行きたがらない」「歩きたがらない」理由をしっかりと見極めなくてはなりません。

 

 急に歩かなくなったら「病気」「ケガ」の可能性大

以前は元気よく散歩していたのに、最近になって歩かなくなった場合は、病気やケガ、老化などによる関節の痛みなどで、歩きたくても歩けない可能性が高いです。すぐに獣医師に相談して診断を仰ぎましょう。放っておくと生命に関わる、または寝たきりになってしまう危険性もあります。

 

 高齢で体に負担がかかっているのかも?

人間もそうですが、加齢が進むと以前は苦もなくできていた運動ができなくなることは珍しくありません。以前と同じような散歩を強要されてストレスを感じ、歩かなくなってしまう場合もありますから、犬の年齢や体調に合わせ、負担をかけない散歩コースと歩き方に変えていきましょう。無理な散歩や運動は禁物です。

 

子犬の場合は慣れが必要

 子犬が歩きたがらない理由は「怖いから」。子犬が散歩に行きたがらない、家の外では歩きたがらない理由は、多くの場合「恐怖」が原因です。好奇心が強い子犬は、初めての物を見ると寄っていきますが、臆病な子は景色や音にビクビクして、家に逃げ帰りたくなってしまうんですね。とくに、どう猛な犬に脅されたりクルマにひかれそうになったりといった強烈な恐怖を体験すると、子犬の場合はそれが一生のトラウマになってしまいます。 ワクチンプログラムが終了する前から、抱っこして近所を散歩し刺激に慣らすなどして、早くからのお散歩習慣を身につけましょう。

また、突然大きな音がする場所やクルマ通りが多い道、性格の荒い犬に出会わないコースなどを探して散歩に連れていくことも大切です。クルマや人、他の犬などに出会うことが少ない時間帯を見つけて、最初は自宅のごく近くから、焦らず少しずつ慣らしていくといいでしょう。嫌がる子犬を強引に引っ張り回してしまったら、ますます恐怖感が植え付けてしまい逆効果です。

この「焦らず、少しずつ」というマインドは、成犬になっても効果的。散歩が苦手な犬にとっては、「散歩は嫌なこと、怖いこと」という刷り込みができてしまっているわので、一朝一夕には直りません。散歩中に声をかけたり、怖がって身体を硬くしてしまったら安全なところでしばらく休んで犬を落ち着かせたりしながら、散歩の時間を少しずつ延ばしていきましょう。初めてのお散歩について、詳しくは「獣医師が分かりやすく解説!初めてのお散歩」の記事をご覧下さい。

 

急に立ち止まり動かなくなる原因は?

さっきまで気持ちよさそうにスイスイ歩いていたのに、突然座り込んで歩かなくなってしまう犬もいます。何か怖いものを見つけた、または以前に嫌な目にあった場所を避けたいという場合もありますが、この場合は飼い主さんが甘やかしていることが要因となっている可能性があります。

立ち止まって抵抗すれば自分の行きたいほうに行ける、抱っこしてくれると学習し、味をしめたことで歩かなくなってしまうのです。このような犬に対しては、散歩は飼い主さんに合わせて出かけるもの、とちゃんと認識してもらわなくてはなりません。

歩かない犬を歩かせるためには、飼い主さんの意思を犬に伝える必要があります。立ち止まって踏ん張っている犬は、綱引きのように引っ張るよりも、横方向から身体を回転させる力を加えるように引くと、思いきり引っ張らなくても犬をコントロールしやすくなります。また、その場で座り込んでいる犬は、後ろに回ってリードを犬の頭の後ろへゆっくり引きましょう。そうすると立ち上がって、また歩き出してくれるはずです。

もちろん、これらの方法も「焦らず、少しずつ」が鉄則です。動かないからといって思いきりズルズルと引きずってしまったら、柔らかい肉球をケガしますし、飼い主さんが怒ったらますます歩かなくなります。1日に1歩ずつでも多く歩けるようになればいい、と考えてのんびり慣らしていくといいでしょう。

 

お散歩で歩きたがらない犬は、必ずその理由があります。なにが愛犬をお散歩嫌いにさせているのか、原因をきちんと分析した上で、無理なく楽しいお散歩ができるようになるといいですね。

 

犬の「散歩」に関するワンペディア記事

□ 散歩時間の見極め方:「犬のお散歩、飼い主が心得ておくべきこととは【獣医師解説】

□ 喜ぶ散歩:「作業的なお散歩はやめて! 愛犬が喜ぶお散歩とは

□ 雨の日の散歩:「雨の日の犬のお散歩、どうしてますか?

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★うちの子の長生きのために、気になる病気について簡単に調べることができる、「うちの子おうちの医療事典」もご活用ください。

 

 

▼「うちの子おうちの医療事典」で子犬が注意すべき傷病を調べてみましょう

□ 子犬に多い傷病

□ 低血糖症

□ 水頭症

□ 骨折

□ 回虫症

□ ジアルジア症

□ コクシジウム症

□ ケンネルコフ

□ 犬パルボウイルス感染症

 

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