タンパク質が多く含まれている卵は犬が食べても大丈夫な食材です。基本的に生のまま与えても、ゆで卵やスクランブルエッグなど加熱してもどちらもOKです。それぞれ与え方の注意点を含めて紹介します。

生卵を与えるときの注意点は?

 

生卵の卵白にはアビジンという成分が含まれています。これはビタミンB群の1つであるビオチンの吸収を妨げてしまうため、大量に摂ると皮膚病などの症状が出る可能性があります。生卵の場合、白身だけ与えるのは避けた方がいいでしょう。ただし卵黄にはビオチンが多く含まれているので、全卵であればさほどアビジンの影響を気にする必要はないと言われています。また、生卵は菌の繁殖が早いので与えたその場で食べさせ、残したらすぐに片付けるようにしましょう。

ゆで卵やスクランブルエッグを与えるときは?

 

夏場などの中毒が心配な場合は、生でなく加熱してあげると良いでしょう。油や調味料を使わなければ、ゆで卵やスクランブルエッグにして与えてもOKです。ただし、加熱するほどタンパク質が壊れていくので、タンパク源として取り入れたい場合は加熱のし過ぎに注意してください。逆に腎臓や膵炎疾患のある犬で療法食をあまり食べてくれないという場合など、良質な低タンパク処方食として20分ほど茹でた全卵を与えてみるというやり方もあります。かかりつけの獣医師に相談してみてください。
なお小型犬の場合、ゆで卵を丸のみして喉に詰まらせる危険性もあるので、必ず細かく砕いて与えるようにしましょう。

栄養素は高いの?アレルギーは大丈夫?

 

卵はタンパク質や脂質のほかビタミンB2やB12などの栄養素が多く含まれており、皮膚や筋肉、被毛など健康な体を維持するための大切な栄養素となっています。日頃から良質なフードを食べている場合は、卵で栄養を補う必要はありませんが、食欲が落ちた犬やシニア犬などにタンパク源として与えるには効果的と言えるでしょう。卵は栄養価が高いと共にカロリーも高いので、与え過ぎには十分注意しましょう。
なお、卵アレルギーがなくても鶏肉に対してアレルギーがある場合、卵を食べることで反応を起こす可能性もあります。与える場合は少量ずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。

 

栄養価の高い卵は犬が食べても大丈夫ですが、与え方と量に注意しましょう。なかには卵アレルギーを持つ犬もいるので、積極的に与える必要はないでしょう。

交差反応アレルゲンとは?

ある種の動物タンパク質に対してアレルギー反応を示す場合、種の近い動植物のタンパク質にもアレルギー反応を示すことを言います。たとえば、ブタクサのアトピーを持つ犬に対して交差性のあるアレルギーは表で示しているようにリンゴ、バナナ、メロン、トマトです。ブタクサのアトピーを持つ犬がリンゴを食べたからといって必ずしもアレルギー症状を起こすわけではないのですが、アレルゲンレベルをあげてしまうことになります。

サンダース ベテリナリークリニクスシリーズ Vol.2 No.1「犬と猫の最新・皮膚科学」 株式会社インターズー刊より引用

 

※この記事は犬に卵を食べさせることを推奨しているものではありません。人間の体に良いからといって犬にも良いとは限りません。逆に悪影響を与えたり、必要な栄養の吸収を阻害したりすることもあります。犬の食事は、栄養バランスが良く摂れる総合栄養食としてのドッグフードがおすすめです。

人間の食べ物を犬が食べても大丈夫?こちらの記事も要チェック!

⇒『【獣医師監修】人間の食べ物を犬が食べても大丈夫と思っていない? 実は犬にとって危険なアレルギー要素が潜んでいる!?

アニーマどうぶつ病院 院長

村谷 親男

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