暑い暑い日本の夏は、ワンちゃんたちにとっても過ごしづらい季節です。 人間と同じように、犬も熱中症にかかったり、あまりの暑さに体調を崩してしまったりします。 ここでは、アイペット損保の保険金請求データを参考に、夏に気をつけたい犬の病気について解説します。
熱中症
犬も人間と同様に、熱中症を起こします。とくに犬は、体温調節が苦手な動物です。人間は体温が上がると汗をかくことで調節することができますが、犬の皮膚には汗腺がなく、肉球に少しある程度なので、あまり体温調節に役立ちません。汗をかけない代わりに、「ハァハァ」と呼吸をすることで体の熱を逃していますが、効率は良くありません。
特に肥満体型の犬や、短頭種(ブルドッグ、パグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、チワワなど)の犬では、注意が必要です。 また、犬は人間よりも背が低く地面に近いところを歩くため、地面の熱を直接感じてしまい、熱中症のリスクはより高まります。例えば気温が32℃の場合、子供の身長では35℃、犬の高さでは36℃以上の熱を感じるとされています。熱中症は死亡率も高い危険な病気です。夏はお散歩の時間帯にも十分気をつけましょう。
出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」
熱中症にさせないための工夫
暑い時期の散歩は朝晩の涼しい時間帯に行いましょう。散歩に出発する前に、地面を手で触ってみて、熱くないかを確認することも重要です。
水はいつでも自由に飲めるように、十分な量を入れておきましょう。
室内ではエアコンを活用し、温度や湿度を調節しましょう。
愛犬を車内に残して車を離れるのはやめましょう。
出典:環境省「ペットを車内に残さないで! ~ペットの熱中症に関する注意喚起チラシ~」
やけど
熱い地面を散歩させてしまうと、熱中症のリスクが高まるのと同時に、肉球がやけどを起こしてしまう可能性があります。とくに熱を吸収しやすい黒いアスファルトでは、表面の温度が60℃を超えることもあり、人では60℃で1分間、50℃で3分間接触していると、その部位にやけどを起こすとされていることから、裸足で散歩をする犬にとっても大変危険です。
夏は暑い時間帯の散歩は避け、散歩に出る前には地面を手で触れてみて、熱くないかを確認
してから出発しましょう。
外耳炎
日本の夏は非常に高温多湿です。ジメジメした環境は、耳のトラブルにもつながりやすく、気温や湿度が上がり始める6月ごろから、外耳炎を起こすケースが増加します。 特に垂れ耳の犬種や、アトピーやアレルギーが基礎疾患にある犬では要注意。外耳炎を防ぐためには、日頃から耳の様子を観察し、
耳垢が増えたり、耳の赤みや痒みがみられたり、耳の臭いがキツくなったと感じた時には、早めに動物病院を受診
しましょう。
皮膚疾患
高温多湿の夏は、犬の皮膚も蒸れやすく、細菌やマラセチア(真菌)などが増殖して皮膚炎を起こしやすい季節です。
こまめなブラッシングや、定期的なシャンプー・トリミングなどで、皮膚を清潔な状態に保つ
ようにしましょう。 皮膚に痒みや赤みがみられたり、発疹ができたり、ベタつきや臭いを感じた場合には、早めに動物病院を受診しましょう。
フィラリア症
フィラリアは、フィラリア症に感染した動物の血液を吸った蚊が、次の動物を吸血することで感染する病気です。そのため、蚊の飛んでいる季節は注意が必要です。 フィラリアに感染すると、体内でフィラリアの子虫が成長し、心臓や肺の血管に寄生して血液の循環を悪くしてしまいます。心臓・肝臓・腎臓等に障害をおこし、犬では致死率も高い感染症なので、予防が非常に重要です。
また、蚊を媒介して人へも感染する可能性のある「人獣共通感染症」でもあります。 フィラリア症は、予防薬によって予防することができます。フィラリアの予防薬には、錠剤やおやつタイプのチュアブル、スポット剤など様々な種類があり、動物病院で検査を受けてから処方されます。
動物病院で指示された期間中は、忘れずに予防薬を投薬する
ようにしましょう。
出典:環境省「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」
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