犬が人と一緒に生きていくためには、おすわりやまてといった基本的なしつけから、トイレトレーニングや無駄吠えのような問題行動の改善など、さまざまなしつけが必要です。これは、飼い主さんのためであると同時に、人間社会でわんちゃんが安全に暮らしていくために必要なトレーニングでもあります。しかし、中には一生懸命がんばったしつけが逆効果になることも。
ここでは先輩飼い主さんたちの失敗談をご紹介します。ぜひ、しつけやトレーニングをする前に読んでみてください。
使い古した日用品をおもちゃにした結果…
うちの子はとにかく破壊力がすごくて、新しいおもちゃを買ってきても長くて1週間、早いと3時間ほどで見る影もないほどボロボロに。その都度買い与えてはお金がかかりすぎると、使い古しのタオルや靴下などをあげてみたところ、家族の匂いがついているためか、おもちゃよりも大興奮。気に入ってくれたのならと与え続けていると、ある日綺麗なタオルや靴下までもがボロボロに!その日を境に、家中の布という布が破壊されていきました(泣)。
人間の子どもと同じように怒ったら
初めて犬を飼うことになり、迎える前からドキドキワクワク。楽しい愛犬ライフを想像していたのですが、実際は吠える!暴れる!壊す!の連続でもうクタクタ。自分の子はそんなに手がかからず、初めて育児?で悩むことになりました。もちろん、自分の子も悪いことをすることがあります。その時、私は無意識に子どもの名前を怒鳴っていたようで、愛犬にも同じことをしていました。すると、段々大人しくなってはいったのですが、怒鳴らなくても自分の名前を呼ばれる度に震えるように。怯えた目で私を見て、ソファや机の後ろなど物陰に隠れてしまうようになりました。獣医さんに相談したところ、「絶対に名前で叱らないでください。名前と恐怖体験がイコールになってしまって、自分の名前が嫌いになってしまいますから」と。それからは、叱る時は「コラッ」と低い声で言い、その後無視するようにしました。犬は無視されるのがとても嫌いだそうで、これをしたら無視されるからやめようと思うそうです。そして、名前を呼ぶ時は常に笑顔で!今はすっかり問題行動もなくない、名前を呼んだらしっぽをフリフリ、飛んで来てくれます。
トイレトレーニングで消えたウンチ
室内飼いだったため、愛犬がうちにきた日からトイレトレーニングを始めました。失敗をしても最初は微笑ましく見守っていたのですが、半月経ち、1ヵ月経ち、全然覚えてくれないことにイライラ。トイレでちゃんとした時は思いっきり褒めてあげていたのですが、3回に2回はトイレのそば、または全く関係のないところでするので、褒める時と叱る時の差をつけた方がよいと思い、失敗した時には怒鳴るようになりました。すると、失敗しない日がとうとう来ました。家族で喜んでいたのも束の間、トイレの回数が少なくない?という話に。もしかして膀胱炎!?と大慌てで獣医さんのところに行くと、おしっこもウンチも溜まっていませんよとのこと。そして「トレーニングできつく叱っていませんか?もしかしたら怒られるのが嫌で隠れてしているのかもしれないので、探してみてください」と言われました。
家に帰って調べてみると、普段気にもとめないソファの裏側に大量のおしっこが…。ある意味一安心していたのですが、今度は別の問題が出てきました。ウンチがないんです。どこにも。訳が分からず獣医さんに連絡したところ「食糞症かもしれませんね。ウンチをすること自体が叱られる行為と勘違いして証拠を隠そうと食べてしまっているのかもしれません」と言われました。なんだか、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、涙が止まりませんでした。それからは、粗相をしても責めずトイレでできた時だけ褒めるようにしたら、ちゃんとトイレができるようになりました。
*トイレトレーニングについては、『トイレトレーニング、失敗しても大丈夫!【獣医師が解説!】』で詳しく解説しています。
芸のつもりが、無駄吠えの原因に
お友達の飼っているわんちゃんたちが色々芸ができるので、うちの子もと思い「ワン」と1回吠えたらおやつを1つ、食事の前は「ワンワン」と2回吠えたら食べてよし、という芸を教えました。お友達にも「凄いね~!」と褒められ鼻高々な気分だったのですが、ある朝無駄吠えしないうちの子が「ワンワン」「ワンワン」と吠えているので見に行くと、ごはん皿の前でお座りして吠え続けているんです。それからというもの、ごはんの時間が近づくと「ワンワン」、おやつの時間には「ワン」を繰り返すようになり、芸ではなくただの無駄吠えになりました。
*無駄吠えのトレーニングについては、『犬の無駄吠えのしつけ方<原因別に解説>』をご覧下さい。
犬の気持ちを大切にしすぎて
昔から、人間の思い通りに犬をしつけることに疑問を持っていた私。もし自分が犬を飼うなら、犬の気持ちを尊重してできるだけ野生に近い飼い方をしてあげようと思っていました。ご縁があって大型犬を子犬から飼うことになり、お散歩のときも横にぴったり伴走などさせず気ままにさせてあげていました。最初のうちは良かったのですが、だんだん大きくなってくると急に走り出すことが多くなってきました。制止しようとしても、力が強く引っ張られる始末。
そしてついに、散歩中に転び骨折…。その際リードを放してしまい、大きな公園の中だったので幸い愛犬に怪我はありませんでしたが、あれが普通の道だったらと思うと。人間社会で犬が一緒に生きていくためには、正しいしつけは必要なんだと実感した出来事でした。
*お散歩に必要なしつけについては、『犬のお散歩、飼い主が心得ておくべきこととは【獣医師が解説!】』をご覧下さい。
犬を育てることは育児と一緒で、こちらの思った通りにはなかなかいかないもの。言葉が通じない分、愛犬に気持ちを伝えるのは難しいですよね。一番大切なことは「あせらない」ことです。焦ってイライラしてしまったり、怒ってしまったりすると、トレーニングどころかひどくなってしまうことも。愛犬の成長を楽しむくらいの感覚で見守ってあげましょう。
ワンペディア編集部ではみんなのエピソードを大募集!
これらの体験談の中には、愛犬を良い子に育てるためのヒントが隠されているかもしれません。愛犬とのエピソードがあったら、ぜひワンペディア編集部までお寄せください。
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「犬の気持ち」と「しつけ」に関する記事はこちらをご覧ください。
<犬の気持ち>
■しっぽ:犬の“しっぽ”で感情を読み取ろう!
■見つめる:じーっと見つめてくるときの犬の気持ちは?
■鼻舐め:犬が鼻をペロペロ舐めるのはなぜ?
■威嚇:犬が威嚇をしてくるのはなぜ?
■順位付け:多頭飼いでは犬の順位付けに気をつけて!
■好き嫌い:愛犬の好きなこと、苦手なこと、
■転移行動:犬が自分のしっぽを追いかけるのはなぜ?
■ストレスサイン:犬のストレスサインとは?
<犬のしつけ>
■ アイコンタクト:全てのしつけに必要!愛犬とのアイコンタクト
■ 失敗談:みんなのしつけ失敗談。先輩の失敗から学ぼう!
■ 子犬:子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、
■ドッグカフェ:ドッグカフェでいい子にしてもらうためのしつけ
■ おいで:呼んだら来てくれる「おいで」のしつけ
■ 待て:犬のしつけ「待て」はとっても重要!
■ 咬み:噛む犬のしつけ方
■ 吠え:犬の無駄吠えのしつけ方 <原因別に解説>
■ クレート:クレートを好きになってもらってお留守番上手に
■ リーダー:怖いボスと頼れるリーダーの違い
愛犬の行動から、病気の可能性を調べてみる『うちの子おうちの医療事典』
「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、犬種など、
例えば、愛犬の「行動」
■ 足をあげる
■ 歩かない
■ 頭を振っている
■ ふらつく
■ ぐるぐる回る
■ 遠吠えをする
■ 性格が変わる