子犬を迎えて社会化期のトレーニングが落ち着いてきたら、次は愛犬との共同生活を送る上で必要となるトレーニングに取り組んでみましょう。ここでは、愛犬におとなしくしていてもらうために不可欠な「伏せ」のトレーニング方法についてご紹介します。
「伏せ」はしつけの上でとっても大切
「伏せ」ができるとこんなに便利!
写真のように、おなか全体が地面についているのが「伏せ」の姿勢です。「伏せ」のトレーニングというと、みなさんはどのような内容をイメージしましたか?飼い主さんが「伏せ」と言ったときに、すぐに伏せの体勢になることでしょうか?実は、
伏せのトレーニングの本当の目的は「愛犬が長時間待ちやすい姿勢を覚えてもらうことで、『待て』が教えやすくなること」
なのです。
たとえば、ヨーロッパなどでは、デパートの入り口でリードもつけず、「伏せ」をした状態で飼い主さんが買い物を終えて出てくるのをじっと待っている犬や、カフェでお茶をしている飼い主さんのお足元で、じっと「伏せ」をして待っている犬の姿をよく見かけます。
おとなしくしていてほしいときにおとなしくしてくれる、とってもお行儀のいい子に育てられる
犬にとっても楽な姿勢です
基本的に「お座り」は、散歩中向かいから犬が来た時や、犬にごはんをあげる直前など、短い間愛犬を落ち着かせたいときに使うものです。一方「伏せ」は、人がごはんを食べているときなどに長時間落ち着いてほしいときに使います。
伏せている状態は犬が楽にしていられるだけでなく、立ち上がりづらい姿勢でもあるので、より『待て』が教えやすくなるのです。
「待て」とつなげて使う
「伏せ」は「待て」とつなげて使います。「伏せ」の状態で長時間「待て」ができるようになると、先ほど例に挙げた、飼い主さんをおとなしく待っているヨーロッパの犬のような子に育てることができるのです。
欧米の有名な行動学者やトレーナーたちは、
毎日15分ぐらいの「伏せ」「待て」を教えることがしつけには有効
だ、としています。人間社会で暮らしやすくするためには、非常に重要なトレーニングなのです。
「伏せ」のトレーニング
□ 犬に「お座り」をさせた状態から、手におやつを持ち、犬の鼻先に持っていきます。
犬の目線より高い位置におやつをもっていくと立ちあがってしまうので注意
して下さい。
(※この時点では犬は「伏せ」と言う言葉の意味を理解していませんから、まだ言葉は使いません。)
□ おやつをゆっくり下に下げます。
おやつは、座った状態でかじれる高さから、徐々に真下に下げて
いきましょう。
□ 犬がおやつを追ってひじが地面につくように誘導してください。
犬がお腹を地面につけて「伏せ」の姿勢になったらその姿勢をキープさせたままおやつを与えます。
□ 何度も繰り返す
上記を何回も繰り返して、
おやつが無くても手の動きだけで「お座り」から「伏せ」の動きができるようにします。
□「伏せ」と言葉をかけてから手の動きで「伏せ」をさせる
おやつがない状態で、
手の動きだけでいつでもどこでも「伏せ」ができるようになったら、「伏せ」という言葉を使いましょう。
「伏せ」と言ってから手の動きで伏せをさせます。
できたらおやつを与えてしっかり褒めてあげて下さい。
徐々に手の動きを小さくしていき、「伏せ」という言葉だけでできるように、繰り返し練習をしましょう。
□ 慣れてきたら
言葉だけでできるようになったら、
いつでもどこでもできるように、色々な場所で練習
してみましょう。このとき、
おやつは与えたり与えなかったりとランダムに
すると、より覚えやすくなります。
「伏せ」ができるようになったら、次は「待て」のトレーニングですね。「伏せ」も「待て」も、どちらも根気のいるトレーニングのため、難易度はやや高めですが、ここでできるようになっておけば、どこにでも連れて行っても困らない子になります。ぜひ、がんばってトライしてみてくださいね!「待て」のトレーニングについては、『犬のしつけ「まて」はとっても重要!トレーニングの方法は?』をご覧下さい!
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