犬は高齢になるにつれ寝ている時間が多くなります。1日の半分以上を寝て過ごす犬が、ストレスを感じず、快適に眠れるようにするにはどうしたらいいでしょうか。ここでは犬と人間の睡眠の違いも含めてご紹介しましょう。
犬の睡眠時間はどれくらいなの?
犬は眠りが浅く、長時間の睡眠が必要
犬は人間と違って眠りが浅く、深い眠り(ノンレム睡眠)は睡眠全体の約20%程度と言われています。それはいつ敵に襲われるかわからない環境の中で眠っていた野生時代の名残りとも言えます。睡眠中、ちょっとした音に敏感に反応するのは、浅い眠り(レム睡眠)において体は休んでいても脳は働いているからです。このように
犬は浅い眠り(レム睡眠)を繰り返しているため、長い睡眠時間が必要
なのです。
老犬はほぼ1日寝ている
犬によっても異なりますが
成犬の場合、1日の睡眠時間は約12〜15時間
と言われています。
老犬は18〜19時間
ですが、ほぼ1日寝ているようなイメージがあります。老犬になると体力の低下により疲労回復するのに時間がかかるため、寝ている時間が長くなるのです。
もし犬の名前を呼んでも眠り続けている場合は、筋力の衰えだけでなく耳が遠くなっていたり、心臓病などの病気を抱えていたりする場合もあるので、動物病院に相談したほうがいいでしょう。
快適な睡眠をとるための工夫とは?
ベッドの選び方
寝ている時間が長くなってきたら床ずれを予防できる寝床にしてあげましょう。表面の素材が柔らかく防水加工されているマットがおすすめです。
ベッドの配置
シニアになると体温の機能調整も低下するので、寒さや暑さに弱くなります。夏は涼しく快適な所に寝床を配置、冬は保温性の高い介護用マットを敷いたりペット用のヒーターを利用したりすると良いでしょう。エアコンをつける場合は、冷暖房の風が体に直接当たらない位置にベッドを置いてあげましょう。
部屋の温度
基本的に人間が快適に過ごせる温度や湿度であれば問題ありません。夜、飼い主さんと別の部屋で寝る場合は、寒すぎたり暑すぎたりすることがないようにエアコンなどで調整してあげることが大事です。
昼間に刺激を与える
昼間に散歩に行き太陽の光を浴びて歩く、または家の中で遊んであげるなど刺激を与えてあげましょう。そうすれば、夜に快適に眠れるようになります。
歩行が不自由な犬の場合、介護用のハーネスやペット用カートに乗せて連れて行って
あげましょう。自力で歩けなくても外の空気を吸うだけで十分刺激になります。
もし寝たきりになってしまったら?
寝床を体圧分散マットに変える
クッションの柔らかいマットに寝かせていた場合は、体圧を適度に分散できるマットに変えて床ずれを予防してあげましょう。またドーナッツ型クッションなどのアイテムを利用するのもおすすめです。床ずれができやすい頬の骨の部分などに、クッションの穴の部分あてることで、寝床から浮かせ長時間の圧迫を防ぐことができます。詳しくは「老犬の床ずれ、どうしたら防げる?なったときの治療法は?」もご一読ください。
寝床は清潔さをキープ
寝たきりになってしまった場合は、
寝床の上にトイレシーツを敷きその上に寝かせて
あげましょう。排泄物はすぐに取り、トイレシーツが汚れていたら交換を。犬の体に排泄物がついてしまった場合は、すぐに優しく拭き取り、寝床を常に清潔に保つことが大事です。
定期的に体位を変える
自分で寝返りができない場合は、
2〜3時間程度を目安に体位の変更をして
あげましょう。嫌がる場合は、体をそのまま軽く持ち上げるだけでも血流が回復します。
##まとめ
人間と違って熟睡できる時間が短い犬にとって快適な睡眠環境を整えることは大事ですね。老犬になると飼い主さんと離れていることに不安を覚える犬もいるので、飼い主さんのベッドの脇に犬の寝床を作るなど、夜寝るときの対策も考えた方がいいかもしれません。
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