犬にお留守番を頼んでお出かけしたら、我が家の階段や柱がガリガリに。朝起きてみたらソファーがボロボロに…

そんな、犬のなんでも噛んでしまう行為に思わず目まいがしそうな経験をお持ちの方も多いことでしょう。こんなとき、私たちはつい怒ってしまいがちですが、それはしつけという面ではタブー。

そこで今回は、愛犬に噛まない犬になってもらうためのテクニックをご紹介します!

 

「噛む」のはコミュニケーションの一つ

噛まないようにしつけをするうえでまずはどうして噛むのか?を理解することが非常に大切になります。

 

そもそも、犬は噛む動物。人間のような言葉は話せませんし、2本足で立って手を器用に使うことも、指先で細かな作業をすることもできません。もちろん道具だって使えません。そんな犬が、他の犬や人間とコミュニケーションをとり、自分の意志を伝えようとするなかで、噛むという行為は大切な役割を果たします。

 

つまり犬が何かを噛むときにはちゃんと理由があるのです。その理由を理解しなければ、いくらしつけてもなかなか上手くいくものではありません。

 

どんな理由で噛むの?

犬が物を噛む理由は、大きくふたつに分けられます。

遊びたいから

ぬいぐるみを噛んで振り回したり、ロープを噛んで引っ張り合いをしたり、ボールを追いかけて噛んだり。これらはもともと狩りの本能からきているという話はご存知でしょう。食欲をそそる味や香りがするチューイングトイに熱中するなども、遊びの範疇と考えていいでしょう。

 

ストレスを紛らわすため

遊ぶため、とかぶってくる部分もありますが、お留守番中の犬が家具などをかじってしまうのは、こちらが主な原因。古くから群れで生活してきた犬は、ひとりぼっちを好みません。お留守番などで家に取り残されると、噛むことで不安や恐怖を紛らわせようとします

 

運動不足も大きなストレスになります。犬は運動をしたいという本能を持っていますから、運動時間と運動強度が足りていないと、エネルギーが有り余ってしまい、噛むというはけ口を求めてしまいます。また、歯が生え替わる時期の子犬は、歯がムズムズするため物を噛みたい欲求が強くなります。

 

噛むのをやめてもらうためには

ストレスの原因をなくす

両者のうち、問題になりやすいのは「ストレスを紛らわすために噛むこと」です。犬のストレスを軽減してあげれば噛む行動も減ってきます。

 

散歩はたっぷり時間を取って、早足で歩くなど運動の強度もしっかり確保しましょう。運動が足りていれば、お留守番中に寝て待つことができますし、ストレスも大きく軽減します。

 

犬の「散歩」に関するワンペディア記事

犬の散歩に関するこちらの記事もあわせてご一読ください。

□ 散歩時間の見極め方:「犬のお散歩、飼い主が心得ておくべきこととは【獣医師解説】

□ 喜ぶ散歩:「作業的なお散歩はやめて! 愛犬が喜ぶお散歩とは

□ 雨の日の散歩:「雨の日の犬のお散歩、どうしてますか?

□ 歩かない犬の散歩「歩かない犬との散歩、どうしたらいいの?

□ シニア犬の散歩:「犬はシニアになってもお散歩が必要? 散歩時間の目安は?

 

次に、夜寝るときやお留守番などで必要以上の不安や恐怖を感じさせてしまうことがないよう、ひとりでいる時間を作るトレーニングをしましょう。犬と飼い主が必要以上にベタベタした関係だと、お留守番ができない犬になってしまいます。

 

少し飼い主さんと離れただけで不安になってしまうのは「分離不安」かもしれません。

詳しくは「極度なお留守番嫌い!犬の分離不安とは【獣医師が解説】」を参考にしてください。

 

噛まれては困る物は置かない

多くの犬はストレスの原因を除去してあげれば、家具などを噛まなくなるものです。しかし、それでも噛んでしまうようなら、床の上など犬が噛みやすいところに、噛まれては困る物を置かないようにしましょう。

 

物は収納箱や押し入れに片付ける、テーブルやソファーの上に物を出しっ放しにしておかない、噛まれては困る物がある場所への立ち入りを柵で制限する、などさまざまな方法があります。どんな物を噛んでしまうのかは、犬によって千差万別ですので、これさえやっておけば安心、という極意はありません。

 

電気のコードやガスホースなど危険な物は、カバーで隠すなどで対処しないと大事故が起こりかねません。家具の脚や柱など、片付けるわけにいかない部分については、金属の板を巻き付けて隠すなどの手段もあります。噛むと苦い味がするスプレーやカバー類も用意されていますので、試してみてもいいかもしれません。ただ、すべての犬に効果があるとは限らないことも理解しておきましょう。

 

犬の気持ちや、しつけに関するワンペディア記事

【犬の気持ち】

■ しっぽ:犬の“しっぽ”で感情を読み取ろう!

■ しぐさ:行動学の専門家が解説!仕草からわかる犬の気持ち

■ 鼻舐め:犬が鼻をペロペロ舐めるのはなぜ?知っておきたい犬の習性と病気のサインとは?

■ 見つめる:じーっと見つめてくるときの犬の気持ちは?

■ 好き嫌い:愛犬の好きなこと、苦手なこと、きちんと把握できていますか?

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■ 威嚇:犬が威嚇をしてくるのはなぜ?

■ 順位付け:多頭飼いでは犬の順位付けに気をつけて!

■ 転移行動:犬が自分のしっぽを追いかけるのはなぜ? 

■ ストレスサイン:犬のストレスサインとは?どんな行動をするの?

 

【犬のしつけ】

■ 子犬:子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、本当に大丈夫?
■ アイコンタクト:全てのしつけに必要!愛犬とのアイコンタクト

■ おすわり:ドッグトレーナーが解説!「おすわり」の教え方

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■ 離せ(ちょうだい):愛犬の身を守る、「はなせ」の教え方

■ 拾い食い:拾い食いをさせないためのトレーニング

■ 咬み:噛む犬のしつけ方

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■ 要求吠え:要求吠えの原因は飼い主が甘やかすこと

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■ クレート:クレートを好きになってもらってお留守番上手に

■ ハウス:犬とのお出かけ前に!ハウストレーニング

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■ 散歩:お散歩中、お行儀よく隣を歩いてもらうために

■ リーダー:怖いボスと頼れるリーダーの違い

■ドッグカフェ:ドッグカフェでいい子にしてもらうためのしつけ

■ 失敗談:みんなのしつけ失敗談。先輩の失敗から学ぼう!

 

 

 ★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

 

 

例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状面】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつるか】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

★「うちの子おうちの医療事典」で子犬が注意すべき傷病を調べてみましょう

□ 子犬に多い傷病

□ 低血糖症

□ 水頭症

□ 骨折

□ 回虫症

□ ジアルジア症

□ コクシジウム症

□ ケンネルコフ

□ 犬パルボウイルス感染症

 

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アイペット獣医師

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