お出かけが気持ちよくなる季節ですが、アウトドアで気をつけなければならないのが「虫」の存在。蚊に刺されてかゆい、程度ならまだいいのですが、なかには病気の原因になったり、傷が膿んでしまって大変なことになったりしかねない虫もいます。ここでは、とくに気を付けたい虫と対策方法をご紹介しましょう。
ヤブ蚊
なんといっても気をつけなければならないのが「蚊」です。蚊は、放置すると死に至るフィラリア症を媒介する生き物。必ず予防をしなければなりません。予防薬の投与スケジュールや投与期間に決まりがありますので、必ず獣医師に相談の上、投与しなくてはなりません。室内飼いであっても、蚊にさされることはありますので、犬を飼育する上では必ず予防をしておかなければならないものです。
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マダニ
犬にとって大敵となる虫としてよく知られているマダニは、5月~9月の季節がもっとも危険です。暑い気候を好むため、10月以降はやや活動が鈍ってくるものの、水辺や深い草むら、森林など、マダニの生息地である場所は要注意です。
マダニは、犬の身体に口器と呼ばれる器官を突き刺して吸血します。その際、セメントのような物質を出して犬の皮膚と一体化してしまうので、いちど食いつかれたら容易には取れません。さらに、犬バペシア症など恐ろしい病気を媒介しますから、対策を怠ってはいけません。
マダニに刺される被害を防ぐには、生息地を避けて行動するしかありませんし、いつの間にか刺されてしまうこともよくあります。刺されるものだと思って、普段からダニ・ノミ駆虫薬を欠かさず投与しておきましょう。また、散歩やアウトドア遊びの後は、犬の身体をブラッシングしながら、マダニがいないかどうかを確認しましょう。口や目、耳の周り、足の裏、肛門周辺、お腹などが要注意ポイントです。
すでに吸血しているマダニを見つけた場合は、あわててもぎ取ってはいけません。口器がもげてしまうと処置が大変ですし、マダニの体内にいるバペシア原虫などが犬の身体に侵入する危険もあります。獣医師に取ってもらいましょう。
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ブユ、アブ
都会暮らしの飼い主さんでは馴染みがないかもしれませんが、犬が遊んでいる間にアブやブユに刺されたという話は、そう珍しいものではありません。ただ問題は、刺された跡の状態が悪化することがある点です。犬の皮膚は人間より薄いため、刺された跡が炎症を起こすことがよくありますし、手などを刺されると、犬は傷を気にしてガブガブ噛んでしまいますから、傷がなかなか治らないこともあります。
対策はやはり、獣医師の診療と治療です。場合によっては、傷を悪化させないようエリザベスカラーをつけることもあります。
ハチ
草むらに顔を突っこむことも多い犬は、ハチを驚かせて刺されることがあります。ミツバチ程度ならまだいいのですが、スズメバチに刺されると大変。痛みはもちろんのこと、アナフィラキシーショックを起こすことがあるからです。
長毛種の犬は、被毛にハチが止まっても皮膚まで針を突き刺すまでには至らないこともあります。しかし、鼻先や顔の周辺はそうもいきません。とくに、スズメバチは黒いものを狙う習性がありますから、黒い鼻や目は危険です。刺されたらすぐに獣医師の診断を仰ぎましょう。また、黒い犬の場合は、白い服を着せておくと多少なりとも危険が減るかもしれません。
毛虫、ムカデ
森林やじめじめした植栽を歩いているとき、うっかり踏んでしまうと毛虫やムカデにやられることがあります。湿った場所には立ち入らないほうがいいでしょう。肉球やその周りは、皮膚がむき出しになっていることが多いため、どうしても咬まれたり刺されたりしやすいものです。これも、咬まれたらすぐに獣医師へ。
これから色々な場所にお出かけをされる飼い主さんも増えるでしょう。気温への注意だけでなく、虫にも気をつけなければなりません。愛犬と一緒にお出かけするときは、自身だけでなく愛犬の防虫対策も意識したいものですね。
★犬種や季節、年齢など、うちの子がかかりやすい病気を調べて予防するため、『うちの子おうちの医療事典』を、ぜひご利用ください。
☞『うちの子おうちの医療事典』で「虫」に関連する病気を調べる
ノミの寄生
マダニの寄生
アナフィラキシーショック
回虫症
フィラリア症(犬糸状虫症)
コクシジウム症
ジアルジア症
トキソプラズマ症
毛包虫症(ニキビダニ症)
耳ダニ
疥癬
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