環境に慣れる訓練ができたら、いよいよ外へおでかけ!と言いたいところですが、何か忘れていませんでしょうか?そう、病気への対策です。いざというときに困らないように、予防やかかりつけ病院を決めておくなどの対策がとても重要です。そこで今回は「ワクチン接種」「病院の選び方」「ノミなどの予防」の3つをテーマにそれぞれやってほしいことをご紹介します。

免疫には必須!ワクチンは必ず打ちましょう

なぜワクチンが必要なの?

犬も人間の赤ちゃんと同じく、幼い頃は主にお母さんの母乳に含まれる免疫のおかげで、些細な風邪から危険な伝染病まで様々な病気から守られています。

この免疫を移行免疫といい、小さい頃の犬にとって非常に重要な免疫ですが、成長するにつれて徐々に減ってしまいます。およそ8~12週齢までに無くなると言われていますが、免疫の無くなる時期には個体差があるので、見極めが非常に難しいと言われています。

減少していく移行免疫の代わりに犬を守ってくれるのがワクチンです。
犬がワクチンを受けていない状態だと病気に対して無防備な状態である可能性があり大変危険です。

何をすればよいの?

ではどうすれば良いのでしょうか?

まずは1回目のワクチンを受けていただく事をおすすめします。

強い味方のワクチンですが、移行抗体が残っている状態で接種するとワクチンの免疫が付きにくいため、数回追加接種する事で安全なレベルでの免疫が付くと言われています。

参考までに、最新の獣医療情報を発信している世界小動物獣医師会’(WSAVA)のワクチンガイドライン’をご紹介しますと、

8〜9週齢:1回目の接種
その3〜4週後:2回目の接種
14〜16週齢:3回目の接種

というタイミングを推奨しています。

ワクチンの種類について

ワクチンには大きく分けて

  • 狂犬病予防ワクチン
  • 混合ワクチン

の2種類があります。

狂犬病予防ワクチンは、狂犬病という世界中で現在も発生している、人間にも感染する病気を予防するワクチンです。法律でも再発予防のため義務付けられていますので必ず受けさせてあげてください。

混合ワクチンは、少し難しい話かもしれませんが、コアワクチンとノンコアワクチンという2種類が混ざっていることが多いです。

ワクチンの種類 役割
コアワクチン 世界中で感染が認められる、重大で最悪死亡する恐れのある感染症から動物を守る役割
ノンコアワクチン 地理的要因、その地域の環境、またはライフスタイルによって、特定の感染症のリスクが生じる動物にのみ必要な役割

つまりコアワクチンは受けるべきワクチン、ノンコアワクチンは環境やお住まいの地域等を考慮に入れ、必要に応じて受けたほうがいいワクチンと言えます。

コアワクチンで防げる病気 特徴

ジステンパーウイルス感染症

主な症状は、目ヤニや鼻水、40℃前後の発熱、嘔吐や下痢など。
子犬や老犬など免疫の弱い場合は、死亡することも。
アデノウイルス I 型感染症
(犬伝染性肝炎)
主な症状は、嘔吐や40℃前後の発熱、下痢など。
子犬では、脳症や神経症状など重症になりやすく、死亡率が高い。
アデノウイルス II 型感染症 主な症状は咳、発熱、鼻水など風邪に似た症状。
重症になると肺炎を起こして死亡する、感染率の高い病気。
パルボウイルス感染症 主な症状は、激しい下痢や嘔吐、食欲や元気の低下、発熱など。
子犬に感染すると集団で急死したり、母犬に感染すると流産を起こす、非常に感染率が高い病気。

 

ノンコアワクチンで防げる病気 特徴
パラインフルエンザ感染症 ケンネルコフと呼ばれる感染症で、主な症状は咳、発熱、鼻水などで重症だと肺炎になる可能性も。
日本では多い感染症のため、ワクチンに含まることが多く、外出する犬には必須
コロナウイルス感染症 症状がない事が多いが、食欲低下、嘔吐などの症状が出ることがある。
子犬に感染すると長期間下痢をして、脱水症状になることも。
レプトスピラ感染症 細菌による感染症で、いくつかの型がありそれぞれに対応したワクチンが必要。
主な症状は発熱、嘔吐や血便、黄疸などで、重症例だと数時間で死亡することも。
動物の尿を介して人間にも感染するため、外出やアウトドアに行く犬には必須。

日本で発売されているワクチンで、コアワクチンすべてを含んでいるワクチンは5種(コアワクチン4種+パラインフルエンザ)なので、最低でも5種のワクチンを打つことをお薦めします。値段は約4,000円からという動物病院が多く、ワクチンと同時に簡単な健康診断がついているなどのサービスにより、価格が違ってきますので安ければいいというものではありません。

後はノンコアワクチンの部分をお住まいの地域や、犬の飼育環境に合わせて、獣医師とよく相談してから決めると良いでしょう。

ペットショップやブリーダー、獣医師が既にワクチンを接種させている場合もありますので、ワクチン接種の有無と、接種させて場合はどの種類のワクチンをいつ受けたのかをまず確認してください。

かかりつけの動物病院をつくりましょう

楽しく安心したペットライフを送るために、必要不可欠なパートナーが動物病院です。

病院と聞くと「病気の時に行けばいいのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、動物病院は病気の事だけではなく、ご飯やしつけなど日頃のお悩みにも応えてくれる頼もしい存在です。また日頃から通っていれば、いざという時の備えにもなり安心ですね。

でも人と同じく、数多くの病院からどこへ行けばいいのかは悩みの種です。

動物病院選びのポイント

  • 場所(ご自宅の近くにあるか、遠方の場合は駐車場があるか)
  • 対応動物・科目(猫専用の病院があったり、先生によって得意分野があります)
  • 診療日・時間(連れていける時間に開いているか、時間外に対応しているか)
  • 外から見た病院の雰囲気(ホームページ、口コミサイトも参考にされるといいかもしれません)
  • 動物病院内の雰囲気(待合室の雰囲気が明るいか、掲示物は見やすいかどうか等)
  • 電話した時の対応(こちらはそれぞれ感じ方が違いますので、皆さんのご判断で)
  • 質問した時にきちんと答えてくれたかどうか

動物病院はどのポイントを重視するかによるため、どの動物病院が良いかは一概に言えません。

例えば、何かあった時にすぐ行ける病院がいいという方は、ご自宅の近くにあって時間外も対応しているところであったり、遠くても猫の診療が得意な先生に診てもらいたいという方は、猫専門の動物病院に行くのがいいかもしれません。

上記のポイントを参考にされて、皆さんに合ったかかりつけの動物病院を探してください!

ノミ・ダニ・フィラリアを予防する

犬を飼うことになれば必ず聞く言葉である、ノミ、ダニ、フィラリア。いずれも一旦寄生されると治療が大変なため、予防することが非常に重要です。室内飼いだから必要ない、と思っても、蚊は蚊取り線香を焚いても入ってきますし、ノミ・ダニは人間の服についたり、散歩の途中でくっついたりして、いつでも室内に入ってきます。

予防なんて考えたことがないよ!という場合については、まず動物病院に行ってください。

これらを予防するには、それぞれ予防薬を使用する事が一番有効な方法で、以下のタイプがあります。

予防薬のタイプ 特徴
チュアブルタイプ ワンちゃんが好む味付けがしてあるおやつタイプ
気軽にあげられる分、毎月の投与忘れに注意
錠剤タイプ スタンダートな予防法であるお薬タイプ
お薬が苦手な子と毎月の投与忘れに注意
スポットタイプ ワンちゃんの首元に薬を落とすスポットタイプ
毎月の投与忘れとアルコールに過敏の子に注意

犬にどの予防薬が合っているか、選ぶ基準は非常に専門性が高いため、獣医師の指示の下、愛犬に合った予防薬を選びましょう。

間違った使い方をして何かあってからでは遅いですからね。

価格に関しては、選ばれた予防方法や地域差によって違いますので一概には言えませんが、ノミダニ予防:月に1,500円前後、フィラリア予防:月に1,000円前後という所が多いそうです。(予防方法によって価格差があるので、参考程度に!)

獣医師とよく相談の上、正しい投与方法を学んでいただき、不明点は動物病院とよくご相談されてきちんと予防してくださいね!

アイペット獣医師

ワンペディアの運営会社であるアイペットに在籍している獣医師チーム。臨床経験...

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