愛犬を一人でお留守番をさせるのが可哀想…という理由から多頭飼いを検討する飼い主さんは多いのではないでしょうか?犬同士が仲良く遊んだり、くっついて寝ている姿を想像するだけで、心がほっこりしますよね。でも中には、多頭飼いをした事で悩んでいる飼い主さんもいるようです。犬の多頭飼いは楽しいのか難しいのか、飼い主さんの声を集めてみました。
多頭飼いの結果、トラブルに発展したケース
一度に3匹が病気やケガになり、家計がひっ迫
幼い頃から動物が大好きで多頭飼いに憧れていた私は、マイホームを建てたことを機に2匹の犬を飼い始めました。それからしばらくして、お友達の家で赤ちゃんが生まれたり、人づてに誰か犬を飼える人はいないかと相談されたりと、気がつけば5匹の大所帯に。幸いみんな仲良く、楽しい多頭飼いライフを送っていました。ところが、その子たちが10歳を迎えた頃、突然3匹にバタバタと病気やケガが発生。中には手術が必要なこともあれば、長期的に薬を飲んだり、頻繁に検査しなければいけないこともあり、治療費を合わせるとボーナス全部が飛んでしまった月もありました。ある程度覚悟をして迎え入れていたつもりでしたが、不測の事態に戸惑ってしまいました。今は、ペットの医療保険に加入し少し不安は取り除かれましたが、多頭飼いをするにあたり、こういったことは事前に考慮しておかなければいけないことだったと痛感。ただ、5匹のワンちゃんと暮らす毎日はとても幸せなので、起こりうるリスクへの準備をしながら、これからもたくさんの動物たちと暮らしていきたいと思っています。
先住犬がストレスで自分の手を噛むように
我が家には今年で10歳になるヨークシャーテリアの女の子がいます。家族全員から甘やかされていたうちの子は、自分のことを人間だと思い込んでいるようで、他の犬が大の苦手。鏡に映る自分の姿も恐いみたいで見たがりません。たまに目に入ると、「なんか変な毛玉がいる!!」と言わんばかりにすごすご逃げてしまいます。そんな中、大学に通うために一人暮らしをしていた娘が、社会人になるタイミングで実家に帰ってきました。娘は在学中にチワワを飼っていたのですが、そのチワワも一緒に連れて帰ってきたために、うちの子は大パニック。チワワはまだ若くて遊びたい盛りなので、「遊ぼうよ」とうちの子を追いかけます。高齢のために日中はほとんど寝ていたはずが、ゆっくり寝ることもできず、足が弱いので早く逃げることもできず、しっぽをお尻の間にはさんで、必死にのたのたと逃げ回ります。でも結局いつも追いつかれ、恐怖のあまり耳は下がってしまっていました。大好きなおもちゃも取られて、一人玄関の隅っこにもぐりこんで過ごすように・・・。そしてストレスから皮膚病を発症し、自分の手を噛むようになってしまったのです。たまらなくなって病院に連れて行くと、うつ状態だと診断されました。チワワに悪気がないのはわかっているのですが、うちの子がかわいそうで…。犬が原因で娘との関係も悪化しそうになったので家族会議を開き、うちの子のテリトリー外だった2階へチワワをうつして、2匹の接触を避けるようにしました。結果、日中ゆっくり寝れるようになり、皮膚病もだいぶよくなっていきました。今は娘が結婚して家を出たので、日の当たるお気に入りのスペースでのんびりした老後生活を送っています。
後から迎えた小犬を可愛がれない自分に嫌気が・・・
3歳になるフレンチブルドッグを我が子の様に可愛がっているのですが、私の外出が多くなり始めたタイミングで、一匹でのお留守番が寂しくならないように、保護団体から6か月のミックスの子犬を引き取ることにしました。私達にもよく懐き、フレンチの事も大好きなようで一安心していたのですが…もともと、おっとりとした優しい性格のフレンチは、ネズミの様にすばしっこく動くミックスに圧倒されて、ゆっくりお昼寝もできない生活に。私と触れ合っていても、ミックスが邪魔しにくるので、フレンチはだんだん遠慮ぎみになって近づかなくなってしまいました。フレンチが寂しくないように相棒を…と思って多頭飼いを決めたのに、前よりも寂しい思いをさせてしまい、後悔の日々…。もちろんミックスも我が子の様に可愛がっているつもりなのですが、心のどこかで「いなければいいのに」と思ってしまう自分もいて。どうすれば自分の中の嫌な気持ちが無くなってくれるのか、本当に毎日悩んでいました。今は、フレンチとミックスの部屋を分け、家の中で遊ぶ時やお散歩も別々にすることで落ち着いています。ミックスも成長するにしたがって性格が落ち着き出したので、タイミングを見て一緒に遊ばせてみようかなと思っています。
多頭飼いのバランスが崩れてしまったケース
愛情はバランスよく
知り合いの方から犬の姉妹を譲り受け、赤ちゃんの頃から仲良く育った娘たち。特にお姉ちゃんの方は妹が大好きで、散歩途中に見知らぬオス犬が近づこうものなら鼻で蹴散らして追っ払う溺愛ぶり。もし、妹に何かあったらお姉ちゃんは寂しさで生きていけないんじゃないかと思うほどでした。ところが、7歳になった頃、妹の方に病気が発覚。治療方法もないような病気で、下半身が麻痺して歩けなくなってしまったので、トイレや歩行の介助からリハビリ、通院など、目まぐるしい日々が始まりました。何とか元気にしてあげたい、そんな一心で妹の介護をしていたのですが、その姿がお姉ちゃんには「私は愛されていない」と映ったようで、だんだん元気がなくなってしまいました。病院で診てもらっても異常はなく、精神的ストレスとのこと。私も家族も両方を可愛がっていたつもりでしたが、無意識のうちに妹ばかりになっていたんですね。人と同じように犬にも「愛してほしい、かまってほしい」という感情があるということを改めて痛感しました。それからは、お姉ちゃんとだけの時間をつくったり、妹の介護をしている時もお姉ちゃんも呼んで一緒に遊ぶなど、今まで以上に「大好き」の気持ちを伝えるようにしています。
多頭飼いによって、よりよい環境を作れたケース
分離不安症を克服するため、多頭飼いを決意
わが家の2歳になる愛犬は、とにかく私のことが大好き。家にいる時は、四六時中あとをついてまわり、トイレやお風呂も一緒、寝るときは私の首を舐めながら寝るという赤ちゃんぶり。でも、私が庭に出ようとするだけでワンワン鳴いて大騒ぎするので、出かける時はごはんを食べている隙を見て出かけますが、帰ってくると決まって物が壊れていたり、粗相していたり、時にはその後体調が悪くなることもありました。元々、専業主婦だったのでいつも一緒にいたのですが、夫の会社を手伝うことになり、昼間は家を開ける生活になりました。これまで長時間、家を離れることがほとんどなかったので、それが毎日になるかと思うと不安で獣医さんに相談したところ、「分離不安症」という精神的な病気の疑いがあると言われました。飼い主の愛情を一身に受けて、甘やかされている子に多いそうです。先生からは、徐々に一人にする時間を長くしたり、甘えてきても少し距離を置くなど色々アドバイスをいただきましたが、うちの子の性格上、新しい犬を迎えて環境を変えるのもいいかもと教えていただきました。多頭飼いは初めてで不安もありましたが、主人と相談して迎え入れたところ、相性がよかったこともあり大の仲良しに。いつも一緒にいてくれる安心感で満たされたのか、後追いやおでかけ後の粗相もほとんどなくなり、そして何より大切なものが増えて、幸せも2倍になりました。
シニア犬がみるみる元気に
13歳になるジャックラッセルテリアがいる我が家に、同じジャックの赤ちゃんがやってきた時のことです。最初はうまく行くのか、心配なことはたくさんありました。先住犬は、昔のようなパワーもなくなって寝ていることも多く、お散歩も嫌がる時がありましたので、先住犬のストレスにならないかが一番気になるポイントではあったのですが、ご縁を感じて迎え入れました。すると赤ちゃん犬を一目見た途端、先住犬の目がキラキラと輝き出し、シッポをフリフリくるくる回って大喜びするではありませんか!最初だけかなと思っていましたが、その日からみるみる元気になっていったのです。ごはんもお散歩もお昼寝も、いつも一緒の二人。一人のときは嫌がることもあったお散歩すら、意気揚々です。ごはんも一緒ならモリモリ。母性なのか、仲間ができた喜びなのか、どんな感情が芽生えてこれほど元気になったのか分かりませんが、家族もびっくりです。獣医さんは「そういう話も時々聞きますね」とのこと。確かに、周りの元気な高齢者は若者と交流している人も多く、犬でもそれが当てはまるのかなと思いました。
たくさんの犬と暮らしている飼い主さんの体験談を見ていると、幸せに感じることもある反面、思いもよらない事態が起こることもあるようです。犬の性格や相性によって、うまくいったりいかなかったりするものなので、事前準備とダメだったときに対応できるようにしておくことが、なにより重要です。『犬の多頭飼いの注意点は?愛犬のストレスを溜めないために』も参考にしつつ、素敵な多頭飼いライフを過ごしてくださいね!
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お世話をしながら気付い事たことから病気を調べる
「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、
例えば、下記のような状態から、
(元気)■ 元気がない ■ 疲れやすい ■ ぐったりしている ■ 意識がもうろうとしている
(食事)■ 食欲がない ■ 食べすぎる ■ 水を飲まない ■ 水を沢山飲む
(体型)■ 太る ■ 痩せる ■ お腹がはっている ■ 腫れている
(挙動)■ 痛がる ■ 足をあげる ■ 歩かない ■ 頭を振っている ■ ふらつく ■ ぐるぐる回る ■ 遠吠えをする
(性格)■ 性格が変わる
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【治療面】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり
【対象】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い ■男の子に多い ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い
【季節性】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい
【うつりやすさ】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる
【命への影響度】 ■ 命にかかわるリスクが高い
【費用面】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額
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