アイペット損保では、犬・猫を飼育している、もしくは飼育経験のある1,000名を対象に、人とペットの絆に関するアンケート調査を実施しました。そのうちワンペディアでは、犬を飼育している、もしくは飼育経験のある728名の調査結果をご紹介していきます。
【調査概要】
調査対象:犬・猫を飼育している、もしくは飼育経験のある方
調査人数:男女1,000名
調査期間:2023年1月20日~21日
調査方法:インターネットによるアンケートを実施
「絆」ってなに?
きずな【絆】とは、もともと馬・犬・鷹など動物をつなぎとめる「綱」に由来し、転じて断とうにも断ち切れない結びつき、断つにしのびない恩愛、離れがたい情、ほだし(人の心や行動の自由を縛るもの)と複数の国語辞典で解説されています。
「絆」は人によってとらえ方もさまざまですが、調査結果によると、うちの子との絆を深めるため、多くの飼い主さんがコミュニケーションの工夫をしている様子が窺えました。
愛犬との結びつきについて、他の飼い主さんがどのような考えや希望を持たれて日々接しているのか、ご自身が実践されていることと比べてみるのも面白いかもしれません。愛犬との日々を見つめ直すきっかけに、お役立てください。
「絆」を感じることは「幸せ」なこと
「これまでに、大切な存在(家族、友人、ペットなど)と絆(=心の結びつき、つながり)を感じたことはありますか?」との質問では、87%の犬の飼い主さんが感じたことがあると回答され、続いて「絆を感じることは、自身にとって幸せなことだと思いますか?」との質問では、99%の犬の飼い主さんが「幸せなこと」と回答されました。この結果は犬猫の飼い主さん共通で、大切な存在(家族や友人、ペット)との「絆」は、自身に「幸せ」をもたらすと捉えられています。
ペットとの「絆」を感じる方は犬86%、猫78%
愛犬との絆を感じるとの答えが約9割に上り、ネコちゃんの飼い主さんよりやや高くなりました。その一方で、「まだよくわからない」「なつかれない」「吠えられる」という愛犬との関係を築き始めの方や、「癒しを感じるが絆まで感じない」「絆とは違う感覚だから」「日ごろから当然と思っているから」という関係性、「本心はわからない」「人間の一方的な考えだと思う」との客観的な考え方から、感じないとの回答が見られました。
愛犬との「絆」を感じるのは「寄り添っているとき」
「どのようなときにペットとの絆(つながり)を感じるか教えてください。(複数回答)」との質問では、犬の飼い主さんは「寄り添っているとき」(53%)、「意思疎通が図れていると感じるとき」(28%)「必要とされていると感じるとき」(27%)「一緒になにかをしているとき」(25%)と続きました。
同じ質問を「大切な人」との「絆」で伺ったところ「気にかけてくれていると感じられるとき」が1位(53%)で、ペットと人との違いが顕著に出た項目でした。一方、差が出なかった項目は、「意思疎通が図れていると感じるとき」(29%)で、「ペット」にも「大切な人」に対しても、「絆」の感じ方は同じようです。
愛犬との「絆」を深めるために実践していることは「スキンシップ」
「ペットとご自身との絆を深めるために、実践されていることはありますか?(複数回答)」との質問では、「なでる、さわるなどスキンシップをとる」(59%)「名前を呼ぶ」(53%)「ほめる」(48%)「笑顔で接する」(41%)「抱き上げる、抱きしめる」(39%)「遊び相手になる」(39%)と続きました。ネコちゃんの飼い主さんの場合は、スキンシップが圧倒的でしたが、ワンちゃんの場合は「スキンシップ」以外のコミュニケーションも日常的にされて、その積み重ねにより「絆」を深めていると言えそうです。
<獣医師からひとこと>
ブラッシングや歯磨きなどの日常のお手入れも、ワンちゃんとのスキンシップの一つです。ブラッシングは抜け毛や毛玉を減らし、血行を良くして皮膚のバリア機能を高めることができますし、体の異常を発見するきっかけにもなります。歯磨きはワンちゃんに多い歯周病の予防につながります。ワンちゃんに話しかけ、おやつをあげたり褒めたりしながらこのようなお手入れを行うことで、健康を促進しながら絆を深めることができます!
★詳しいブラッシングの仕方はこちら
愛犬のお世話をさらにレベルアップするため、こちらの記事をご
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飼い主さんの働きかけによる愛犬の変化は?
こうした飼い主さんからの働きかけにより「ペットの行動や性格が変化してきた、絆ができてきていると感じることはありますか?」との質問では、90%の方が「はい」と回答され、手ごたえを実感されています。「どのような様子から行動や性格の変化、絆ができていると感じるか教えてください。(複数回答)」との質問では「自ら近くに寄ってくるようになった」(48%)がトップで、「基本動作(まて、おすわり、トイレなど)ができるようになった」(38%)、「信頼関係を感じられるようになった」(33%)と続きました。
一方、手ごたえを実感されていない飼い主さんに「どうすれば行動や性格が変化する、絆ができると思いますか?」との問いでは、「自分からスキンシップをもっととる」「常に一緒にいる」「愛情をもって長く接し続けること」「触れ合いを大事にする」「話しかけること」「愛情を伝える」「大事に育てる」など、飼い主さんからの積極的な働きかけが多く挙げられました。
「絆」を感じる愛犬の様子、1位は「シッポをふっている」
「ペットのどのような様子をみると絆を感じられますか、または絆を感じられると思いますか?(複数回答)」との質問では、1位「シッポをふっている」(59%)2位「お腹をみせる」(52%)3位「走ってこちらにくる」(48%)4位「名前を呼ぶと声や仕草で反応する」(44%)5位「帰宅すると興奮して迎えてくれる」(41%)でした。
<獣医師からひとこと>
可愛いうちの子が嬉しそうにしっぽをブンブン振る姿は、見ているだけで癒されますよね。ただ気を付けたいのは、「しっぽを振っている=喜んでいる」とは限らないということ。基本的にしっぽを小刻みに素早く振っているときは嬉しい!楽しい!という気持ちですが、大きくゆっくり振っているときは不安や警戒心を抱いている可能性もあります。
★しっぽが持つ役割やしっぽの振り方で読み取れる犬の気持ちについては、こちらの記事をご覧ください。
しぐさや様子で「気持ち」がわかること1位「ご飯やおやつ」2位「遊んで」
「以下のようなペットの気持ちを、ペットの仕草や行動で察することはできますか?察することができる仕草や行動をお選びください。(複数回答)」との質問では、71%の飼い主さんが「ご飯やおやつが欲しい」様子がわかり、57%の飼い主さんが「遊んで欲しい」という主張がわかるようです。アピールが地味な子も、はっきり伝えてくる子も性格はさまざまですが、その子ならではのコミュニケーションを飼い主さんが理解している様子が窺えます。
また、「どのような動作や合図でペットの気持ちを理解しますか?(複数回答)」との質問では、最も多かったのが「声、鳴き声」(66%)、次いで「表情」(55%)「アイコンタクト」(54%)「動き方」(53%)との回答でした。
<獣医師からひとこと>
アイコンタクトは単純に目を合わせることではなく、「注目する」という意味を持ち、全てのしつけの基本になると言われています。どんな状況でも飼い主さんとアイコンタクトができれば、しつけがスムーズになるだけではなく、危険な行為をやめさせたり、過度な興奮を落ち着かせたりと、様々な場面でワンちゃんを守ることができます。正しいアイコンタクトを身に付けるためにも、まずはワンちゃんとしっかり信頼関係を築いていきましょう。
★ 詳しくは「全てのしつけに必要!愛犬とのアイコンタクト」をご覧ください。
犬の「気持ち」に関する記事も、あわせてご一読ください。
■ しっぽ:犬の“しっぽ”で感情を読み取ろう!
■ しぐさ:行動学の専門家が解説!仕草からわかる犬の気持ち
■ 鼻舐め:犬が鼻をペロペロ舐めるのはなぜ?知っておきたい犬の習性と病気のサイン
■ 見つめる:じーっと見つめてくるときの犬の気持ちは?
■ 好き嫌い:愛犬の好きなこと、苦手なこと、きちんと把握できていますか?
■ 他の犬:他の犬に会った時、愛犬はなにを考えているの?
■ 威嚇:犬が威嚇をしてくるのはなぜ?
■ 順位付け:多頭飼いでは犬の順位付けに気をつけて!
■ 転移行動:犬が自分のしっぽを追いかけるのはなぜ?
■ ストレスサイン:犬のストレスサインとは?どんな行動をするの?
ペット飼育によるポジティブな影響は?
「ペットの変化していく様子や、絆が強まっていることを感じたことで、自分の性格や行動にもポジティブな影響があったと感じますか?」との質問では、76%の方が「はい」と回答され、続いて「ペットを飼育するようになってから、あなた自身にはどのようなポジティブな影響がありましたか?(複数回答)」との質問では「ストレスが緩和された」(49%)、「家族との会話が増えた」(43%)「ペットを通じて友人、仲間が増えた」(23%)「相手の気持ちを思いやれるようになった」(22%)とのポジティブな影響があったとの回答でした。
愛犬と1番やってみたいことが圧倒的に「会話したい」
「現実では難しいことも含め、もし可能だとしたら、ペットとともに「やってみたい」と思うことを教えてください。(複数回答)」との質問と、「その中で1番してみたいことをひとつ」お尋ねしたところ、圧倒的に「会話したい」という結果になりました。実際に双方向で会話ができると、時には愛犬から耳の痛いことを言われたりするかもしれませんが、うちの子の思いをできるだけ汲みたいという気持ちは、多くの飼い主さん共通の願いのようです。
最後に、大切な存在(家族、友人、ペットなど)との絆(つながり)を感じることは、自身にとって幸せなことかを尋ねたところ、99%が「自身にとって幸せなこと」だと回答しました。これは、ほぼ全ての方が「大切な存在との絆」を「幸せ」だと捉えているとも言えるのではないでしょうか。
新型コロナウイルス流行後、私たちは外出自粛やリモートワークの導入など生活の急激な変化に見舞われました。このような中、ペットを飼育されている方にとっては、自宅で過ごす時間が増えたぶんペットと向き合う時間も増え、ペットの存在に助けられたり、絆を感じる場面も多かったのではないでしょうか。現在、社会は行動制限が緩和されるなど、再び変化を迎えています。今後、なかなか会うことのできなかった大切な人に、気軽に会える機会が増えていく一方で、自宅で過ごす時間が減ると、ペットは環境の変化に戸惑うかもしれません。大切な人との絆も、大切なペットとの絆も、どちらも大事しながら、人とペットお互いにとって居心地の良い新たな生活環境を整えていきましょう。
★うちの子の長生きのために、気になる病気について簡単に調べることができる、「うちの子おうちの医療事典」もご活用ください。
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