大切な愛犬の目にゴミやホコリが入っているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。特に目が大きい子や、目が出っぱっている犬種はゴミが入りやすいのです。もしも愛犬の目にゴミが入っている時、飼い主さんはどのように対処すればいいのでしょうか?

犬の目に入ったゴミは取るべき?

犬は目にゴミが入っても気にしない子がほとんどです。細い毛や小さなゴミなどであれば、目に入っていても何も気にせず生活している子がほとんどでしょう。特に本人が気にしていなければ様子を見ていて大丈夫です。

また、目の表面は常に涙が覆っています。異物が入るとたくさんの涙が出て、目の外に異物を洗い流してくれるので、涙が出ているからといって、無理してゴミを取る必要はありません。

ゴミを取る方が危険!

目の中のゴミをとってあげなくちゃ!と、無理に取ることはやめた方がいいです。無理に取ろうとすると、犬の目を傷つけてしまったり、犬に恐怖心を与えて攻撃行動*を誘発する可能性もあるからです。 *関連記事☞「家族に対して犬が攻撃行動を取る理由【獣医師が解説】

 

ゴミを取ってあげたいなら洗い流してあげて

目のゴミを取るには洗い流すのが最も安全です。犬用の目薬があればそれを使ってあげましょう。洗い流せることがあります。持っていない場合は、清潔な目薬の容器などに水道水を入れて、目薬のようにさしてあげましょう。

ただし、人の目薬は犬にとって害になる場合があるので、使わないでください。

 

こんな時は要注意!目に傷がついた時の症状とは

目に入ったゴミやホコリが原因で犬の目が傷つくことは稀ですが、以下のような場合は、目が傷ついている可能性があります。放置していると、最悪失明してしまう場合もあるので、できるだけ早めにかかりつけの動物病院へ連れて行ってあげてくださいね。

 

□目をしょぼしょぼさせている

□目が充血している

□目ヤニが増えている

□涙が目から溢れるほど増えている

□犬自身が気にして、目をこすったり掻いたりしている

□ゴミが1日以上ついている(単なるゴミではない可能性)

目に入った異物が引き起こす病気

もし目に入ったゴミやホコリが眼球を傷つけてしまった場合、どのようになってしまうのでしょうか?

角膜潰瘍

角膜は目の一番前側にある目を保護するための、透明な薄い膜です。ゴミや毛によって角膜が傷つけられると、角膜潰瘍という状態に陥り、目がしょぼしょぼしたり、充血をしたり、涙が増えたりします。

目の違和感によって、犬が自分の目をこすってしまい、悪化してしまうことも少なくありません。角膜潰瘍が進行すると、角膜が破れてしまうことがあるので、早めに治療をしてもらうことが大切です。

角膜潰瘍は、軽度のものであれば数日間の点眼治療で良くなることが多いです。重度の潰瘍や角膜穿孔がある場合には手術が必要になるケースもあります。

*詳しくは、『犬の角膜潰瘍』をご覧下さい。

 

角膜炎・結膜炎

ゴミや毛が眼球を長期間刺激すると、角膜や結膜に炎症が起こることがあります。角膜に炎症が起こった状態を角膜炎、結膜に炎症が起こった状態を結膜炎と言います。角膜炎や結膜炎では目ヤニや涙が増え、充血が目立つようになります。角膜炎が長引くと、色素沈着が起こり、角膜に黒い斑点などが付くことがあります。

*詳しくは、『犬の角膜炎』『犬の結膜炎』をご覧下さい。

動物病院では、目の傷や逆さまつげの有無などの検査、ゴミが入っているならその洗い流しの処置などをしてもらうことになります。もし既に炎症が起きていたり、眼球が傷ついてしまっている場合には、その状況に合わせて点眼薬や飲み薬が出されることもあります。ひどい傷がある場合には、手術が必要になることも稀にあります。

 

 

犬の目にゴミが入っていても、問題になることはあまりありません。基本的には無理に取ろうとせず、様子を見てあげてください。ただし、目は状態が悪くなると失明にもつながるデリケートな組織です。何か気になることがある場合は、自分で判断せず、かかりつけの動物病院で診てもらうようにしましょう。

無理に自分で取ろうとすると、逆に状況をひどくさせてしまうこともあるので注意してくださいね!

 

「犬の目」に関するワンペディアの獣医師監修記事をご覧ください。

目にゴミ☞愛犬の目の中にゴミが…!下手に取るのは危険?正しい対処法とは

角膜潰瘍☞犬の角膜潰瘍

角膜炎☞犬の角膜炎

結膜炎☞犬の結膜炎

涙やけ☞犬の流涙症(涙やけ)

チェリーアイ☞犬のチェリーアイ

白内障☞犬の白内障の症状や予防法

緑内障☞犬の緑内障

ケア☞目の周りをしっかりケアしていつまでも可愛く!

 

 

犬種や季節、年齢など、うちの子がかかりやすい病気を調べて予防するため、『うちの子おうちの医療事典』を、ご利用ください。

 

☞『うちの子おうちの医療事典』掲載の「目」に関する病気の詳しい解説はこちらをご覧ください。

白内障 

核硬化症

進行性網膜萎縮

結膜炎

緑内障

角膜潰瘍

乾性角結膜炎

逆さまつげ

チェリーアイ

アイペット獣医師

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