犬のブラッシングは家庭でできる大切なお手入れです。ブラッシングは毛並みを整えるだけでなく、様々な効果が見込める、大事なケアの一つです。ここではブラッシングが必要な理由から具体的な手順までを詳しく見ていきましょう。
犬のブラッシングが必要な理由
犬のブラッシングが必要な主な理由は、次の通りです。
飼い主が犬の抜けた毛を取り除くことにより、犬の皮膚への風通しがよくなり、皮膚病が発生する原因を抑えることが可能になります。また、飼い主がブラッシングを行うことで犬の中で発生している変化に気がつくことがあります。例えば、普段はもつれない毛が突然もつれはじめた場合、犬の行動に変化が起きたと考えるべきでしょう。それは、ストレスのサインの可能性があります。必要な運動ができない犬は、自分で毛をなめて遊ぶこともあります。そのような犬が、毛をなめて遊び始めた結果、毛がなくなってはげてしまうこともあります。飼い主がブラッシングを通して犬とのスキンシップをとることで、犬の異常行動についても、いち早く気がつくことができるようになります。
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ブラッシングが必要な頻度
犬のブラッシングは毛が生え変わる時期だけでなく、普段から行うようにしてください。できれば毎日行うことが望ましいですが、週2~3回でも問題ありません。
飼い主が頻繁に犬に対してブラッシングをしてあげることによって、日々の抜け落ちる毛の量がすくなりなり皮膚の衛生状態をよく保つことができます。毎日のブラッシングによって、皮膚病を引き起こすノミやダニが毛にたまることも避けられます。お散歩から帰ったタイミングなどに行うのがよいでしょう。
ブラッシングをするための準備
犬のブラッシングは毛の長さや毛の質に応じて変わってきますが、以下のような道具を準備しておけばよいでしょう。
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スリッカーブラシ
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コーム(櫛)
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獣毛ブラシ
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ピンブラシ
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のみ取りコーム
犬種によって準備をすべき道具は異なりますが、最低限スリッカーとコーム(櫛)があれば、どの犬種に対してもブラッシングをすることができます。
ブラッシングの手順
長毛種
ピンブラシで、毛並みに沿ってブラッシングをします。ブラシが通りにくいときは毛先の数センチから始め、何回かに分けて根元に近づけましょう。このとき、ブラッシングをかける被毛の根元を持つと、皮膚がブラシに引っ張られるのを防げます。抜け毛を取るときや毛玉をほぐすときはスリッカーブラシを使います。毛玉ができやすい場所は、後ろ足の腿のあたり・前足のわきの下・耳の付け根などです。毛玉をブラッシングするとき、指で毛玉をもみほぐし柔らかくしましょう。そして、皮膚と毛玉の接点を抑え、先から少しずつスリッカーブラシをかけます。また、肉球の間の被毛に小石や枯葉などが絡まり毛玉になるケースもありますので、こまめに確認しましょう。最後にコームを通し毛玉の有無をチェックします。1本のコームで中心から左右に、目が粗目と細目に分かれています。粗目から使用しましょう。被毛がパサついて毛ツヤを出したいときは、仕上げに獣毛ブラシを使います。油脂分のある豚毛のブラシが良いでしょう。特にパサつきが気になるときは、手のひらに椿油を1~2滴たらし、獣毛ブラシになじませた後にブラッシングをします。
短毛種
抜け毛取りにラバーブラシや獣毛ブラシを使います。短毛種の場合、スリッカーブラシは力が入りすぎたりブラシの一部に特定の力がかかったりしてしまうと、皮膚を傷つけてしまう可能性があります。毛の流れに沿って上から下へブラッシングしましょう。この動きがマッサージ・血行促進の効果があることも意識しましょう。自然と血行の流れにそうブラッシングの動きになります。また、蒸しタオルで体を拭いたりマッサージを行ったりするのも良いでしょう。皮膚の汚れも取りやすくなります。
ワイヤー種
抜け毛取りにはスリッカーブラシを使います。スリッカーブラシで抜け毛やホコリなどを取り除いた後に、コームで整えます。換毛期で抜け毛が多い時期はスクラッチャーやラバーブラシを使用するのも良いでしょう。スリッカーブラシを使いたいけれど力の入れ加減がよくわからないという方は、スリッカーブラシでご自身の腕を撫でてみてください。見た目や想像より痛くないでしょう。そして、力の入れ加減がわかります。
全犬種共通
ブラシを持つ腕の力を抜き、手首の動きを柔らかくスナップを効かせるようにしてください。腕や手首の力を抜くことで、ブラッシングに必要以上な力がかかることを防げます。
ブラシは皮膚に対して平行に動かしましょう。肉付きが薄く骨の出っ張りがある場所、後ろ足のかかと・前足の付け根・前胸は、ブラシがソフトに当たるようにしましょう。後ろ足と前足の付け根と胴につながる部分は、皮膚が薄いです。スリッカーブラシの使用時には当たらないように気を付けましょう。また、耳の先端も皮膚が薄いですので、力がかかりすぎないよう注意しましょう。足を持ち上げるときは下からそっと支え、前(顔の方向)もしくは後ろ(尾の方向)に動かします。横に広げるように動かすと不自然な動きとなり、関節に負担をかけることになります。
なお、ここ記載したブラッシング例はあくまでも一例であり、必要なブラッシングは犬の状態によって異なります。それぞれの犬の状態に合わせたブラッシングを行うようにしてください。
最後に
大切なペットの健康のため、ブラッシングはできれば毎日行いたいものです。そのためにはワンちゃんがブラッシングを嫌いにならないことが重要です。
ワンちゃんに「ブラッシングは楽しい」と覚えてもらうためにも、嫌がることはすぐに行わず、徐々に慣らしていきましょう。ブラシそのものを嫌がる場合はブラシの背中側でワンちゃんの背中を優しくなでてマッサージをするなど、嫌がる記憶を楽しい記憶に変えていく工夫をするのも良いでしょう。
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