Beautiful young woman with her dog playing with ball at home.

時代の流れとともに、室内で犬を飼うことが主流になってきましたね。最近は小型犬だけでなく、大型犬も室内で飼うことが多くなっているように思います。実はこれ、とてもいいことなのです。ここでは、愛犬をおうちの中で育てることのメリットをご紹介します。 

外飼いをするときに注意したいこと 

おうちの外には危険がいっぱい 

外で愛犬を飼うと、室内で飼うよりも病気にかかりやすくなります。夏場は熱中症のリスクが高くなりますし、蚊に刺される機会が増えるので、フィラリアにかかる危険性も高くなります。また、体が汚れてしまうので、肌の弱い子は皮膚病にかかってしまうこともあるでしょう。食事やお水を外で与えていたら、土が混じったり虫が寄ってきたりして、衛生的にもよくありません。 外飼いをしている場合は、室内飼いをしている子以上に、環境に気を使ってあげる必要があります。 

体調の変化に気付きにくい 

犬は自身の感情をよく伝えてくれる生き物です。言葉を話せなくても、愛犬の仕草からその子が何を考えているのか、たいていのことはわかるでしょう。しかし、病気となると話は別。あつくてグターッとしているだけなのか、腹痛でグッタリしているのかは、日ごろからよくよく観察していなければわからないこともあるのです。 

外飼いの場合、どうしても愛犬と触れ合う時間は減ってしまいます。愛犬の病気のサインを見過ごす可能性もありますし、仮にサインを見つけても、病気にかかっていることに気付かない可能性もあります。 

室内飼いで快適に過ごさせてあげて 

自宅でできる健康チェック 

愛犬の居住スペースがおうちの中になると、飼い主さんの目が行き届くようになります。尿やうんちに異常がないか、飲む水の量が変わっていないか、咳やくしゃみはしていないか等、毎日の健康を自然と管理できるようになるので、病気の前兆に気付きやすくなります。 

 

おうちでできる健康チェック項目 

以下の項目に気をつけて、日々様子をチェックしてあげてください。 

 

□ 食欲はあるかどうか 

□トイレの回数はどうか 

□うんちやおしっこの量・色・においに異常がないか 

□お水を飲む量に変わりないか 

□痛がっている場所はないか 

 

愛犬の体調に変化が見られたら、些細なことでもかかりつけの獣医さんに相談しておくとよいでしょう。 

室温管理ができる 

犬は寒さに強いというイメージがあるかもしれません。でもそれは、雪国生まれの一部の犬だけ。温かい国が原産のチワワや、トイプードルヨークシャーテリアなどのシングルコートの犬種はとても寒さに弱いのです。また、夏の暑さも非常に危険。特にパグやフレンチブルドッグなどの短頭種は熱中症にかかりやすいので気をつけなければなりません。 

拾い食いを防げる 

外で飼っていたら、何が飛んでくるかわかりませんよね。夏場は虫がいます。秋には木の実が落ちています。それを、飼い主さんが気付かぬうちに愛犬が食べてしまっていた!なんてことは珍しくありません。愛犬が口にすると健康に被害が出る場合もたくさんあります。 

*『犬が食べると危険な植物、実は身近にいっぱい!』の記事に詳しくまとめているので、こちらも合わせて読んでみてください。 

犬はペットではなく「家族」 

犬は人間の言葉を話すことはできません。しかし飼い主さんとしっかりコミュニケーションをとることができる生き物です。犬は普段から飼い主さんの様子をよーく見ています。一緒にいる時間が長ければ長いほど、飼い主さんのことを理解してくれるでしょう。飼い主さんが喜んでいるときには一緒に喜び、飼い主さんが悲しんでいるときには寄り添ってくれるはず。 

逆も同じです。長年一緒に暮らしていると、愛犬の仕草だけで何を伝えようとしているのか、分かるようになります。お散歩に行きたいときのおねだり、おやつが欲しいときのアピール、ドアを開けてほしいときの仕草・・・愛犬の行動ひとつひとつに、どんな意味があるのか分かるようになります。 

 

飼い主さんが愛犬と向き合ったとき、ふたりを繋ぐのは上下関係ではありません。家族同士の絆です。こんな関係をつくれることも、犬と一緒に暮らすことの醍醐味のひとつ。愛犬の健康面を考慮しても室内飼いはオススメですが、ぜひ家族として、飼い主さんと一緒のおうちの中に迎え入れてあげてください。 

室内で飼う際の注意点 

お気に入りの場所を用意する 

犬はもともと縄張り意識の強い生き物。自分のテリトリーはとても大切です。まずはおうちの中で愛犬がゆっくりできる場所をつくってあげてください。 

*子犬のための、理想のお部屋づくりについてはこちら 

危険なものを除く 

犬がおうちの中で生活するにあたり、危険なものを極力取り除いてあげる必要があります。 

食べ物 

人間が口にして平気でも、犬が食べると命に関わるような危険な食べ物はたくさんあります。キッチンには入れないように仕切りをしたり、人間の食べ物を分け与えたりすることはやめましょう。 

*犬にとって危険な食べ物はこちら

観葉植物 

おうちに観葉植物は飾っていませんか?犬が誤って食べてしまうと、中毒になってしまう植物もあるので、おうちに飾る場合は、愛犬の手の届かない場所に置くようにしましょう。 

アクセサリー、薬などの小物 

なにげなく机の上に置いていたアクセサリーを、愛犬がおもちゃ代わりにしていた、なんてことも十分ありえることです。もしそのまま飲み込んでしまっていたら大変ですよね。愛犬の口に入る大きさのものは必ず片付けておきましょう。飲み込んでしまったときの対処法は、『犬が異物誤飲をしたとき、どうしたらいいの?』をご覧ください。 

可愛くても甘やかしすぎないように・・・ 

おねだりには要注意 

おうちのなかで一緒に生活していると、おやつをねだられたり、飼い主さんのごはんを欲しがったりするかもしれません。でもそんな姿が可愛いからといって、甘やかしすぎには気をつけて。犬にとって危険な食材が入っていなかったとしても、人間の食べ物は塩分が多く、肝臓に負担がかかります。ねだられるがままにおやつを与えすぎると、しつけの面でもNGですし、健康面でもよくありません。 

寂しがりすぎにも要注意 

小犬のときから飼い主さんと同じベッドで眠ったり、いつでもどこでも一緒だったり、飼い主さんべったりに育ててしまうと、犬はひとりで落ち着いて過ごせなくなってしまいます。お留守番が極度に苦手になったり、「分離不安」という精神的な病に陥ってしまう可能性も。 

お留守番のトレーニングをしたり、飼い主さん以外のものに慣れさせたりして、安定した子に育ててあげてくださいね。 

 

 

室内飼いにも注意点はありますが、今から小犬をお迎えするという方には断然室内飼いをオススメします!愛犬の様子を日ごろからしっかり観察して、長く健康で暮らせるような環境を整えてあげてください。今外飼いをしているという方も、可能であればぜひ、室内飼いを検討してみてくださいね。 

 

 

「子犬」に関するワンペディア専門家監修記事

飼い主さんが知っておきたい子犬期の情報はこちらをご覧ください

□ 健康チェック:「成犬とはどこが違う?子犬の健康を細かくチェックする方法とは?

□ 注意すべき病気とケガ:「子犬は絶対に気をつけて!注意すべき病気と怪我」(本稿)

□ 低血糖症:「子犬は要注意!短時間で死に至る「低血糖症」とは

□ 水頭症:「1歳未満の子犬に多い水頭症とは?治療法と飼い主さんができること

□ 胃液を吐いた:「子犬が黄色っぽい液体を吐いた!原因と対処法

□ 子犬の骨折:「子犬の骨折が発生しやすい月齢は? 発生しやすい3大要因と予防策

□ 環軸亜脱臼:「子犬がかかりやすい、環軸亜脱臼

□ 子犬のお部屋:「子犬のためのお部屋作り

□ 子犬のしつけ:「子犬を迎えたばかりのお家は要注意!そのしつけ、本当に大丈夫?

□ 子犬のトレーニング:「子犬期のうちに絶対にやっておくべきトレーニング

□ トイレトレーニング:「子犬のトイレトレーニング、失敗しても大丈夫!

□ パピーパーティ:「他の子犬たちと出会えるパピーパーティーとは

□ 父犬の役割:「子犬育ての参考に!お父さん犬の隠れた役割

□ 社会性:「子犬に社会性を身につけてもらうために!

□ お散歩デビュー:「獣医師がわかりやすく解説!初めてのお散歩

□ドッグランデビュー:「その子犬、ドッグランに連れて行っても大丈夫?

□ 夜鳴き:「子犬が夜鳴きするのはなぜ?夜鳴きの対処方法

□ 食糞:「子犬の食糞の理由や予防対策

 
 

★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面から】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状面から】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象から】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性から】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度から】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさから】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度から】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面から】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面から】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

★「うちの子おうちの医療事典」で子犬が注意すべき傷病を調べてみましょう

□ 子犬に多い傷病

□ 低血糖症

□ 水頭症

□ 骨折

□ 回虫症

□ ジアルジア症

□ コクシジウム症

□ ケンネルコフ

□ 犬パルボウイルス感染症

 

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