愛犬との悲しいお別れ、それは、飼い主さんなら誰もが経験する辛いできごとです。しかし、最期まで面倒をみてあげるのが責任でもあります。

愛犬が亡くなってしまったら、体を清め、安置して冷やすなどが必要です。そして気持ちが落ち着いたら、そのあとのことを考える必要があります。今回は、火葬やその流れをご紹介します。

 

ご自宅に埋葬する場合

ご自宅の土地であれば、お庭に埋葬することもできます。しかし大型犬の場合はとくに、非常に深くに埋葬しないと、においの問題や、野良犬に掘り返されるなどの問題も起きる可能性があります。最近では、ペットの火葬業者に頼んで荼毘(だび)にふし、その後、お墓を庭に作って埋葬するというケースが増えているようです。

※自然葬や散骨は違法

自宅以外の土地、例えば河川敷や山林へ埋葬する、あるいは海や川へ流す、といったいわゆる自然葬や散骨は、ペットの場合、法律上不法投棄とみなされます。処罰の対象となりますので注意しましょう。

 

火葬を業者にお願いする場合

火葬にもいくつかの種類があります。いずれの場合も、不燃物を一緒に荼毘にふしたりすると、遺骨がきれいに残りません。布製のものや好きだった食べ物、生花などは火葬に問題ありません。念のため、火葬前に業者に確認しましょう。

合同火葬

これは、愛犬だけでなく、ほかのワンちゃんも一緒に火葬するシステムなので、火葬のあとに遺骨をもらうことができないのが通常です。また、火葬の前にご遺体を業者に預け、そのまま火葬になるので、火葬後の遺骨がどこに埋葬、または納骨されるのかがわかるような、信頼できる業者を選ぶべきでしょう。命日にお参りできるかどうかなども確認しましょう。

一任個別火葬

個別に愛犬を火葬してくれますが、火葬に立ち会うことはできません。業者のほうで骨壺に遺骨を入れ、遺骨を戻してくれるか、もしくは納骨堂に納めてくれます。しかし、遺骨が愛犬のものなのか確認するのは難しいため、このシステムを選択する場合にも、信頼できる業者を選びたいところです。

立ち会い個別火葬

飼い主が立ち会いながら個別に火葬し、その後遺骨を骨壺に納めてわたしてくれるシステムです。遺骨は、ペット霊園に埋葬したり、納骨施設に預かってもらったりすることもできます。火葬システムのなかでは一番高額といわれています。

訪問火葬車による火葬

ご自宅の敷地や近所、駐車場まで火葬車で訪問、その場で火葬し、遺骨を骨壺に入れて返骨してくれるシステムです。ご遺体を火葬場まで運べない場合には便利なサービスです。

犬の体のサイズによって車両の大きさが変わりますが、立ち会い個別火葬で使う固定の火葬炉よりも安価になることが多いようです。ですが、高額を請求される場合も少なくはないので、信頼できる業者を選び、最初に依頼する段階で総額を確認したほうがよいでしょう。

公共の斎場/清掃工場で火葬

地方公共団体によっては、指定斎場や清掃工場で動物の火葬ができる場合があります。斎場/清掃工場にもよりますが、合同火葬が多いようです。清掃工場の場合は通常のごみと同様に焼却され、返骨が不可、など、簡易な取扱いになることがあります。納得できる方法かどうか、また費用や返骨の可否も場所によって異なりますので、事前に確認しましょう。

死亡を証明する書類を取得

市区町村に登録している場合

畜犬登録してある愛犬が亡くなったときには、市区町村に届け出る必要があります。届け出を行うと、死亡証明書を取得できます。狂犬病予防接種を受けた犬には、「鑑札及び狂犬病予防注射済票」が配布されますが、届け出ないと予防接種の案内などが届き続けることになってしまいます。何日以内に届け出るべきなのか、死亡証明書の取り方、必要な書類などは役所によって違いがあるので、確認しましょう。死亡証明書の使いみちについては後述します。

市区町村に登録していない場合

畜犬登録することは、飼い主の法律上の義務ですが、やむを得ず未登録のワンちゃんだった場合、市区町村から死亡証明書を取ることができません。その場合は、獣医師にご遺体を診てもらい死亡の事実を証明する診断書を書いてもらうか、火葬料金の領収書等で代用するといった方法があります。

ペット保険の解約

死亡証明書や火葬の領収書等は、ペット保険に入っている場合、解約の手続きに必要となる場合があります。それらの書類があれば、死亡日、死亡証明日、あるいは火葬日に遡って保険料を精算できる場合があります。証明書を取得することが難しい場合は、なるべく早く保険会社に問合わせてください。連絡しないと、保険料の請求が続いてしまいます。多くの場合、解約用書面での手続きが必要となるため、連絡が早いに越したことはありません。

霊園選び

愛犬の遺骨をペット霊園に入れるのか、その霊園の納骨堂に入れるのか、または手元においておくのかなどは、飼い主さんの意志に委ねられています。ネットで情報を得られるほか、口コミの情報で信用できる霊園を選び、飼い主さんが納得できる形をとれるようにしましょう。

 

 

「シニア犬」に関する獣医師監修記事

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□ シニアの捉え方:犬は何歳から「シニア」なの?(本稿)

□ シニア犬の健康チェック:シニア犬の病気を早期発見するために!観察ポイントと健康チェック法を紹介

□ 老化のサイン:犬の老化のサインとは?

□ シニア犬のお部屋:シニア犬が安全で快適に過ごせるお部屋とは?

□ シニアへの準備:愛犬がシニアになる前に、準備しておくべきこととは?

□ シニア犬のお散歩:犬はシニアになってもお散歩が必要? 散歩時間の目安は?

□ シニア犬の食事:シニア犬の食事で気をつけることは?どんなフードを選べばいい?

□ シニア犬のトイレ:シニア犬のトイレで気をつけることは? 寝たきりになったらどうすればいい?

□ シニア犬の睡眠:シニア犬にとって快適な睡眠とは?寝床はどうしたらいいの

□ シニア犬のかかりやすい病気:シニア犬がかかりやすい病気とは? 早期発見するためには?

 

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★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

 

例えば、下記のような切り口から、さまざまな病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

 

【治療面】■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり

【症状面】■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い

【対象】■ 子犬に多い ■ 高齢犬に多い 男の子に多い   ■女の子に多い ■ 大型犬に多い ■小型犬に多い

【季節性】■春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度】■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつりやすさ】 ■ 他の犬にうつる ■ 人にうつる ■猫にうつる

【命への影響度】 ■ 命にかかわるリスクが高い

【費用面】 ■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防面】 ■ 予防できる ■ワクチンがある

 

★「うちの子おうちの医療事典」でシニア犬のかかりやすい病気を調べてみましょう

□ 高齢犬に多い病気

□ 白内障

□ 緑内障

□ 椎間板ヘルニア

□ 変形性脊椎症

□ 膵炎

□ 気管虚脱

□ ニキビダニ症

□ 糖尿病

□ クッシング症候群

アイペット獣医師

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