犬でみられることが多い悪性腫瘍です。中高齢で発生することが多いですが、若くして発生することもあります。リンパ腫の発生部位によって、多中心型、縦隔型、消化器型、その他に分類されます。発生したリンパ腫の悪性度によって、治療法や今後の見通しがかわるため、病理検査(腫瘍の細胞を顕微鏡で観察して詳しく診断すること)が重要となります。

こんな症状が出たら気をつけて

  • 顎の下

  • 後ろ肢の付け根

  • 膝の裏側

などのリンパ節が腫れている。食欲低下元気消失などがみられる。呼吸が苦しそう(顎の下のリンパ節の腫大による)。※外から触って分かるリンパ節(顎の下、脇、後ろ肢の付け根、膝の裏側など)が腫れないタイプのリンパ腫もあります。

 

リンパ腫の診療方法

リンパ節の大きさを測定します。その後、病理検査のためにリンパ節に針をさし、細胞の一部を採取します。場合によっては麻酔をかけて、リンパ節の一部を切り取り、病理検査を行うこともあります。また、血液検査で一般状態を確認するとともに、血液中にリンパ腫の細胞が出ていないかを確認をいたします。レントゲンや超音波で内臓や外からでは見えないリンパ節に腫瘍が出来ていないかどうかも検査します。治療方法としては、化学療法(抗がん剤を使った治療)が一般的で、何種類かの抗がん剤を組み合わせることが多いです。治療法には数種類ありますが、週に1回抗がん剤を投与する治療を半年ほど続けることが多いでしょう。この治療によって多くの犬ではリンパ節が正常時のサイズまで小さくなり、元気に過ごすことができるようになります。この状態を寛解(かんかい)といいます。寛解の期間はその症例毎に異なりますが、残念ながらほとんどの犬で再発がみられます。

 

予防方法

普段からリンパ節を触って正常時の感覚を養っておけば、腫れている場合にすぐに気がつくことができます。スキンシップの延長で是非触ってみてください。

 

リンパ腫になりやすい品種

アメリカでは

ゴールデン・レトリーバー

ボクサー

バセット・ハウンド

などがリンパ腫になりやすい品種として報告されています。

 

犬種別飼い方ガイド」で犬種別にかかりやすい病気を調べてみましょう

● バセット・ハウンド

バセット・ハウンドの特徴

バセット・ハウンドの飼育のポイント

バセット・ハウンドのかかりやすい病気・ケガ

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ボクサー

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□ シニアの捉え方:犬は何歳から「シニア」なの?(本稿)

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例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

【治療面】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状面】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い 男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさ】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

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□ 高齢犬に多い病気

□ 白内障

□ 緑内障

□ 椎間板ヘルニア

□ 変形性脊椎症

□ 膵炎

□ 気管虚脱

□ ニキビダニ症

□ 糖尿病

□ クッシング症候群

☞「うちの子おうちの医療事典」で「リンパ腫」を調べる

Anicli24院長

三宅 亜希

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