ジステンパーはウイルスによる伝染性疾患で、成犬よりも子犬で注意が必要です。感染したウイルス株や個体の免疫状態にもよりますが、感染後2週から数か月で死亡することも多く、死亡率の高い急性の疾患です。しかし、ワクチンにより感染や発症を防ぐことができます。

こんな症状が出たら気をつけて

感染したウイルス株(種類)によっても症状は異なりますが、発熱、黄色っぽい鼻汁や目やに、食欲不振、元気消失、神経症状、鼻やパットの角化(固くなる)、眼神経炎や網膜病変、消化器症状などが知られています。初期は一般的な風邪の症状と大差がないため気がつかないことが多いでしょう。

診療方法

通常の風邪や別の消化器症状を起こす疾患(犬パルボウイルス感染症犬コロナウイルス感染症、細菌感染、腸炎など)や、神経症状を起こす疾患(髄膜炎、感染症、中毒など)との鑑別が難しく、ジステンパーウイルスを検出する検査が必要になります。例えば、下痢などの消化器症状があらわれている時には便で検査をすることができます。また、血液や目やになどを検査センターに出して調べてもらうこともあります。全身状態を調べるために、画像診断や一般的な血液検査も行います。免疫力を活性化させるためにインターフェロンなどが使用されますが、有効な抗ウイルス剤はなく、細菌の二次感染を防ぐための抗生剤や対症療法が一般的になります。他の犬への感染を避けるため隔離した場所で入院し、静脈点滴などをおこないます。

 

予防方法

生後6~12週程で母親からの移行抗体が失われ、感染しやすい状態になるためこの時期にしっかりとワクチン接種を行うことが大切です。

 

 

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例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面から】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状面から】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象から】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性から】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度から】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさから】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度から】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面から】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

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□ 子犬に多い傷病

□ 低血糖症

□ 水頭症

□ 骨折

□ 回虫症

□ ジアルジア症

□ コクシジウム症

□ ケンネルコフ

□ 犬パルボウイルス感染症

Anicli24院長

三宅 亜希

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