パグは鼻がぶちゃっとつぶれた「ブサ顔」の小型犬。愛くるしいだけじゃない、ユニークなこの顔は他の小型犬とは違った親しみやすさがありますよね。パグはラテン語で「にぎりこぶし」という意味で、くしゃっとにぎりこぶしをつくったときのような顔をしていることから、この名前が付けられたそうです。

パグのパラメーター

パグの飼いやすさ

お留守番耐性 ★★★★☆
しつけやすさ ★★★☆☆
必要な運動量 ★★★☆☆
抜け毛の多さ ★★★★☆
必要なブラッシング量 ★★★☆☆

パグの性格

人への人なつっこさ ★★★★☆
他の犬への友好度 ★★★☆☆

パグの性格

ブルドッグに似た顔をしていますが、決して攻撃性はなく、陽気でわんぱくな性格をしています。鼻が短くシワの多い顔をしているため、人のように表情が豊かで、時には顔をしかめたり、ブーブーと鼻を鳴らしてコミュニケーションをはかることもあります。なお、独立心が高く頑固でわがままな一面があるため、甘やかしすぎるのはやめましょう。特に、子犬の頃にかわいいからといってわがままを聞いてしまうと、成犬になってから直すことが困難になってしまいます。たとえば食事では、おやつや人間の食事をたくさん与えていると、普段与えているドッグフードなどを食べなくなる恐れがあります。ですが、きちんと威厳をもって根気よく接してあげれば、聞き分けのよい理想的なパートナーになることでしょう。

パグの歴史とルーツ

意外にも、顔の似ているブルドッグとは歴史の長さも、原産国も異なるようです。ブルドッグは13世紀のイギリスが始まりなのに対し、パグははるか昔の紀元前400年以前の中国が始まりといわれています。ルーツとなった犬については諸説あり、中国の犬特有の短頭種だとも、闘犬マスティフともいわれています。そのため、ブルドッグと全く起源が異なるかどうかは定かではありません。パグは、アジアのチベットで仏教僧にペットとしてかわいがられ、次第に小型化されてできた犬だと言われています。その後、東インド会社の船乗りと一緒にオランダへ渡ると、ヨーロッパでも人気を集めることとなりました。オランダでは1572年、ウィリアム王子にスペインの侵略者の接近を警告し、王子の命を救ったために王家公認の犬となりました。1790年ごろのフランスでは、ナポレオンの妻ジョゼフィーヌからの寵愛を受けていたそうです。19世紀にはアメリカに輸入され、1885年にアメリカケネルクラブに登録されました。

パグを飼うときに気をつけたいこと

パグは短頭種のため、吠えることはあまりなく、あって吠えたとしてももそれほど音量が目立ちません。その代わり、寝ているときにブーブーといびきをかくことがあります。そこが人間のようで魅力的な点ではあるのですが、「夜は気になってしまい、とても同じ部屋では寝られない」、ということもあるので、「犬と一緒に寝たい!」と考えている方はそれを理解しておきましょう。またパグは陽気な性格ですが、落ち着いた一面もあり、さみしがり屋でもないためお留守番はそれほど苦手ではありません。 また、パグは特に暑さ・寒さには注意する必要があります。暑さに弱いのは脂肪が多いことと気道が狭く熱を発散しにくいため、寒さに弱いのは被毛が短くボリュームが少ないためです。エアコンなどの設備が整った環境で飼育してあげましょう。

ワンペディア関連記事☞「暑すぎ?寒すぎ?犬のサインから読み解く最適な室温【獣医師が解説】」

 

パグの成長

パグは小型犬ですので、マンションなどでも十分に飼育が可能です。ですが、肥満になりやすいので、お部屋でもある程度動き回れる広さであることが望ましいでしょう。目安としては成犬時に体高がオス・メスともに25‐28cm、体重がオス・メスともに6‐8kgほどです。肥満については、「愛犬の肥満、放置しておくと大変なことに!【獣医師が解説】」をご覧ください。

 

パグとお散歩

上述のように、パグは肉厚で脂肪のつきやすい体をしているため、適正な体型を維持できる程度の運動量が必要です。また頑固で独立心の強くなりがちな性格ですから、社会性を身につけさせるためにも、毎日お散歩に行ってあげましょう。目安としては朝夕2回、各20‐30分程度で十分でしょう。ただ、パグは温度にデリケートなので特に暑い時間や寒い時間は避けてください。

 

●『お散歩』に関するワンペディア記事は、こちらをご覧ください。

■ 散歩時間の見極め方:犬のお散歩、飼い主が心得ておくべきこととは【獣医師が解説】

■ 喜ぶ散歩:作業的なお散歩はやめて! 愛犬が喜ぶお散歩とは

■ 雨の日:雨の日の犬のお散歩、どうしてますか?

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■ シニア犬:犬はシニアになってもお散歩が必要? 散歩時間の目安は?

 

 

パグの毛の色

パグの毛色は以下の通りです。フォーンは耳や鼻周りが黒く、また後頭部から尻尾にかけて暗色のライン(トレースという)がみられます。

フォーン 代表的なパグの色で、背中が濃くなっているトレースがみられる。

フォーン
代表的なパグの色で、背中が濃くなっているトレースがみられる。

アプリコット・フォーン フォーンよりも茶色が濃い。

アプリコット・フォーン
フォーンよりも茶色が濃い。

ブラック 全身が黒色。

ブラック
全身が黒色。

シルバー 珍しい。一部の毛が黒いものから、全身がホワイトやシルバーのものまで

シルバー
珍しい。一部の毛が黒いものから、全身がホワイトやシルバーのものまで

パグの毛のお手入れ

パグはコートが全体的に短く、硬くまっすぐな上毛と、比較的柔らかい下毛のダブルコートです。パグは季節の変わり目などに、このうちの下毛が生え換わる換毛期があり、換毛期には抜け毛がみられます。なお、室温の整った環境で飼育されることが多いため、比較的つねに毛が抜け続ける傾向にあるようです。そのため毎日、目の粗いゴム製のブラシなどでブラッシングをしてあげることが望ましいでしょう。また、毛のお手入れと並行して、パグでは顔周りのシワ部分や、耳のお手入れも重要です。ほうっておくと汚れが溜まったり臭いが目立ったり、さらには皮膚炎の元にもなる場合があります。できれば毎日、濡れたタオルやガーゼを使ってシワ部分や耳をふき取ってあげましょう。

 

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パグのからだつき

くるくるのしっぽ!

くるくるのしっぽ!

最大の特徴である頭部は大きく、鼻の周りと額の部分には深いシワが寄っています。体長の短さに比べて四肢は長く、後肢の筋がよく発達しています。目は茶や黒の暗色で、耳は頭の前方に倒れた三角形のボタン・イヤーがほとんどですが、バラの花のように後方にねじれたボタン・イヤーの犬もいるようです。ちなみに、パグはその特徴的な顔が注目されがちですが、小さくクルンと巻いた尻尾もとても魅力的です。

 

パグと生活する上で気をつけたいこと

温度管理、しつけ、運動、どれもまんべんなく注意が必要な犬種ではありますが、特にパグ特有の注意点をあげるとすれば、汚れの溜まりやすいシワの部分をはじめとして、皮膚を清潔に保ってあげることが重要です。「毛のお手入れ」でも述べたように、毎日ガーゼなどでシワ部分や耳のお手入れをしてあげる必要があります。これを怠ってしまうと、パグ臭と呼ばれる特有の臭いが目立ったり、カビや病気につながる恐れもあります。比較的注意点の多いパグですが、顔のお手入れが大事であったり、表情が豊かで、寝るときにいびきをかいたり、なにかと人間にそっくりで愛着がわくこと請け合いです。ワンペディア関連記事「【獣医師監修】犬の耳が臭い!耳垢で汚れている!すごく痒がる!そんなとき考えられる病気や症状とは?」もご覧ください。

 

 

パグで気を付けたい病気

下線の傷病名をクリックすると『うちの子おうちの医療事典』で詳しい解説があります。

股関節形成不全

熱中症

皮膚疾患

肥満細胞腫

口蓋裂

先天性の口蓋裂や歩き方に影響の出る股関節形成不全などの病気がありますが、特に呼吸器系の病気には気をつけてください。つぶれた顔からもわかるように、この犬種は鼻腔が狭く呼吸がしにくい特性がありますので、呼吸器系の病気が重症化するかもしれません。涙が多いなと思われた時も注意してください。熱中症皮膚疾患は、特にご家庭で気をつけるべき病気といえます。暑さ対策、顔周りのお手入れを徹底して行うことが大切です。

*ワンペディア関連記事☞「犬の股関節形成不全【獣医師が解説】

 

●『熱中症』に関するワンペディア関連記事は、こちら。

■ 予防法:熱中症は命を落とす危険も!犬の熱中症対策や予防法とは?

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■ 調査結果:愛犬・愛猫の熱中症対策どうしてますか?

 

公式データ

JKC分類 9G 愛玩犬 家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬

AKC分類

トイ・グループ

原産国

中国

体高

オス・メスともに25‐28cm

体重

オス・メスともに6‐8kg

 

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パグの特徴

パグの飼育のポイント

パグのかかりやすい病気・ケガ

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