トリミングが必要のない犬種でも、耳掃除や肛門腺絞り、爪切りなど、さまざまなお手入れが必要です。中でも忘れてはいけないのが足裏のお手入れ。足裏の毛が伸びて肉球を覆ってしまうと、思わぬ事故に繋がることもあるのです。
ここでは、自宅でできる足裏のお手入れ方法をご紹介します。
足裏のお手入れをしないとどうなるの?
犬の肉球には大切な役割があります。地面から受ける衝撃を和らげたり、汗をかいたり、滑り止めの役割も果たしています。
足裏の毛が伸びて肉球が隠れてしまうと、フローリングで滑りやすくなり、足の関節や腰に大きな負担
をかけてしまいます。また、滑って転んだ結果、骨折や脱臼をしてしまうこともあるでしょう。骨の細い子犬や小型犬、椎間板ヘルニアを発症しやすいダックスフンド、コーギーは特に気をつけて、まめなお手入れをしてあげてください。骨折については、動物整形外科専門医による、下記の詳しい解説記事をご一読ください。
動物整形外科の専門医・木村太郎先生監修「犬の骨折」記事
第1回:動物整形外科専門医の視点で語る「愛犬を骨折させてはいけない理由」
第3回:骨折発生! もしかして骨折_ を含めた応急処置と対処法
第4回:動物の整形外科とは?~骨折治療の得意な先生の探し方ヒント
第6回:骨折の治療法完全ガイド
第7回:⾻折で発⽣する後遺症と合併症
*ワンペディアの獣医師監修関連記事
□ 椎間板ヘルニア:愛犬のために知っておきたい椎間板ヘルニア
□ 肉球:可愛い肉球に隠された大きな役割
足裏のお手入れ方法
準備するもの
足裏の毛をカットする際はハサミではなく犬用のバリカンを使います。足先を触られるのは苦手な子が多いので、暴れて肉球を傷つけてしまう恐れがあります。犬用のバリカンは人間のバリカンと比べて、怪我をしにくいように歯が細かくなっているので、必ず犬用のバリカンを使いましょう。
バリカンに慣らす
音に敏感な子は、バリカンの音で驚いてしまう可能性があります。まずは犬の近くでバリカンの電源を入れてみて、様子を見てください。怖がっているようであれば、実際に使う前に、バリカンに慣らすところからはじめましょう。バリカンの電源を入れると同時に、おやつをあげるのも効果的です。「バリカンの音がするといいことがおきる」と覚えてもらいましょう。 音に慣れるしつけは「大きな音に慣れてもらうためのしつけ【獣医師解説】」もご一読ください。
音に慣れたら、次は電源を入れずに体にあててみます。このときも、もし怖がるようだったら、先に慣らしてからカットをするようにして下さい。
カットの流れ
コーミング
バリカンを使う前に、コームなどで毛の流れを整えておくとキレイに仕上がります。特に毛がからまったり、ほつれたりしている場合には、きちんととかしてからバリカンを使いましょう。
慣れるまでは二人がかりで
犬が暴れて肉球を傷つけると大変なので、慣れるまでは二人がかりでカットするといいでしょう。一人が犬の体をおさえ、もう一人がカットします。このとき、力を加えておさえつけるのはやめてください。優しく包むように抱きかかえます。力ずくで押さえつけると、そのことが犬に恐怖を与え、抱っこやカットが嫌いになってしまいます。あまりにも嫌がるような場合は無理せず、時間をかけて慣らすか、トリミングサロンや動物病院を頼りましょう。トリミングサロンについては、「優良なトリミングサロンを選ぶ6つの基準」もご覧ください。
バリカンの使い方
足裏の毛は、かかとからつま先の方向に流れるように生えています。この
毛の流れに逆らう方向(つま先からかかと)にカット
します。
バリカンの刃を肌と水平方向になるように当て、皮膚に軽く押し当てながら、肉球に沿わせるようにしてカット
していきます。刃を強く当てないように気をつけてください。
愛犬の健康なからだを守るために、足裏のお手入れは不可欠。こまめにチェックして、毛が伸びてきたらカットしてあげましょう!
もし自宅でのお手入れが不安な方は、トリミングサロンや動物病院でもカットしてもらえますので、頼ってみてください。
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□ お手入れまとめ:愛犬に必要なお手入れまとめ
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例えば、下記のような切り口から、
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アイペット獣医師
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