犬疥癬症(イヌカイセンショウ)、犬ヒゼンダニ症、などともいいます。犬穿孔ヒゼンダニ(イヌセンコウヒゼンダニ)というダニが原因で起こる寄生虫性皮膚疾患です。このダニは皮膚の角質層にトンネルを掘り、その中で産卵したり排便したりするため強烈な痒みを伴います。また、人にも感染するおそれのある人獣共通感染症です。

こんな症状が出たら気をつけて

痒み、脱毛、赤み、ポツポツとかさぶたができるなど。とくに、耳、肘、膝、お腹などに見られます。感染してから2~6週程で症状が出始めます。重篤な場合では全身が脱毛やかさぶたで覆われ強烈な痒みが起こります。稀ですが、ほとんど痒みを示さないケースも報告されています。

診療方法

アトピー、食物アレルギー、接触性皮膚炎、マラセチア皮膚炎、ツメダニ症などととてもよく似た症状を起こすため、これらの鑑別診断が必要となります。皮膚病変を特別な検査器具で削り顕微鏡でヒゼンダニを見つけますが、とても小さなダニであるため、この検査が成功しないことも多くあります。運良くヒゼンダニが見つかったり、見つけられなくてもヒゼンダニ寄生の可能性が高いと判断されたときには、殺ダニ剤の投薬で治療をしますが、治療の反応が得られるまで1か月ほど必要なこともあります。

予防方法

ヒゼンダニに寄生されている犬との接触によりうつります。多頭飼育の場合では感染犬は隔離して接触させないようにしましょう。予防的に治療を行う場合もあります。なお、万が一飼い主に感染した場合、症状は一過性で自然に治ることがほとんどですが、症状が長引くようであれば、念のため人の皮膚科を受診してください。

 

☞さらに詳しくは、『うちの子おうちの医療事典』~疥癬~もご確認ください。

 

Anicli24院長

三宅 亜希

詳細はこちら

関連記事

related article