「きゅ~ん、きゅ~ん」夜中に聞こえてくる犬の鳴き声。特に子犬を飼っていると一度は夜鳴きを経験したことがあるのではないでしょうか?あんまり切ない声で鳴かれると「寂しいのかな?」と心配になって、飼い主さんも気が気ではありませんよね。
実は犬の夜鳴きが原因で寝不足になったり、飼い主さんによってはノイローゼになったりしてしまうこともあるのです。ここでは犬も飼い主さんもストレスなく暮らすために必要な知識、夜鳴きの対策方法を紹介します。
なぜ犬は夜鳴きをするの?
家に来たばかりの子犬によくみられるのが、環境に慣れないことから不安や寂しさを覚え、夜鳴きをすることがあります。しかし、夜鳴きの理由はこれだけではありません。
ごはんが欲しい、遊んでほしい「要求」からくる夜鳴きや、不安や寂しさがエスカレートして起こる「甘え鳴き」、老犬になると目や鼻、身体能力が衰えることで、夜中に急に不安に襲われて、夜鳴きをすることもあります。
一概に夜鳴きといっても、犬にも様々な事情があるので、なぜ愛犬が夜鳴きを繰り返すのか、飼い主さんはその原因を知り、対策を考えなければなりません。
夜鳴きの対策方法
老犬の夜鳴きの場合には、なるべく近くに寄り添ってあげることが大切です。
しかし、子犬の「寂しい」「お腹空いた」「遊んでほしい」といった要求鳴きや甘え鳴きに毎回付き合ってしまうと、鳴けば飼い主さんが来てくれる、遊んでくれると覚えてしまい、より夜鳴きがひどくなってしまうこともあります。愛犬の夜鳴きは、時には毅然とした態度で接することが必要なこともあるのです。
お腹が空いて鳴く子には…食事の量・時間を変えてみる
犬種や体重によって食事の量が大体決められているのですが、その子によっては規定量をあげても足りない場合があります。ちゃんと食事をあげていてもお腹が空いて夜鳴きをする場合は、早めに獣医さんに相談してみるといいでしょう。
また、1回の食事量を減らして回数を増やしたり寝る前の食事の時間を少し遅らせたりするだけで、ぐっすり眠ってくれる場合もあるので、試してみてくださいね。
遊び足りない子には…運動量は足りているか?
日中に十分な運動をすることも大切です。夜鳴きが続くようであれば、散歩の時間が足りているか、おもちゃを使って十分に遊ばせているか、一度見直してみてください。日中にたっぷり遊べば、夜には疲れきって寝てしまうはずです。
寂しがる子には…
その子が安心する匂いのついたものをあげてみる
新しい環境に慣れるまでは、誰でも一人(一匹)でいるのは不安なものです。そんな時にはケージの中に、その子が安心する匂いのついた、ぬいぐるみや布を入れてみましょう。おうちに来て間もない頃であれば、育った場所で使っていた遊び道具や布団を。飼い主さんに慣れてきた頃であれば、飼い主さんの匂いが付いた衣服を入れてみると良いでしょう。
ケージを寝室に移動する
飼い主さんの寝室にケージを移動する方法も効果的です。同じ部屋にいることで不安がなくなり、夜鳴きが減ることがあります。この場合は、電気を消すことで「今は寝る時間」だということを覚えてもらうとよいでしょう。ただし、お布団に入れることは、あまりおすすめできません。子犬のうちに飼い主さんと一緒に寝ることを覚えてしまうと、大人になってからも一人で寝ることが出来なくなる場合があります。
無視する
子犬の夜鳴きは寂しさ・不安から始まることが多いので、飼い主さんがそばに行くと夜鳴きはおさまるケースがよくあります。しかし、可哀そうだからと、子犬が鳴くたびに寄り添うことを続けていると、「鳴けば飼い主さんは来てくれる」と覚えてしまいます。そしてこれを繰り返すとさらに夜鳴きはエスカレートし、要求が通らないことを抗議するかのように吠え始めることも。
こうなる前に「無視」することで一人の環境に慣れさせ、夜鳴きを防止しなければなりません。何日かかるかはその子次第ですが、いずれは環境に慣れるものです。可哀そうと思ってしまう気持ちは分かりますが、その子が早く環境に慣れるように、毅然と接しましょう。
知育玩具を与える
犬の知育玩具とは、中におやつを詰めることができるおもちゃのことです。おやつを取ろうと夢中になるので寂しさが紛れて、おやつを食べ終わったころには疲れて寝てしまうので、夜鳴きを防ぐことにも繋がる場合があります。要求鳴きがひどい場合、無視する前に知育玩具を試してみるのも良いと思います。
*知育玩具については、『愛犬がスグにおとなしくなる!便利なおもちゃとは』の記事で詳しく解説しています。
夜鳴きが酷いとノイローゼになることも・・・
子犬期というのは想像以上に手がかかります。特に生まれたばかりの子犬は体が弱く、病気にかかりやすいですし、たいていトイレの場所もなかなか覚えてはくれません。初めての子犬育ては、想像していたものよりもはるかに大変だと感じる方も多いのではないでしょうか。
その上、夜鳴きがひどくては、夜もゆっくり寝られず、寝不足になってしまいます。このような状態が続くことで、徐々に育犬ノイローゼになってしまう飼い主さんも多いのです。
大切なのは一人で抱え込まないことです。特に責任感が強い飼い主さんがなりやすいといわれているので、まずはかかりつけの獣医さんやドッグトレーナーを頼ってみてはいかがでしょうか。
*育犬ノイローゼの体験談は、『ひとりで悩まないで!意外と多い育犬ノイローゼ【獣医師が解説】』をご覧下さい。
夜鳴きには、必ず何かしらの理由があります。その理由を見極めて子犬と接することで、きっと徐々に落ち着いてくるでしょう。もちろん、子犬が新しい環境に慣れるための時間も必要だと思いますので、焦らず、ゆったりとした気持ちで見守ってあげてください。
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