お散歩中などに他の犬とすれ違うことはよくあることです。そんなとき、あなたの犬はどのようなリアクションを取りますか?吠えたり、しっぽをふって近寄ったり、決して目を合わせなかったりと、犬によって反応はさまざま。
犬たちはこのように様々なボディランゲージ(体で表現する言葉)を使って、犬同士でコミュニケーションを取っているのです。今回は、犬同士のコミュニケーションから読み解く犬の気持ちを解説します。犬たちが示すボディランゲージを上手に読み解いて、愛犬ともっと素敵なお散歩を楽しんでください!
犬のボディランゲージが示す意味
相手の犬のお尻の匂いを嗅ぐ
「犬は家族の中で自分の順位を確認する」という説がありますが、実際は飼い主さんと犬との間に序列関係や優劣関係はありません。(詳しく知りたい方は、『愛犬から愛される、頼れる飼い主になるには』も読んでみて下さいね!)
ただ、同じ犬同士の間には優劣関係が存在します。 自信と余裕のある犬の方が、相手にお尻のにおいを嗅がせてあげることが多いです。自分は嗅ぐのに、嗅がせるのはいや!という犬もいますよね。嗅がれるのを嫌がる犬は、決して相手に失礼な態度を取っているのではなく、「自分は嗅がせる余裕がありません」という意思表示なのです。嗅がせなかったからといって、相手の犬は怒りません。
飼い主さんができること
たまに「嗅がせてもらったんだから、嗅いでもらいなさい」と無理やりお尻を押さえて嗅いでもらおうとする飼い主さんを見かけます。しかし、お尻を嗅がれたくない犬は、既に降参していることを示しているので、そんな状態でさらに無理やり押さえつけてしまうと、より強い恐怖を植えつけてしまう可能性があります。
仲良くさせようとして飼い主さんが介入した結果、他の犬に対して苦手な感情を持ってしまう場合もあるので、こういうときはあまり介入せず、犬たちのコミュニケーションに任せておいた方がいいでしょう。
相手の犬の耳や目のまわりの匂いを嗅ぐ
お尻の匂いを嗅ぐときとは異なり、相手の耳や目の周りの匂いを嗅ぐ犬は自信があることが多いのですが、心に余裕がある犬は相手をなごませるために、匂いを嗅がせてあげることもあります。よって、嗅いでいるという状況だけをとって、どちらがより気持ちの強い犬であるかは判断できません。ただし、首にかけてやたらと熱心に匂いを嗅ぐことがあれば、これは相手に対して、「自分の方が気持ち的には優位に立っているんだぞ!」ということを示している可能性は高くなります。
飼い主さんができること
もし嗅がれている方が自分の犬で、恐さのあまりブルブル震えていたとしたら、ここは飼い主さんが逃げ場を作ってあげてもいいと思います。名前を呼んであげたり、抱き上げたりして、「うちの子、恐がりだからちゃんと挨拶できなくてごめんね。」と、飼い主さんが断っておけば問題ありません。恐がって逃げようとしている愛犬を押さえつけることは絶対にやめましょう。
遊びに誘うポーズをする
体を低くして、遊びを誘うようなポーズを「プレイバウ」といいます。これは、相手の犬に対して危害を加えようという気持ちはまるでなく、「一緒に遊びたいな」という思いを伝えようとする行動です。
自分から相手の犬に遊びをけしかけて、それがだんだん激しくなってくることってありますよね。唸り声をあげたり、軽く咬みついたり・・・。あまりの激しさに、相手の犬もつい怖がって逃げてしまったり、時には攻撃されるんじゃないかと思って、本気の喧嘩に発展してしまうことだってあります。そんな時、プレイバウをすることで、「これはあくまでも遊びだよ!ケンカをするつもりなんて全然ないんだよ」と、敵意がないことを表すのです。
このプレイバウは、相手をなだめる時にも使われることがあります。例えば、遊び相手がだんだん激しく乱暴になってきた時に、落ち着かせようとしてプレイバウをします。「ねえねえ、もう少し落ち着いて。そんなに乱暴にしないでよ。ぼくはこんなにフレンドリーだよ」といった気持ちを表しているのでしょう。
視線を合わせない
犬は視線を合わせないことで、相手からの挑戦を避けようとします。この点は、人間も似ています。私たちも、睨みつけられて叱られたり脅されてたりすると、その人の目をまともに見ることはできませんね。怖がりの犬は、目をじっと見つめられるだけで恐怖を感じます。目が合っただけで、その恐怖から身を守ろうと攻撃的になることもあります。
なので飼い主さんも、初めて会う犬に接するときは目をじっと見て視線を合わせようとしないよう気をつけてくださいね。
相手の犬に吠える
親兄弟から早くに引き離され、その後も他の犬との交流を持たなかった犬は、他の犬に対してどのように感情を表現していいのか、よくわからないのです。
他の犬に会ったとき、恐怖や好奇心などのさまざまな感情が入り混じり、そういった感情を示すボディランゲージを一気に見せてしまうケースが多いのです。そうすると、相手の犬も、「この子は攻撃しようとしているのか、怖がっているのか、それとも仲良くしたいのか、どうなんだろう・・・」と混乱してしまいますよね。その結果、相手の犬もどう対応したらいいのかわからず、時には攻撃的な態度を取ってしまうことがあります。
相手に攻撃的に来られたら、こちらも身を守らないといけないので、吠えて相手を撃退しなければならなくなります。逆に、相手が友好的な態度を取ってきたとしても、他の犬に慣れていない犬は、それが何を意味しているのかを正しく理解できず、やっぱり吠えるという行動をとってしまうのです。
飼い主さんができること
自分の犬が相手の犬に吠えている時、その子を落ち着かせようとして、オスワリをさせたり、リードを強く引っ張って動きを止めようとしたりする飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、犬は動いている方が、止まっている時よりも気持ちが落ち着くと言われています。もし嫌なことが起こっても、動いていればその場を離れることができるからです。苦手な相手が近くに来たときに、オスワリの状態で待たされるということは、犬にとってはとても苦痛なことなのです。
こういう時は、飼い主さんが率先して、さっと方向転換をしてしまいましょう。くれぐれもリードをグイグイ引っ張るのではなく、名前を呼んだり、おやつなどで気を向かせたりしてかまいません。
また、愛犬の犬嫌いを克服しようとして、嫌がっている愛犬を無理やり他の犬の近くに引っ張っていくことは絶対にやめましょう。相手の犬にいつ近寄るかは犬自身が決めることです。抵抗を示しているのは、まだ心の準備ができていないのです。無理やり犬を促すことによって、犬嫌いを助長してしまうばかりか、飼い主さんと愛犬との信頼関係すら損ねてしまう可能性もありますので、注意しましょう。
他の犬と仲良くなれたら、愛犬の生活はきっとより素敵なものになることでしょう。他の犬に慣れなくて、心に余裕がない子でも、時間をかけて徐々に慣れていく場合もあります。あくまで無理強いはせず、のんびり見守ってあげてくださいね。
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★「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、犬種など、
☞例えば、下記のような切り口で、
再発しやすい
長期の治療が必要
初期は無症状が多い
命にかかわるリスクが高い
生涯かかる治療費が高額
高齢犬に多い
病気の進行が早い
緊急治療が必要
入院が必要になることが多い
かかりやすい病気
他の犬にうつる
人にうつる
予防できる
子犬に多い
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