sad dog pug lying floor犬はもともと鼻が湿っているのですが、「鼻水が垂れている」そんな状態はなんだか心配になりますよね。鼻水は環境の変化によっても出るので、一概に鼻水=病気というわけではありませんが、大きな病気のサインである可能性もあります。ここでは、どんな時に犬は鼻水が出るのか、また飼い主さんがなにに気を付けたらいいのか、解説しています。

犬の鼻水の原因

犬の鼻水には環境の変化などによる「生理的な鼻水」と、「病気による鼻水」があります。

生理的な鼻水…寒い日や埃っぽい場所

鼻で呼吸をする時に、冷たい空気が直接肺に入らないように、鼻の奥で空気を温める機能があります。この働きによって鼻水を分泌する細胞が活性化し、鼻水の量が多くなります。また、鼻の粘膜に埃が付くと、それを外に出そうと、鼻水の量が増えます。人間と同じように、寒い日の温度管理や、飼育環境を清潔に保つことが大切です。

病的な鼻水…風やアレルギー、肺水腫などの病気

風邪やアレルギーなどの炎症によって鼻の粘膜が敏感になり、鼻水の量が増えます。また、鼻の粘膜とは異なる場所で作られた液体が鼻水として出てくる場合もあります。鼻は奥の方で喉や気管、副鼻腔(鼻の周りにある空洞)などとつながっているため、肺水腫や肺炎、副鼻腔炎のように液体が溜まる病気の場合、鼻から液体が垂れてくることがあるのです。

 

また、歯の根元でひどい炎症を起こしている場合、鼻の方にも波及して鼻水として出てくることがあります。異物誤飲をしたときも、鼻水が出る場合があります。

危険な鼻水の症状とは?

 

透明な鼻水が出ているだけで他に異常がなければ、暖かくして、加湿や部屋の空気を入れ替え、様子をみるようにしてください。しかし、以下のような症状が見られる場合は非常に危険です。すぐに病院に連れて行ってあげましょう。

 

・呼吸が荒く、口を開けた呼吸をしている

・鼻水にピンク色が混ざっている

・鼻水に血や膿が混ざっている

・突然鼻水が出て、とまらなくなる

呼吸障害がある場合

鼻水と一緒に、呼吸状態が悪くなったり、苦しそうな様子を見せたり、鼻水にピンク色が混ざった状態は、肺水腫の可能性があります。本来空気が入っている場所に水が溜まるので、溺れているような状態になり非常に呼吸が苦しいのです。肺水腫でたまった水は、重度になると鼻から出て来ることがあります。空気と混じって泡のようになることもあります。

 

重度の肺炎でも、同じように呼吸困難と鼻水が出ることがあります。呼吸の異常を伴う鼻水は、とても危険で緊急性が高いので、すぐ獣医さんに診てもらってください。

鼻水になにかが混じっている場合

単なる鼻炎でもひどくなれば鼻血が出ることもありますが、血が混じる場合は鼻の奥のがんなどの可能性も考えなければなりません。特にシェルティやコリーなどの鼻の長い犬種には鼻腔内腫瘍が多く発生します。鼻血を伴う鼻水が出た場合には、早めの検査が必要です。鼻の奥を検査する場合、通常、全身麻酔でのCT検査などが必要になります。

 

また、歯周病が悪化して歯茎にも菌がまわってしまうと、ひどい場合には鼻血や膿を伴う場合があります。その場合は、鼻水以外の症状、身体検査所見、必要に応じて行うレントゲン検査で診断がつくケースが多いです。膿が混ざる鼻水には、他にも様々な病気の可能性があります。病気が進行すると全身状態が悪化してしまいますので、早めに病院で診てもってください。

 

ただし、子犬が鼻水を垂らしているような場合は、鼻血や呼吸状態の悪化がなくてもできるだけ早めに獣医さんに診てもらいましょう。

飼い主さんが気を付けるべきポイント

健康管理

 

上記でも紹介したように、荒い呼吸を伴ったり、鼻水がピンク色や膿が出たりする危険な症状の場合にはすぐに獣医さんへ診てもらわなければなりません。その際、「抱っこ」の仕方も注意してください。肺を圧迫してしまうと呼吸状態が余計に悪化する可能性があります。急に抱っこの体勢を変えたりすると、状態が急変する可能性がありますので、抱き方は十分に注意しましょう。

 

鼻水以外の症状がない場合でも安心せず、数日続くようであれば獣医さんに診てもらうようにしましょう。その場合、鼻水が出ているときの動画や、ペットシーツやティッシュに付いた鼻水を持参すると診察の役に立つことがあります。

 

初期の腫瘍では鼻水しか症状が見られない場合もありますが、重症化するにつれて、様々な別の症状も見られるようになることが多いです。特に、呼吸状態は鼻水が出ている場合に最初に確認すべきことです。呼吸だけでなく、鼻水の色、食欲など、いつもと違う症状に気づけるように、普段から愛犬の様子をしっかり見ておくようにしましょう。

アイペット獣医師

ワンペディアの運営会社であるアイペットに在籍している獣医師チーム。臨床経験...

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