赤ちゃんと仲良くする犬

赤ちゃんが生まれて家族が増える……とても嬉しく、ハッピーなお気持ちでしょう。ですが、犬を飼われている場合には、喜びとともに不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

犬も赤ちゃんも大切な家族の一員ですが、赤ちゃんと犬の同居を考えるうえでは、注意しなければいけないポイントももちろんあります。

 

犬のしつけができていることが大前提

犬は群れで生活する生き物

犬は、基本的に群れで生活する動物です。人間に飼われていても、飼い主さんや家族を自分の群れの一員と認識し、その群れの中での自分の序列を考えながら生活しています。赤ちゃんが生まれる際には、飼い主さんが犬に対して

「赤ちゃんは群れの一員であり、犬よりも上位の存在である」ことをわからせる

よう、ふるまう必要があります。

犬が、自身が赤ちゃんよりも上位であると誤って認識している場合には、群れにとって足手まといになりかねない弱い赤ちゃんを、排除しようと行動する可能性があります。不幸な事故を防ぐためにも、赤ちゃんを迎える前に、

犬に対してきちんとしたしつけをしておくことは大前提

となります。

 

何に気をつけるべき?

犬と赤ちゃんが安心して仲良く同居するためにはまず、犬のしつけや飼育環境の維持管理、飼い主さんとの信頼関係の構築などが正しく行われていることが大前提となります。

  • 飼い主さんとの信頼関係が十分に築けているか

  • トイレトレーニングは十分か

  • 人をベロベロ舐めることを許してはいないか

  • 犬の衛生管理、健康管理を十分に行っているか

  • 犬の飼育環境を清潔に保てているか

上記のように、犬の衛生面や体調面、精神面に至るまで、細かく確認していくことが重要です。

犬が赤ちゃんにおよぼす影響としては「アレルギー」「感染症」「衛生面」「安全面」などが、赤ちゃんが犬にもたらす影響としては「犬のストレス」などが挙げられます。以下では具体的に見ていきましょう。

 

具体的に注意すべきこと

アレルギー

アレルギーは、体に入り込んだ異物を排除しようとする免疫機能が、食べ物やホコリなどさまざまな「アレルゲン」に過剰に反応してしまうことで起こる症状です。アレルゲンは犬の毛やふけ、よだれや尿などにも含まれており、アレルギー反応が起こるとかゆみやくしゃみ鼻水、喘息などの症状が現れます。

アレルギーの発症を防ぐために、室内を常に清潔に保ち、犬のシャンプーブラッシングなど、ケアをきちんと行い、可能な限りアレルゲンを排除する努力をしましょう。空気清浄機の使用もおすすめです。また、赤ちゃんと同じ部屋で犬を飼育しないこと、とくに寝室を別にすることも有効です。

 

感染症

赤ちゃんは大人に比べ抵抗力も弱く、犬の持っている感染症にかかるリスクも高まります。犬から人にうつる人獣共通感染症としては、狂犬病、ブルセラ症、サルモネラ症、皮膚糸状菌症ノミアレルギー、エキノコックスなどが知られています。

これらは主として

犬と接触したり、傷口や口を舐められたりすることで感染

します。基本的に、犬と赤ちゃんとの接触を避けることで予防できます。もちろん犬に対する、これら感染症の予防接種定期検診は必須です。

 

衛生面

アレルギーや感染症の発症には至らないまでも、

赤ちゃんが犬のトイレやえさ皿、吐瀉物などを舐めたりする事故

も起こりえます。これらを防ぐために、トイレに赤ちゃんが近づけないようにし、えさ皿や汚物などはまめに片付ける習慣をつけましょう。

とくにハイハイの時期や、何でも口に入れて確認したがる時期には、

動物の抜け毛を口に入れたり、素手で汚物を触る

ことがありますので、注意が必要です。

 

安全面

床に布団を敷き赤ちゃんを寝かせていると、犬がそこへ飛び乗ってしまう危険がありますので、

赤ちゃんはベビーベッドに寝かせましょう。

抜け毛やほこりなどを吸い込んでしまうリスクも減ります。

また大型犬や、小型犬でもジャンプ力に優れた犬種がいる場合には、ベッドのまわりにゲートを設けるなどの工夫が必要です。

そのほか、

おとなしい性格の犬であっても、赤ちゃんと犬が一緒にいるときには目を離さない

つねに赤ちゃんの安全を優先するなどの心構えを持ちましょう。

 

犬のストレス

赤ちゃんが生まれることが、犬にとってのストレスとなる場合もあります。

犬が、いままで飼い主さんの愛情を独占していた、いちばんかわいがられていたと考えている場合には、新たに現れた赤ちゃんという存在に対して嫉妬するケースがあります。この場合、赤ちゃんにちょっかいを出すほか、ストレスから無駄吠えや無駄噛み、粗相などの異常行動を起こすことがあります。

これらの異常行動が見られた場合には、犬とのスキンシップを心がけ、遊んだり散歩に出かけたりと、赤ちゃんに負けずに犬にも愛情を持っていることを積極的に示すようにしましょう。

また、赤ちゃんの出産前に犬をよそに預けることは、やめたほうが良さそうです。家に戻ったときに突然、赤ちゃんが「家族の主役」になっていることは混乱を招き、犬にとっては大きな負担となります。あくまでも犬のいる家に赤ちゃんを迎えるようにしましょう。その際には犬に対して、新たな家族である赤ちゃんを紹介し、赤ちゃんと犬とが一緒にいる時間を徐々に増やしていきます。

犬が赤ちゃんに興味を持ち近づいていっても、すぐに叱ってはいけません。強く叱ることで「赤ちゃんと親しくすることはいけないことなんだ」と思わせてしまいますし、犬の行動範囲を制限したり我慢を強いることで、犬はそれをすべて赤ちゃんのせいだと思い込んでしまう可能性があります。その結果、赤ちゃんに敵対心を持ったり、攻撃的になる恐れがあるのです。

 

犬との同居にはこんな効果があります

ここまで、犬と赤ちゃんの同居の際の注意点を、駆け足で見てきました。それでは、同居のメリットにはどんなものがあるでしょうか。

赤ちゃんは犬と暮らすことで、風邪や感染症、喘息などにかかりにくくなるなど、免疫力が向上するという研究データがあるようです。また犬による癒しの効果や、精神面での支えとなってくれること、老いや生死を間近で体験することによる情操面に与える影響など、子どもにとってさまざまなメリットをもたらしてくれます。

ともすれば赤ちゃんと犬の同居は、デメリットばかりに目がいき、心配が先に立ってしまいがちです。ですが、赤ちゃんと犬とがいる暮らしはなにものにも代え難い、充実したものとなるはずです。上手に共存し、みんながハッピーになれる道筋を見いだしたいものですね。

 

 

犬の「気持ち」や、「しつけ」、「ストレス」に関する獣医師監修記事

愛犬との絆を、もっと、ずっと深めていくための記事をあわせてご覧ください。

 

<犬の気持ち>

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<犬のしつけ>

■ 子犬:子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、本当に大丈夫?

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<犬のストレス>

 犬の「ストレスサイン」とは?どんな行動をするの?

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 犬が自分のしっぽを追いかけるのはなぜ?

 

 

愛犬の行動から、病気の可能性を調べてみる「うちの子おうちの医療事典」

「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、犬種など、かかりやすい病気や、症状や病名で調べることができる「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。 

うちの子おうちの医療事典

例えば、愛犬の「行動」から、考えられる病気を調べることもできます。健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

■ 足をあげる

■ 歩かない

■ 頭を振っている

■ ふらつく

■ ぐるぐる回る

■ 遠吠えをする

■ 性格が変わる

 

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アイペット獣医師

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