
避妊手術や去勢手術を受けた後、またケガの治療のために縫合をした後など、抜糸が必要となることがあります。
愛犬がはじめて手術を受けた後は、「いつ糸がなくなるのかな?」「それまではお家でどのように過ごせばよいのかな?」など、不安な点もあるかと思います。
ここでは、手術後〜抜糸までの愛犬との過ごし方について、簡単に解説します。
どうして抜糸が必要なの?
手術に使われる縫合糸には、時間が経つと体に吸収される糸と、吸収されない糸があります。
皮膚の表面を「体に吸収されない糸(非吸収糸)」で縫った場合には、抜糸が必要です。
非吸収糸は一般的に、糸が丈夫で傷口をしっかり固定できることや、皮膚への刺激が少なく炎症が起こりにくいとされていることから、あらゆる手術において皮膚の表面を縫う糸として選択されます。
そのため、多くの手術の場合、抜糸が必要となります。
抜糸までの期間は手術の内容や傷口の状態にもよりますが、 通常、手術から7日〜14日後に行います。

抜糸までのケアと注意点
抜糸までの約1〜2週間は、傷口がくっつくための大切な期間です。
どのように過ごしたらよいのか、一例を紹介します。
◇入院中〜退院直後
安静第一: 病院ではケージ内で安静に過ごします。
傷のチェック: 獣医師や動物看護師が、赤みや腫れ、滲出液(液体)が出ていないかを毎日確認します。
◇自宅でのケア
退院後ご自宅に帰ってからのケアがとても重要です。
「舐めさせないこと」「糸を外させないこと」に気をつけましょう。
舐めさせない(最重要)
動物の舌はザラザラしており、数分舐めるだけで傷口が開いたり、細菌感染を起こしたりします。また、口が傷口に届いてしまうと、自分で糸を外してしまう恐れがあります。
※エリザベスカラーや術後服は病院からの指示に従い、抜糸の日まで必ず外さないようにしてください。
清潔を保つ
抜糸までの間、ご自宅で傷口の消毒が必要な場合があります。消毒の回数や方法は、獣医師からの指示通りに行ってください。
また、傷口を濡らすのは禁物です。
抜糸が完了する前はもちろん、抜糸の後も獣医師から指定された期間はシャンプーやトリミングは禁止です。散歩などで足が汚れた場合は、傷口以外を濡らしたタオルなどで拭く程度に留めましょう。
運動制限
激しいジャンプ、ドッグラン、階段の昇り降りなどは、傷口にテンション(張力)がかかり糸が外れてしまう恐れがあります。控えましょう。

病院へ連絡すべきサイン
以下のような様子が見られたら、予約日を待たずに一度病院で診察を受けましょう。
糸が切れている、または結び目が外れている。
傷口が赤く腫れ上がっている。
傷から膿や血がじわじわと出続けている。
傷口から異様な臭いがする。
など
抜糸自体は痛みもなく、短時間で終わることがほとんどです(性格によっては鎮静が必要な場合もあります)。抜糸が終わり数日が経てば、お散歩やシャンプーも解禁になります。
スムーズに抜糸を完了させるには、退院後から抜糸までのご自宅での過ごし方が重要です。
「エリザベスカラーは生活しにくくてかわいそう」と思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、カラーを外して傷口を舐めてしまったり、糸を外してしまったりすると、再度処置が必要となり、抜糸までの期間はさらに延長していまいます。
獣医師から指示された期間は、必ずカラーを装着しましょう。
どうしてもカラーが苦手な子の場合には、近年は術後服(エリザベスウエア)なども活用されるようになりました。手術する部位によっては適応でない場合があるので、獣医師に相談してから使用するようにしましょう。
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